続々々・メガネのつぶやき

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09−10 その21 ハンブルガーSV−レバークーゼン

 第8節終了時点で同じ勝ち点同士がぶつかる首位攻防戦。勝つのはどっちだ。
ハンブルガーSV 0−0 レバークーゼン
スコア:No GOAL


 結局、お互いが全く譲らない形での決着となりました。
 立ち上がりからペースをつかんだのは、ホームのHSV。マタイセンからの縦1発というシンプルなものから、サイドを個人技でえぐる形、また中央を軽快なパスワークで突破していく形もありと、非常に多種多彩な攻撃を見せていたと思います。しかし、ここまで8試合で5失点という守備の堅さを誇るレバークーゼンはこの日も健在。アウェーということもあってかやや低めのライン設定だったようにも見えましたが、しかし、DFとMFのラインが間延びすることはないためにチャレンジ&カバーに全く無理がなく、HSVはアタッキングサードまでは何とか侵入できても、シュートを打たせてもらえませんでした。まあ、解説の風間八宏さんは「(攻撃の)最後の部分での精度の無さが…」と、シュートまでいけない要因を攻撃陣に求めていて、主砲のゲレーロとペトリッチをともに怪我で欠いたことも含めてそれも頷けるところですが、個人的にはこの日はレバークーゼンの守備の良さを取り上げたいですね。
 そのレバークーゼンも、守備一辺倒というわけではありませんでした。そもそもの顔ぶれとして、ヘルメスは怪我でしばらく不在ですが、キースリンクは6得点で現在得点王で、デルディヨクもここまで4得点、ベンチにはある程度のパフォーマンスは計算できるゲカスと、将来を嘱望されるトニ・クロースとスクタ・パスがいて、かなり豪華な面子。この日はカウンター主体となったためやりづらそうな部分はあり、デルディヨクはほぼ沈黙したまま交代してしまいましたが、キースリンクポストプレーもしっかりこなしつつゴールに迫れていて、好印象を受けました。また、SBカストロとSHバルネッタがコンビを組む左サイドの迫力もかなりのもので、スピードに乗ったときは怖さを与えられていたかと。そして、ロルフェス。EURO08の時はまだ不安が垣間見られましたけど、すっかり主軸になりましたなぁ。多少のプレッシャーならビクともしなくなりました。しかし、こちらはアタッキングサードでの精度の無さが響いてシュートまで行けず。前半は膠着したまま終了しました。
 後半。どちらかが仕掛けるかなぁ?と期待していましたが、睨み合いが続きます。要因は…両チームが前半以上に最後の部分での精度が落ちてしまい、引き続き(より以上)シュートをバチンと打てず、というところかなぁ。まあ、ミスを誘発するような厳しい守備をお互いがやれていたという見方も出来るだけに、攻撃の不発だけに要因を求めるのは違うと思いますが…難しい試合でしたわ。その後、ラスト10分でレバークーゼンがセットプレー等で3つ決定機を得ますが、これをロストがことごとく弾き、ラスト3分でHSVも決定機のお返しをしますが、DFラインがすんでのところでゴールを許さず、このままタイムアップ。スコアレスドローで試合は終わりました。


 首位攻防戦らしい見どころのある試合ではありました。もちろんゴールが生まれていれば…という思いはありますけど、十分に満足できる試合でした。ただ、この後どちらが上に行くか、という目線で見れば…私はレバークーゼンを推したいです。理由は、攻守のバランスの良さ。特にDFラインは非常に統率が取れていて、中でもヒーピアはまだまだ健在。ラインコントロールの部分でもリーダーシップを取ってやれていましたし、ポジショニング、カバーリングもほぼ完璧。スピードの衰えを語るのが野暮になるくらいのデキで、大正解の移籍になりましたね。そのヒーピアのコントロール次第ではこの日のように守備から…というゲームも、強気にラインを押し上げて攻撃を…というゲームもできるでしょうし、チームとしての完成度はレバークーゼンのほうが高いように見えました。
 HSVはゲレーロ、ペトリッチが同時にいないのはさすがに辛かったとは思いますが、ちょっと個人で行こうとしすぎる嫌いが見て取れたのが気になりました。もう少しゼ・ロベルトがゲームをコントロールして、トロホウスキの上手さとエリアの速さを活かすような攻撃が組み立てられれば…という印象です。とはいえ、急降下するほどダメなわけでは全然ないので、優勝を争うキャストの一員として魅せてくれる日々は続くと思います。