続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

バンクーバー五輪11日目雑感

 残すところ、あと1週間です。
 まずはカーリング・スイス戦。スコア等はこちら。決勝トーナメント進出のためには絶対勝ちたい相星決戦でしたが、終わってみれば何もさせてもらえなかったなと。スコア、ショット成功率だけを見てもそうですし、場の流れを読みきる力、それを活かした戦術のセレクションと実行するショットの精度、そのいずれも見た目はストーン1個分とかかもしれませんが、大きな、圧倒的な差を感じずにはいられない試合でした。
 正直、私はこの試合の意味をまだ見出せていません。決勝トーナメント進出のために、絶対に勝たなければいけない試合。そのシチュエーションの中で、これまでとは違って先行スタートだからといってただ単に受けるだけではなく、積極的に仕掛けていく戦術をとりました。結果的には、戦術にアイスリーディングやショットの技術が追いつかなかったために失点を重ねてしまったわけですが、「攻めに出た結果のミス。これはしょうがない。」という意見もあるでしょうし、「座して死を待つより…」という前向きさが次に繋がるという見方もあると思います。
 ただ、チーム青森はディフェンス志向でここまでやってきたチームです。序盤は静かに入り、相手の攻撃に耐えながらレーンの状況や相手の戦略を読み解き、それを中盤以降活かして差し切るゲームスタイルで結果を残してきました。それが、結果として「後手を踏み続ける」状況に陥ってしまった、あるいは現在(あるいは今大会)の世界の潮流と逆をいくものだとしても、突然やりなれないオーダーを選択してミスを続けてしまった試合が、「攻めた」というエクスキューズだけ残して果たして次に繋がるのでしょうか?とも思うわけです。選手からも「かみ合わない」(本橋)「序盤から石をためる展開でいったが、使える石を残せなかったり、かえって邪魔になったりしてしまった」(近江谷)など、オーダー変更に対しての後悔みたいなニュアンスのコメントが出され、コミュニケーションの齟齬が見られてしまう形にもなったわけですし。
 まあ、まだ完全に予選敗退が決まったわけではないので、これ以上突っ込むのは止めにします。この辺は全試合が終了して、選手たちが肌で感じたことを何かしらの媒体で口にしてくれるのを待つしかないですしね。ともかくあと2試合、周りのことや私みたいな素人の意見はどうだっていいので、自分たちの中で後悔を残さないで(少しでも減らして)帰れるように、今一度向くべき方向を定めて、チーム全員が同じベクトルを向いて戦ってほしいなと思います。


 そのほかは簡単に。スキージャンプ・団体は5位。葛西紀明が133.5m、140mと大ジャンプを2本揃えてその経験・実力を出し切ったのに対し、伊東大貴栃本翔平竹内択の若手3人はどちらか1本だけにとどまり、不完全燃焼に終わった印象はあります。ただ、これが現時点の実力なんでしょう。葛西はまだまだ現役を続ける意欲を見せていますし、残りの3人もこの経験を糧にして伸びてもらわなければ困る選手たち。これからの活躍に期待するとしましょう。
 フィギュアスケートアイスダンス・フリーのキャシー・リードクリス・リード組はトータルで17位でした。「改善すべき点が山ほどある」(キャシー)のも事実でしょうけど、この大舞台でパーソナルベストの得点をたたき出したことは、素直に収穫だったのかなと。