続々々・メガネのつぶやき

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10−11 その11 ブンデスリーガ第4節 シャルケ−ドルトムント

 ルールダービーでございます。ここ3年はシャルケが4勝2分と負けなしできていますが、今シーズンの入りはドルトムントが明らかに優勢。果たして、結果は。9/19のゲームです。
シャルケ 1−3 ドルトムント
得点:20、58分 香川真司ドルトムント
     86分 R・レヴァンドフスキドルトムント
     89分 K・J・フンテラールシャルケ
MOM:香川真司

巧みなドリブルからの1点目、抜群のタイミングでゴール前に走りこみクロスに合わせた2点目、ともに素晴らしいゴールでダービー4年ぶりの勝利に大きく貢献。周囲からの信頼の厚さも感じられ、これからにますます期待が持てるパフォーマンスだった。


 立ち上がりはお互い堅い入り方を見せ、特に3連敗中のシャルケがホームながら守備をしっかりしようという意図が見える展開。しかし、守備の組織作りそのものが遅れているのか、DF−MFの2ライン間にコンパクトさが見られず、早々に香川、グロスクロイツゲッツェの2列目にいいようにそのスペースを使われます。また、奪われた後の切り替えも遅く、14分には香川が、15分にはグロスクロイツショートカウンターからチャンスをつかみます。さらにシャルケはセットプレーの守備も酷く、(少し遡りますが)9分にはFKからベンダーがネットを揺らし(オフサイド判定)、11分にはCKのこぼれを拾ったベンダーからのクロスにスボティッチが合わせ、惜しくもクロスバーに弾かれるなど、こちらでもシャルケの劣勢が続きます。
 そして20分、ドルトムントゴールキックからのビルドアップであっさりと前線までボールを運び、バイタルエリア付近でゲッツェのドリブルをプレスタンが一旦は食い止めるも、そのこぼれ球を拾った香川がキレのあるドリブルでヘーベデスを外して左足でシュート。これが食い下がったヘーベデスの足に当たりコースが変わるラッキーもありながらゴール左に突き刺さって、ドルトムントが先制します。実はこの直前、シャルケは相手のミスから決定機をつかんでいて、その流れでのゴールキックだったんですが、それをあっさりとゴール前まで運ばれるあたりが今の不調の一因なのかな?とも思えるシーンでした。その後もドルトムントが畳み掛ける展開が続き、特にセットプレーでフンメルスに3回連続で頭1つ出し抜かれてヘッドを許すなど守備を立て直せないまま。ノイアーの好セーブがなければ前半でもう2点は入ってもおかしくなかったですし、攻撃も25分過ぎから一応格好はつけましたが、フンテラール、ラウールの2トップが全く存在感を出せないまま(まあ、ボールが来ないからしょうがない部分はありますが)前半は終了しました。


 後半。入りはシャルケが良かったと思います。デアクに代わって入ったエドゥーがサイドでアクセントになり、ラウールとフンテラールが縦から並列へと位置関係を修正し(場面によってはラウールが前、フンテラールが後ろというシーンも)、CBに対してプレッシャーを与えることができていました。しかし、守備面の不安定さは改善されないままで、ドルトムントの攻撃を食い止めることができません。58分、ハーフラインやや手前でのFKをフンメルス(だと思うんですが確認しきれず)が右サイドへ大きくフィード。これを後半からゲッツェに代わって投入されていたブワシチコフスキが素晴らしいトラップで収めて中をルックアップ。GKとDFの間に送られた低くて早いクロスに合わせたのは、またしても香川。素晴らしいタイミングでエリア外から飛び込んできて、クロスに左足インサイドで合わせる見事なゴールで2−0とします。このシーンでは、右サイドに張り出していたブワシチコフスキがどフリーになっていたり、飛び込んでくる香川に対して誰一人目を配れなかったりと、まあそりゃ失点しますわなというお粗末な守備をシャルケは見せてしまいました。さらに、62分にはプレスタンがこの日2枚目のイエローで退場。数的不利になったシャルケはさらに防戦一方になり、ドルトムントは香川を74分で、バリオスを81分で下げる余裕の展開になります。とどめは86分、そのバリオスに代わって投入されていたレヴァンドフスキがCKからドンピシャのヘダーでゴールを決めます。89分にフンテラールが1点返しますが、もはや焼け石に水。ルールダービーは、現状のチーム力の差がこれでもかと表れるゲームになりました。


 ドルトムント。ゲームを見るのは開幕戦以来でしたが、額面通りよくなっていたと思います。特に香川、ゲッツェグロスクロイツバリオスの前線4選手のコンビネーションがよくなっていて、その役割分担もハッキリしてきたのかなと。その中で、香川は4試合で3得点と素晴らしい入りを見せていますが、任されているタスクがセレッソ時代とさほど変わらず、かつ、クロップ監督からの信頼も得ているとなれば、これぐらいはやってくれていいでしょう。フィジカルの強いリーグで、かつヨーロッパリーグもあるということで、これから疲労が蓄積され、バイオリズムがダウンする時期が来ると思いますが、その時期さえ上手くやり過ごせれば、チームMVP級の活躍をしても驚かないと言っても過言じゃないかと思います。守備も4試合4失点は喫していますが大きな破綻は見られず、フンメルススボティッチを中心に上手くバランスは取れているので、ここが大崩れしなければ優勝争いに加われると思いますね。
 シャルケ。これで公式戦5連敗。その間の数字が3得点10失点で、誰が見ても機能不全に陥っていることは明らかでしょう。実際この試合を見て感じたのは、守備の酷さ。ボルドン、ヴェスターマンラフィーニャと、ここ数シーズンのシャルケを支えてきたDF陣が一気に去った影響や、メッツェルダーが自身の思うべきプレーレベルに至ってないであるとか、内田が怪我をしてしまったなどの誤算がマガト監督からすればあったとしても、それでもシーズンが始まり1ヶ月が経ってもこの程度しかできないのは、さすがに問題あり。しかし、人はもう代えられないわけで、その中でさあどうする?と冷たく見るしかないですね。