続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

CLグループリーグ 雑感

 という訳で、今日早朝の試合を持ちまして、グループリーグ全試合が終了しました。予想通り、予想外、どちらも含まれた面白いグループリーグだったんではないかと思います。1/10も見てないけどね!で、9/14に書いた展望の答え合わせも含めて、ザクッと振り返ります。1/10も見てないけどね!

グループA
1位 ▲ ボルドー(5勝1分け 9得点2失点)
2位 ○ バイエルン・ミュンヘン(3勝1分け2敗 9得点5失点)
3位 ○ ユベントス(2勝2分け2敗 4得点7失点)
4位 … マッカビ・ハイファ(6敗 0得点8失点)

 ボルドーについては、「勝ち上がるためには『攻めて勝つ』ことだけを考えるべき」と書きましたが、これは訂正してお詫びしなきゃダメですね。それぐらい、CL仕様の4−2−3−1(普段リーグ戦では4−4−2)での守備は安定していましたし、奪ってからのカウンターやセットプレーといった予想とは反したところでの得点が非常に多くて、ホント参りました!の一言です。何かの雑誌に「ボルドーワインのように年々、日々熟成されていく」という評価が載っていましたが、まさにその通りかと。ここから先はボーナスステージなのかもしれませんが、無欲ほど怖いものはないですから、楽しみにしたいと思います。
 2位争いはバイエルンが制しました。こちらも予想に反して4−4−2で固まりつつあり、しかもロッベンとリベリが怪我でさほど使えなかった中での2位ですから、価値はあると思います。ユベントスは、終わって見ればマッカビ・ハイファ相手にしか勝てず、しかも2試合とも1−0。この得点力では、厳しかったですね。イタリア好きとしては、4チームとも勝ちあがってほしかったですけど(ユベントスだけ敗退)、納得せざるを得ない結果です。マッカビ・ハイファは6連敗で、得点もゼロという寂しい結果に。まあ、タレントの差を考えればやむを得ないかと。

グループB
1位 ◎ マンチェスター・U(4勝1分け1敗 10得点6失点)
2位 △ CSKAモスクワ(3勝1分け2敗 10得点10失点)
3位 ▲ ヴォルフスブルク(2勝1分け3敗 9得点8失点)
4位 ▲ ベシクタシュ(1勝1分け4敗 3得点8失点)

 マン・Uの勝ち抜けは当然のレベルですが、しかしホームで(多少メンバーを落としたとはいえ)ベシクタシュに敗れたり、CSKAに3失点を喫したりと、ここ数年のような安定感には欠けた印象。まあ、本番はここからですから、ファーガソン監督はそんなこと微塵も気にしてないとは思いますけどね。
 そして、混戦の2位争いはCSKAが抜け出しました。グループリーグ前にジーコ解任→ファンデ・ラモス就任、そのファンデ・ラモスもアッサリと解任されるなどゴタゴタはありましたが、ジャゴエフクラシッチ、ネツィトら攻撃陣の活躍が大いに光りましたね。逆に、期待していた守備陣は10失点と結構残念な感じに。やはり、スピード不足が目立つシーンが多いようで、さらに強豪が待ち構える決勝Tでどこまで耐えられるのか、半信半疑といったところでしょうか。ヴォルフスブルクは初出場で健闘したと思います。得失点差はプラスですしね。ただ、一度劣勢に立たされると巻き返せない勝負弱さがちょっと目立ってしまったのかなぁと。この辺は、フェー監督がマガト監督時代ほど「拠り所」を作れなかったのが原因だと私は見ていますが…。ELで頑張ってもらいましょう。ベシクタシュの3得点は予想外でした。FWは悪くないと思ってましたけど、ニハト含めて不発。初戦は国内レベルだったということなんでしょうかね。

グループC
1位 ◎ レアル・マドリー(4勝1分け1敗 15得点7失点)
2位 ▲ ミラン(2勝3分け1敗 8得点7失点)
3位 ▲ マルセイユ(2勝1分け3敗 10得点10失点)
4位 … チューリッヒ(1勝1分け4敗 5得点14失点)

 R・マドリーについては、「もちろん組織として熟成するには短くない時間と少なくない労力が必要だとは思います。けれど、組織を凌駕する個が揃いすぎでしょ(苦笑) ポコッと1つぐらいは負けるかもしれませんけど…」という展望で書いたそのままの6試合だったかなぁと。徐々にコレクティブさが出てきているとは思いますし、ペジェグリーニ監督は(中には謂れのない)批判を浴びつつも、ここまでは悪くない成果を出していると思いますよ。逆に、ミランはよく生き残りましたわ。キーポイントは、やはり第3節のR・マドリー戦の勝利でしょう。ここで負けていればどうなったかは全く分からないし、この試合(正確には、直前のリーグ戦)でハマった4−2−1−3を採用してからは、約2ヶ月負け知らず。あの時の状況を考えれば、多くの人がR・マドリー戦でレオナルドの立場は危うくなると見ていたはずですが、まさかR・マドリー戦がレオナルドを救うことになるとは、露とも思っていませんでしたよ。
 マルセイユは、展望で「第1節のミランとの直接対決で勝利を得ることが出来れば、決してグループリーグ突破は夢物語ではない」と書きましたが、案の定、第1節のミラン戦で引き分けにも持っていけなかったのが響いた格好。チューリッヒにはしっかり連勝し、アウェーのミラン戦で引き分けられただけに、もったいない試合でした。チューリッヒミランにアウェーで勝てた。それが、これ以上ないお土産でしょう。

グループD
1位 ◎ チェルシー(4勝2分け 11得点4失点)
2位 ▲ ポルト(4勝2敗 8得点3失点)
3位 ○ アトレティコ・マドリー(3分け3敗 3得点12失点)
4位 … アポエル・ニコシア(3分け3敗 4得点7失点)

 チェルシードログバを欠く前半3試合をどう乗り切るのかだけが心配でしたが、終わって見れば6得点無失点での3連勝。6試合終えても負けがなく、ここでは1枚力が違ったようです。中盤がダイヤモンド型の4−4−2に熟成の兆しがありますし、アンチェロッティ監督らしい適材適所な使い分けもしっかりと出来ているようですし、目下の優勝候補1、2番手と言っていい気がします。「シーズンに必ず2度ある」と言われる調子落ちの時期がどこになるのか、そういったピーキング、コンディショニングさえ間違えなければ今年こそ…と期待しています。
 2位争いはもっと熾烈になるかと思いましたが、ポルトがアッサリと…というよりは、A・マドリーがダメすぎましたね(苦笑) フォルランアグエロの2枚看板頼みのサッカーは限界を露呈し、その現状を打破すべくなされた監督交代も、国内リーグではじんわり効果が出つつあるものの、CLでは特効薬にならず。辛うじてアポエル・ニコシアとの直接対決の差で3位を確保してELに回りますが、正直今は国内リーグに集中せざるを得ない状況なので、4位だった方がよかったなんて声もあるぐらい。悩める古豪は、どこへ向かうのでしょうか…。順番が逆になりましたが、ポルト。L・ロペス、ルチョ、シソコといった昨年の主力を一気に放出してどうなるかと思いましたが、新戦力がアッサリと馴染んで、A・マドリーとの直接対決もダブルと圧倒。フッキもついにCL初ゴールをあげ(結局6試合で3ゴール。立派。)、意気揚々と決勝Tを戦えるんではないかと。守備が地味にいい(今季、公式戦での複数失点はわずか2試合のみ)のも期待感を煽ります。アポエル・ニコシアはA・マドリーより「いい数字」を残しての敗退ですから、胸を張ってほしいです。

グループE
1位 ▲ フィオレンティーナ(5勝1敗 14得点7失点)
2位 ○ オリンピック・リヨン(4勝1分け1敗 12得点3失点)
3位 ○ リバプール(2勝1分け3敗 5得点7失点)
4位 … デブレツェニ(6敗 5得点19失点)

 いやぁ、リバプールが敗退ですよ。(これで言うのは最後にしますが)最後まで「シャビ・アロンソなき後」の次善策を見出せず、そこに「死屍累々」という醜い言葉をつい使いたくなるほどの相次ぐ故障・離脱者が重なってしまったことで、あれほどまでにCLでは勝負強かったリバプールが、この6戦は勝負弱いのなんの。リヨンとの連戦ではそれぞれ91分、90分に、今朝のフィオレンティーナ戦でも後半ロスタイムに失点、ですからね。そのうち2試合はアンフィールドでの試合でしたし。まあ、この敗戦を真摯に受け止めて、何はともあれ来季のCL出場権確保=4位以内を目指さないとですね。
 一方勝ちあがった2チームは見事。フィオレンティーナは、初戦でリヨンにこそ敗れたものの、その後は(UEFAコンペティションにおけるクラブレコードとなる)5連勝。デブレツェニに都合5点奪われるなど守備面では不安定な部分もありましたが、ジラルディーノ、ムトゥ、そしてヨベティッチの3人で8得点をあげるなど攻撃陣が大爆発。サイドアタッカー陣も元気でしたし、モントリーボも期待に応える仕事がまずまず出来ていましたし、決勝Tでも小気味いい攻撃には期待したいですね。リヨンはシソコ、バストス、L・ロペス、デルガドら新戦力が早々に馴染み、GKロリス、ピャニッチは成長著しいですし、ゴミ、ゴヴがいい頃の動きを取り戻してきましたし、ゴナロンというラッキーボーイも出てきましたし、非常にバランスのいい戦いを見せられたんではないでしょうか。これで、7年連続の決勝T進出。また2位通過だけに厳しい戦いは待っていると思いますが、何かやってくれそうな予感はあります。デブレツェニは…ご苦労様でした。

グループF
1位 ◎ バルセロナ(3勝2分け1敗 7得点3失点)
2位 ○ インテル(2勝3分け1敗 7得点6失点)
3位 … ルビン・カザン(1勝3分2敗 4得点7失点)
4位 △ ディナモ・キエフ(1勝2分け3敗 7得点9失点)

 勝ちあがった2チームこそ馬連1.0倍な感じですが、このグループがこんな激戦になるとは、誰が予想できたでしょうか?これはひとえに、ルビン・カザンディナモ・キエフの頑張りに尽きるわけですけど、いやぁ、ビックリしました。この「苦戦」が、バルセロナインテルの両チームに与える影響は、いかほどなんでしょうかね?少なくともバルセロナは、第6節の「極寒の」キエフに主力を連れて行かなくてもいい算段だったはずで(ワールドサッカーダイジェストティト・ビラノバコーチのコラムで、「キエフに主力を連れて行かなければいけないのは厳しい」という文言があった)、この後FCWCが待っていることも考えれば、ほんの僅かでしょうが影響はあるかもしれません。

グループG
1位 ○ セビージャ(4勝1分け1敗 11得点4失点)
2位 ▲ シュトゥットガルト(2勝3分け1敗 9得点7失点)
3位 △ ウニレア・ウルジチェニ(2勝2分け2敗 8得点8失点)
4位 △ グラスゴー・レンジャーズ(2分け4敗 4得点13失点)

 印上展望どおりではありましたが、ウニレアの大健闘で面白い展開になりましたね。その中で、やはり一歩抜けていたのがセビージャ。特段書くこともないぐらい安定していて、第5節のウニレア戦の敗戦も、メンバーをやや落とした中でのものなので、ダメージは少ないはず。今のこの戦い方で、ビッグクラブにどれだけ対抗できるのか、楽しみです。
 シュトゥットガルトは何とか第6節でウニレアに勝利して2位に滑り込みました。が、チーム状態はどん底。なにせ、リーグ戦ここ8試合勝ちがなく、現在16位(降格圏内)ですから。CLでは上がり2節の連勝で何とか体裁を整えましたけど、今はCLどうこう言ってる場合じゃないかと。ウニレアは驚きました。試合は1つも見れなかったので結局何も分からないままお別れなんですが(笑)(あ、ELがあるか)、よく頑張ったと思います。しかし、アウェーユニが昔のセビージャみたいで懐かしかった(Jomaですよ、Joma)。レンジャーズは守ってナンボだと思っていたので、13失点ではお話にならないですね。スコットランド勢は、もはや厳しいのか…。

グループH
1位 ◎ アーセナル(4勝1分け1敗 12得点5失点)
2位 △ オリンピアコス(3勝1分け2敗 4得点5失点)
3位 △ スタンダール・リエージュ(1勝2分け3敗 7得点9失点)
4位 △ AZ(4分け2敗 4得点8失点)

 まあ、アーセナルは順当の一言。第6節のオリンピアコス戦は敗れましたが、第5節のスタンダール戦と10人スタメンを入れ替えた中でのものなので、問題なし。決勝Tに向けては、ファン・ペルシーがいつ戻ってこれるか、また不在時にどう穴埋めするのか、その1点でしょうね。
 2位争いはオリンピアコスが制しました。くっそ、ジーコくっそ!なわけですが(苦笑) 得失点差マイナスでの勝ち上がりですか。勝負強いといったらいいのか、他と目くそ鼻くそと言ったらいいのやら。ちなみに、得失点差マイナスでの勝ち抜けをウィキペディアで過去5シーズンをササッと調べて見たところ、

07−08 セルティック 5得点6失点
06−07 セルティック 8得点9失点
05−06 PSV 7得点9失点
04−05 PSV 6得点7失点
04−05 ポルト 4得点6失点

 といった感じで、結構ありましたわ。スタンダールは第1節のアーセナル戦で勝ちきれていれば、いや、せめて引き分けでとどめられていれば…といったところでしょうか。あれは本当に惜しかった。AZはクーマン(笑)と言うのみ。メインバンクの破綻による急下降もありましたけど、やっぱクーマンじゃねぇ、という感想しか出てきません。