続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

GW3連戦を振り返って

第9節 東京0−0札幌−最後まで相手の堅守を崩せず、勝ち点1を得るにとどまる
第10節 ヴェルディ0−0東京−退場者を出して苦しい展開の中、最後までゴールを目指すも2戦連続のスコアレスドローで終わる
第11節 東京1−0富山−途中出場の羽生が起死回生のゴールを決め、ホームで勝ち点3を得る


 味スタ3連戦。2試合はホームで、残りも3年ぶりの東京ダービー。3つポンポンポーン!といただいて、昇格候補最右翼たる姿を見せたかったところですが、そうは問屋が卸してくれず。それどころか、3試合で1得点しか奪えず、鳥栖、千葉戦を経て漠然と感じていた不安感、焦燥感がこれほどまでにはっきりとした形となって現れるものか…と下を向きたくなる270分間でした。
 もちろん、エクスキューズはあります。平山の負傷や一向に上向かないセザー、ペドロのコンディション不良による攻撃陣の試行錯誤、そして、開幕前には贅沢すぎると思われていたボランチ陣の相次ぐ故障によるセンターラインの予期せぬ揺らぎは、少なからず考慮して見なければいけないと思います。しかし、大なり小なりシーズン中には怪我人は出るわけでして、平山や米本がいわゆる「屋台骨」たる選手だったとしても、その不在に対してシーズン前にオプションは持たせておいてほしかった、というのが偽らざる心境。攻守両面において個人レベルでの奮闘で何とか体をなしているように見えますが、この先いつまでもそれに頼っているわけにはいかないでしょうし。じゃあ、これからどうしたらいいのか?今後どうすべきなのか?まあ、一ファンがどう「すべき」と言うのはさすがにおこがましいですけど、しかし自分なりにこうしてみたらいいんじゃない?思うところはあるので、個々の試合ごとに振り返るのはやめて、とりあえず2点に絞って書いてみたいと思います。


1.前半勝負?後半勝負?
 怪我人が多数出るということは、スタメンの入れ替えとともに、ベンチメンバーのパンチ力低下もケアしなければいけません。勝負どころでスイッチとなるべき選手を頭から使わなければいけなくなるわけですから。合わせて、千葉戦での押し切られ方や、去年から思っていた「大熊監督、交代ヘタなんじゃね?」疑惑がいよいよ確信に変わりつつあるという点も相俟って、「スタメンをフルパワーにして、とにかく先に点を取って逃げ切る=前半勝負」でやるべきなのか、「スタメンも張れるけどスイッチにもなれる選手をあえてベンチに置いて、彼らの投入までは失点しないように耐える=後半勝負」でやるべきなのか、考えを巡らせていました。俗に言う、ゲームプランというやつです。で、結論から言うと、私は後半勝負型で徹底すべきだと思っています。理由としては「J2レベルの攻撃陣に対してなら、ある程度ゼロでしのぎきれる可能性が高い」「『スイッチ役』の駒は足りている」「城福監督時代とは違い、65〜75分あたりであからさまにバテる、というシーンがあまり想像できないくらい、スタミナ面での問題はクリアできていそう」の3点が挙げられるでしょうか。
 1点目ですが、結果として千葉戦(=準J1級)以外には失点しておらず、被シュート数も千葉戦を除けば鳥栖戦4本、札幌戦11本、ヴェルディ戦12本、富山戦8本で、平均すると8.75本と、結構抑えられているという数字が残っています。もちろん、冒頭でも書いたとおり個人レベルでの奮闘による部分がまだまだありますし、うわー、っていうピンチがないとは言わないですけど、しかし、その個のレベルがやはりJ2では抜けていること、そして、ピンチのシーンでも結果的にシュートまで持っていかせていない(あるいは、フリーでは打たせていない)ことの証左であると言っていのかなと。実際、やはり今野、森重は多少相手に先手を取られても止められる、というシーンが多いですし、徳永、椋原も穴を開けることが少ないのは明らか。権田もやや落下点への入りが心配な部分こそありますが、1試合に1つ2つはしっかりとピンチをはね返せていますしね。そうしてしのいでいるうちに相手の足が止まって、その機を見逃さずに…2点目へ。
 その2点目ですが、スイッチ役はズバリ羽生、谷澤、(コンディションさえ戻れば)セザー、ペドロ、(個人的には期待している)草民。羽生、谷澤についてはもう言わずもがなでしょうけど、セザーも現状は途中出場から役割を限定させてあげれば−それこそ鳥栖戦の後半みたいな使い方をすれば−貴重な武器になると思っていますし、ペドロも大宮時代の凄かった頃にプレーを思えば、ただ1点コンディション待ち。また、出番こそ得られていませんが、草民も縦へ、前へ!というタイプが揃った前線の顔ぶれの中で、違う毛色でリズムを変えられるはず。羽生さんの涙や、谷澤のぬるっとしたプレー(誉めてますw)を見せられると、スタートから使ってよ!と言いたくなる気持ちは分かりますが、しかし北斗、上里、大竹あたりからはスイッチ役としての資質というか、短い時間で一仕事…という姿が私は想像できない、そして、富山戦での羽生、谷澤が入って以降の活性っぷりを目の当たりにしてしまった以上、しばらく羽生、谷澤にはある意味我慢してもらうことが必要かな、と感じています。少なくとも、2人のうちどちらかはベンチに置いておくのは必須かなと。しかし、ナオはどうしたの?
 3点目は、さすがになんです!と断言することは難しいですけど、しかし、鳥栖戦、ヴェルディ戦、そして富山戦と後半盛り返した点は見逃したくないなと。もちろん、それぞれ盛り返した理由はまちまちですが、それでも、最後まで相手に走り負けた、押し切られたという試合が(まだ5試合ですが)減ってきているのは好印象。この点については、城福時代と大熊時代の練習の違いや、フィールドプレーヤーに倉又イズムをビンビンに注入されたユース上がりの選手が増えてきたからか?と話が弾みそうなところもありますけど、それはまたいつかの機会に。
 この3点を踏まえればお分かりいただけるかと思いますが、富山戦は現時点における理想的な勝ち方だったなぁと思っています。もちろん心臓にはあまり良くないし、フラストレーションが溜まる時間帯があることは否定しませんが(苦笑)、平山システムが破綻し、怪我人が多くて多様な形を取れない中、ここで上位から離されないためにしぶとく勝ち点を拾い、1年でJ1に戻るためにはこれぐらいの割り切りというか、はっきりとしたゲームプラン・戦術を内外に示す必要があるのかなと思いますね。そのためには、カウンターが必要不可欠ではあるんですが…それはまた別の機会に。


2.阿部巧の功罪
 昨シーズン長友がイタリアへと旅立って以降、左サイドバックは北斗、徳永、椋原らがカバーしてきましたが、しかし「本職不在」の影響がなかったとは口が裂けても言えない状況だったと思います。そして今シーズン、そのポジションには横浜FCでの武者修行を終えて戻ってきた阿部巧が、5試合全てでどっかりと座っています。にわかユースウォッチャーの私としては当然阿部に期待する部分は大きいので、この5試合のプレーぶりに注目を払ってきたつもりですが、まあここまではっきりと功罪…って書くと大袈裟か、長短が見て取れるとは思っていませんでした。
 その長短、ざっくりですが「攻撃=長、守備=短」と言ってしまっていいでしょう。攻撃においては、左SHが毎試合変わっているので連携面が…という点こそありますが、しかし縦へと仕掛ける気概や、クロスのコース選択(アーリーでのボカーン、だけはちと勘弁な!)、あるいはカウンター時の思い切った攻撃参加など、(絶対伝わらないと思いますが)「ラテラウ」の雰囲気がビンビン伝わってきます。札幌の前半なんか、ゴールには結びつかなかったものの、4本ぐらいシュートに繋がるクロスを立て続けに上げることができていて、やるなぁ〜と。もちろんユース時代に少し見ていた頃から攻撃面では目を見張る部分はありましたが、しかし、昨年横浜FCで実際にプロとして試合に出続ける中で、ある程度相手との間合いであったり、自分がどれだけやれるのかであったりというのを肌で感じることができたのは、やっぱり違うんでしょうね。
 その一方、守備ではあからさまな穴として狙われるシーンが少なくありません。その典型的なパターンが、「相手の左サイド(東京から見て右サイド)からロングボールを阿部の裏のスペースめがけて蹴られて、そこで裏を取られたり競り負けたりで対応が後手に回ってしまう」というもの。後方からのロングボールに対して、CFがCBとガチンコエアバトルをするのを意図的に避け、サイドに流れて背の低いSBと競り合ってボールを収める、というのはここ数年で顕著に見られるようになった構図ですが(記憶に新しいのは…10年W杯日本対カメルーンで、本田がCBとではなくアスー=エコトと競り合って、前線の基点となった試合かな?)、今の阿部はまさにその餌食となりつつあって、事実ダービー後にヴェルディの森や井上からは、意図的に阿部のところを狙ったというコメントが聞かれました。付随して、阿部のフォローに今野が必要以上に行ってしまうことで真ん中に穴が開いてしまう、というシーンも、これは数が少ないですがあったように記憶しています。
 でも、この流れって、いつかみたことがありませんか?シーンキーングターイム!…………………………終了ー!正解は…そう、長友のデビュー時です。あの時も、前への推進力を前向きに買われ、しかし高さ不足や裏のスペースを狙われることを後ろ向きに捉えられ、あーだこーだ言われていたのと丸被りしている、と私は思っていて。だから阿部も長友になれる!というのはさすがに論理が飛躍しすぎですし、不安さを取り除くための努力を(個人でもチームでも)する必要はありますけど、しかし、守備の不安さをだけを取って別の人を起用した方がいい、と言うのは反対です。我慢して使うことが今は阿部自身のために、そして、近い将来にはチームのために絶対なると思うので。


 まあ、結論としては「GW中に得点見られてよかったー」で(えー