続々々・メガネのつぶやき

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Jリーグディビジョン1 第23節 磐田2−1東京 雑感

 前半は、まさに末期状態と言わざるをえない内容でした。付け焼刃の4−3−3が全く機能せずに完全に前後分断。各選手間の距離が遠く、攻守両面でピッチには穴が開きまくり、攻めては繋がらず、守っては繋がれ続けるばかり。挙句の果てには、ヨングンが腰を痛めて交代。前半を0−2で終えられたのが有難かったくらい、ボロボロの東京がそこにはいました。後半は磐田のペースが落ち、わずかに盛り返せたことで同点のチャンスまでありましたが、さすがにそれは高望み過ぎでしょう。2−1というスコア以上の惨敗を喫し、日曜日の結果によりいよいよ降格圏内の16位に順位を落とすこととなりました。


 そして、ついに下された城福監督解任の決断。当然、いろんな反応が出てきました。賛成、反対、肯定、否定、ポジティブ、ネガティブ、理想、現実。もちろん、そのいずれかが正解とか不正解と現段階で言えるものはありませんが、私は「悔しいけれど、仕方ない」という風に捉えました。
 今日発売されたエルゴラ内の馬場康平さんのコラムに、こういう一節がありました。引用させていただきます。

 先週の半ばのある日、ミーティングルームにこもったまま、選手たちがなかなか姿を見せなかった。練習開始時間から1時間近くが過ぎてようやくグランドへと出てきた。城福監督は、そのミーティングで選手達に問いかけていた。


「この状況なら、リトリートする戦い方もある。だけど、オレは、変えたくない。ここでみんなと戦う以上は、今まで積み上げてきた戦い方で戦いたいと思っている。」


 何人かの選手を指名し、それに対する答えを求めた。選手たちは「監督を信頼して指示に従う」という答えを出して磐田戦に臨んだ。

 いわゆる「現実的」な戦い方を選択し、とにかく失点せずに耐えに耐え、少ないチャンスを生かしてしぶとく勝ちきる方向に舵を切ることは、まだ残り10試合以上あるこのタイミングなら不可能ではありませんでした。しかし、城福監督は、FC東京と言うチームは、「理想」に生きることを選択しました。相手云々ではなく自分達と向き合い、自分自身と戦うことを選択しました。そして、言い方は厳しいかもしれませんが、磐田戦は理想に殉じてしまう結果となりました。であるならば、この状況を打破するために、J1残留をもぎ取るために、ここで何か手を打たないといけないとするならば、「理想」に生きる選択を最終的に決断した監督が責任を取るということは、至極当然のことと言えるんではないでしょうか?
 私の根底には「J2何か絶対にイヤだ!」という思いがあります。中には、広島や柏を意識してか「J2で理想を追い求めて、もう1度J1に上がってくればいいじゃないか」というような論を立てる方もいらっしゃるようですが、J2に落ちることのマイナスがどれほどのものか想像すれば−スポンサー料の減額、観客動員の減少、主力の流出−、そんなことは口が裂けても言えない、というのが私の考えです。だから、大熊新監督に代わって残留できる保証はどこにもないとはいえ、リミットを越えたマイナスの空気がチームを覆っていた現状に手を打つことそのものは、仕方ないと思っています。


 城福監督には、心から感謝を言いたいです。いろいろなものを東京にもたらしてくれたと思いますし。とにかく今はゆっくりと心身を休めて、いつの日か東京に、サッカー界にどのような形でもいいので関わってほしいと思います。そして、大熊新監督はかなり厳しいミッションを課せられたと思いますが、残留を目指してチームをまとめてほしいと思います。もう、やることは1つですよ。チームも、ファンも。