続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

10−11 その16 プレミアリーグ第6節 ボルトン−マンチェスター・U

 前節リバプールに競り勝ったマン・Uがボルトンもホームに乗り込んでの1戦。9/26のゲームでした。
ボルトン 2−2 マンチェスター・U
得点: 6分 Z・ナイト(ボルトン
     23分 ナニ(マン・U)
     67分 M・ペトロフボルトン
     74分 M・オーウェン(マン・U)
MOM:ナニ(マン・U)

この試合では誰よりもボールを多く触り、やや流動性に欠けたチームにおいていいアクセントとなっていた。自分で行くところと人を使うところの使い分けにも進境が見られ、チームのキーマンとしてプレーする日も近いか。


 立ち上がり主導権を得たのはマン・U。サイドからの攻撃を中心に5分でチャンスと言えるシーンを立て続けに3つ作り、ボルトンゴールを脅かします。しかし、その直後にボルトンが試合を動かします。6分、左サイドのCKのボールにナイトが右足裏(?)で合わせるテクニカルなシュートを決め、ボルトンが先制しました。そのCKを取ったイ・チョンヨンのシュートがファーストチャンスだったんですが、その流れを抜け目なくものにした感じでしたね。その後はマン・Uが引き続きサイドから、ボルトンがらしいロングボールとらしくない(と言ったら失礼だが)ポゼッションを使い分けてそれぞれゴールを目指しますが、正午試合開始というランチタイムバトルが影響しているのか、お互いなかなかテンポが上がらず、リズムが生まれません。特にマン・Uは簡単なパスミスからカウンターを浴びるシーンが2度3度見られるなどらしくない試合運びとなり、流れがややボルトンに傾きかけますが、個人技がそれを食い止めます。23分、ハーフラインでボールを受けたナニが巧みなコース取りとタイミングのいいチェンジオブペースでDF4人を手玉に取り、最後は右足を振り抜いてゴール左隅に叩き込み、同点に追いつきます。まあ、このシーンはナニを褒めるほかないでしょうし、この日のナニは誰よりもボールタッチが多く、非常に目立つ存在でした。その後もボルトンはゾーンで守備をする意識が強すぎたのかドリブルで入ってくる相手を捕まえきれずにピンチになりかけるシーンがたびたび見られましたが、マン・Uも抜ききる、崩しきるまでには至らず。ボルトンの攻撃もやや単発になってしまい、マン・Uの守備陣に跳ね返される。そんな流れで前半は終了します。
 後半。入りは五分。ただ、アグレッシブさや流動性が前半より増したわけではなく、お互いがパスコースを探してボールホルダーが悩むだとか、出しどころがなくてロングボールといったシーンが多く、引き続きゲームは膠着状態に。その中でマン・Uはギグスがハムストリングの痛みを訴えて交代を余儀なくされたり、ルーニーが全くゲームに入れないまま今季最短の61分で交代させられたりと上手くいかず、流れはじんわりボルトンに向き始めていたような印象がありましたが、それが形になったのが67分。マン・UのCKをDFがクリアしたボールをペトロフが拾い、そこからサイドチェンジでイ・チョンヨン→エルマンデル→ポストの落としでペトロフとボールが繋がり、最後はペトロフのシュートがフレッチャーに当たりながらゴールに吸い込まれ、ボルトンが勝ち越します。見事なロングカウンターからのゴールでスタジアムは多いに盛り上がり、このままボルトンがひょっとすれば、という空気も流れ始めます。しかし、それを断ち切ったのはベテランの一撃。74分、ゴール前でのFKに狙いすましたバックヘッドで合わせたのは、その3分前に途中投入されたばかりのオーウェン。その合わせたボールは綺麗な弧を描きながらゴール左ポストを叩きつつゴールに吸い込まれ、マン・Uが同点に追いつきました。その後はボルトンがロングボール中心に攻めるシーンが多く見られたもののゴールは生まれず、同点のままタイムアップとなりました。


 ボルトン。かつてはロングボール一辺倒、というサッカーをしていた時代もありましたが、今はデイビス、エルマンデルの強さも活かしつつも、イ・チョンヨンペトロフの両SHが非常にボールを持ててテクニックもあるということで、しっかりとボールをコントロールできる時間帯も増えていたような気がします。この使い分けをチーム全体の共通理解としてさらに浸透させられれば、残留争いすることなく1シーズン上を見て戦えるような印象もあります。
 マン・U。水曜日に大事な1戦(CL、バレンシア戦)が控えていて、そこを睨みすぎたとまでは言いませんが、少しこの試合にフォーカスし切れなかったのは否めませんね。特にルーニーベルバトフの2トップはほとんど仕事が出来ず、攻撃のブレーキになっていました。中でもルーニーは表情も湿りがち。離婚騒動が一応の決着を見たとはいえ、それを引きずっているのはありありで、ここまでゴール数だけで言えばベルバトフがその穴を埋めているとはいえ、ルーニーのプレイメーカーとしての仕事があってこそのマン・Uの攻撃ですから、一日も早い復調が待たれます。