続々々・メガネのつぶやき

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09−10 その24 チューリッヒ−マルセイユ

 ミランからアウェーで大金星をあげたチューリッヒ、対するマルセイユはまさかの連敗スタート。意味合いはやや異なるものの、お互い勝ちたい顔合わせ。10/21のゲームでした。
チューリッヒ 0−1 マルセイユ
スコア:69分 G・エインセマルセイユ


 前半は、よく言えば堅い、悪く言えばつまらない(しかも、結構悪く言いたい(苦笑))試合展開でした。とにかくお互いに単純なパスミスが多すぎて、ビシッとしたパスが3本繋がったのはマルセイユに1、2回あったかどうかぐらい。10mのパスすらずれるシーンが何度もありましたしね。かつ、フリーランニングの量も質も足りず、ビルドアップ時にボールを落ち着かせるポイント(選手)が誰一人いなかったため、お互いが可能性の低いロングボールに活路を見出す以外に術がない流れとなり、稀に上手く前線へ持ち込めたとしても、最後の部分のアイデアも精度も今一つで、シュートセレクトも遠い位置からや体勢が整わないままといった悪いものばかり。35分終了時に画面に出されたパス成功本数(チューリッヒ56本−マルセイユ36本!)とパス成功率チューリッヒ60%−マルセイユ59%)が、前半如何にボールが繋がらなかったかを端的に表しているかと。
ただ、一口につまらないと言い切れないのは、そんな攻撃の低調さを加味したとしても、お互いの守備が機能していたから。チューリッヒは8、9人をある程度引かせつつもコンパクトに保ち、パススペースを消す、マルセイユは前線から中盤におけるプレスの圧力で、とやり方こそ全く異なるものの、かなり流し気味だったスコミナ主審のレフェリングに助けられながらもしっかり守れていました。でも、結論としてはやっぱりつまんなかったよ、前半は(苦笑)


 後半。相変わらず精度が低い攻めをお互いやりあう展開ではありましたが、そのどんぐりの背比べの中で上回ったのはマルセイユ。前半終了間際からでしたが、ようやくピッチの幅全体を使った攻撃を見せることができ、サイドからの攻撃で活路を見出し始めました。一方のチューリッヒフォンランテンの個人技か、アエゲルターが絡まないとにっちもさっちも行かず、徐々に流れはマルセイユに傾きます。そして69分、右サイド、チューリッヒ陣内でマルセイユがFKを得ると、シェイルがクイックリスタートでルチョへパス。これに対してチューリッヒ守備陣は完全に反応が遅れてしまい、ルチョはフリーでファーサイドへクロス。これをフリーで待っていた(というよりはフリーになった)エインセが、利き足ではない右足で(ちょっと不恰好ながらも)ダイレクトボレー。これが逆サイドへ見事に決まり、マルセイユが先制しました。この試合は上でも少し書いたとおり、スコミナ主審がかなり流し気味のレフェリングを見せていて、おかげで可能性のある位置からのFKは数える程度しかありませんでした。と同時に、プレーが切れることも相対的に見れば少なく、推測ですが、このシーンでチューリッヒの選手は一息ついてやや集中力が欠けてしまったのかなぁと。また、シュタヘルがクロスが上がる前まではエインセを見れていたのに、ニアングにつられてマークを剥がしてしまったのも痛かったですね。
 何にせよ、得点が生まれたことで試合はようやく動き始めました。チューリッヒもようやく両サイドを崩してクロスを入れるシーンが生まれたり、ガイッチの精度の高いプレースキックからマンダンダを脅かすシーンを作り始め、対するマルセイユも、ややチューリッヒがリスクをかけて攻めてきた事で生まれたスペースをブランドンや途中出場のコネが上手く使って攻めるなどアクションを起こすことはできていました。しかし、最後までゴールは生まれず、試合はこのままタイムアップ。マルセイユが生き残るために絶対必要だった勝ち点3を得ました。


 マルセイユ。前半のパフォーマンスにはガッカリしました。アウェーだったとか、いきなり4−2−3−1ってどうよ?とか、ベンチが無駄に豪華だ(タイウォ、ベン・アルファモリエンテスバカリ・コネ、アブリエルがベンチ。次のパリSG戦を睨んだ?)とかありますけど、あれだけパスが繋がらないんじゃそれ以前の問題。ニアングがあまりにも自分の思うところにパスが来ないもんだから怒りまくったシーンがありましたし。そんな中でも勝ちを拾ったことは大きいですし、ホームに帰ってパフォーマンスが上がると考えれば、次負ける可能性は少ないとも言えるでしょうけど、その先の第5、6節のことを考えれば、この内容では如何ともしがたいかと。ホント、CLでのマルセイユは期待を裏切ってくれるわ(苦笑)
 チューリッヒ。冷静に考えれば、ミラン戦での勝因には多分に運が含まれていたわけですけど、それを差し引いてもミラン戦とはまったく別のチームでした。一番は、ホームだというのに攻撃が消極的過ぎ。ミラン戦ではフォンランテンの1トップでしたが、後方のガイッチ、オコンクォ、マルゲイラツ、ユリッチが積極的にボールサイドに絡み、「行く時は行く」という怖さをミラン守備陣に与えられていたように記憶していますが、この日は2トップがそれぞれ頑張るシーンばかりで、コンビネーションでくずシーンはほぼ皆無。オコンクォとガイッチがちょっとポジションが低すぎた印象で、マルゲイラツも引きずられて下がってしまい、2トップまでのパスレンジが長くなってしまった点は要修正でしょうか。ミランに勝って、変な意味での色気が出てしまいましたかねぇ?