続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その6 バイエルン・ミュンヘン−ブレーメン

 開幕戦はドローに終わったバイエルンと、ホームでフランクフルトに競り負けたブレーメン。どちらも負けたくないシチュエーションでのぶつかり合いとなった、8/15に行われた試合です。
バイエルン・ミュンヘン 1−1 ブレーメン
スコア:39分 M・エツィル(ブレーメン
     72分 M・ゴメス(バイエルン


 結果はご覧のとおり、1−1の痛み分けでした。ただ、バイエルンからすれば「勝ち点3もあった内容の中、勝ち点1にとどまった」、一方ブレーメンからすれば「十分に満足できる勝ち点1」という感じで、微妙に受け取り方に差がありそうな試合でした。
 バイエルンは、30分前後までの内容が恐らく今季やりたいサッカーなんだろうなと。まず目立ったのが「2バック」。開幕戦の後半もそういう指向は見て取れましたが、この日はCBやティモシュクがボールを持ったら必ずといっていいほどラーム、プラニッチの両SBがすっとポジションを上げ、攻撃時のほとんどの時間を相手陣内でプレーしていたといっても過言ではないほど高い位置を取っていました。そのことで、単純にSBが勝負を仕掛けてクロスを多く上げられることもそうですし、アルティントップシュヴァインシュタイガーの両SHがある程度中へ絞って中央にポイントを作ることで、そのままパスワークで中央突破もできるし、中央へ相手を寄せておいてサイドへ展開するという攻撃もできるし、といった感じで、分厚い攻撃を見せることができていたように思います。ただ、1つ残念だったのがオフサイドが多すぎた点。これはまだ中盤の選手と2トップとの意思疎通が図られていない(お互い特徴を把握し切れていない)ことが影響していると思われるので、時間が経てば解消される問題だとは思いますが、ブレーメンのDFライン設定がさほど高くなかったことを考えれば、2トップにはもう少し動き出しの工夫というか、気遣いが欲しかったですかね。
 しかし、先制したのはブレーメン。そして、このシーンに現時点でのバイエルンの問題点が全て浮き彫りになっていたような気がします。ゴールまでの流れとしては、「エツィルが(中への)ドリブルでマーカーを外し、サイドでフリーになっていたボエニシュ(かマリン)にパス。受けたボエニシュ(かマリン)が少しタメを作っている間に、パスアンドゴーで走りこんできたエツィルにリターンパス。フリーで受けることができたエツィルがこれを冷静に流し込んでゴール」というものでしたが、問題その1が「ボランチのポジショニング」。この試合はファン・ボメルが開幕戦で怪我をしてしまったためにティモシュクが入っていましたが、実は最初のエツィルのドリブルにチャレンジしたのがティモシュクだったんです。画像がないので説明しづらいんですが、はっきり言えばエツィルがドリブルで入ってきたエリアは、まだティモシュクが受け持つべきエリアではありませんでした(本当はSH(この場面で言えばシュバインシュタイガー)が見るべき)。なのに、飛び出していって交わされて、戻りも遅れて失点を喫したわけで。1ボランチとしてやっている以上、自分の区域を飛び出したならば絶対にボールを奪わなければいけなくて(最悪でも相手を前に進ませてはいけない)、抜かれたらその後はがら空きになるというところはもっと意識しなければいけないんじゃないかと思いますね。後半はその部分の意識が改善され、下手にポジションを離れることなくバランスを取れてはいたので一安心ではありますが、開幕戦のファン・ボメルもこの試合のティモシュクも、正当に見えて実は無謀なチャレンジでスペースを空けてしまうケースがままあったので、ここは要改善だと思いました。
 問題その2はボランチが飛び出した後のカバー」。これは1に付随したもので、先ほど「下手にポジションを離れることなくバランスを取れてはいた」と書きましたが、とはいえ、ずっと自分のエリアだけにいていいものではなく、局面によってはチャレンジしなければいけない場面は絶対に出てきます。失点シーンもよく解釈すれば、「SHのマークが甘く、ティモシュクに『これ以上突破を許したくない』という意識が瞬時に働いてチャレンジした」という見方もできるところ。でも、飛び出していったところで毎回取れるとは限らず、抜かれれば失点シーンのように飛び出した後のスペースをあっさり使われてピンチになることは必至。であるならば、ボランチが飛び出した後のカバーを誰がどうやるのかをある程度約束事として決めておく必要があるでしょう。例えば「CBどちらかが飛び出し、SBが中へ絞って3バック気味に守る」でもいいし、逆に「SHやCBのカバーリングが保障できなければ、危ないと思っても飛び出さない」という考え方も間違いではないのかなと。とにかく、飛び出しました、抜かれました、ハイ失点しましたではお寒いわけで、1ボランチのリスクをどう担保するのかは、早々に決めておきたい気はします。
 ラスト、問題その3は「SBの裏対策」。先ほど攻撃では「2バック」が今年のやり方ではないかと書きましたが、両SBが高い位置を取っている中、中盤でボールを奪われてしまいカウンターを受ける局面になると、当然SBが戻りきれず、CB両脇のスペースはガラ空きになって相手にとって格好の狙いどころとなっていました。これはこの試合より、前節ホッフェンハイム戦で明るみになった穴で、とにかくホッフェンハイムは奪ったらSBの空けたスペースを狙うことが徹底されていました。それに対し、バイエルンはギリギリ最後の局面で粘れてはいましたが、そんな丁半博打のような守備がいつまでも通用するはずはないですし、そんなことしてたらCBは潰れてしまいます。じゃあ、どうすればいいのか。今世界的に見て、攻撃時に2バック気味にして攻めるチームは多くなっていて、各チームいろいろなやり方があるとは思いますが、(私の知る範囲で)2バックを採用しているチームのほとんどが「ダブルボランチ」を採用しているんですよね。つまりは、ボランチの1枚が下がって3バックを形成しつつ、もう1枚がボランチとしての役割を継続させてカウンターなどに備える形で2バックのリスクを担保している印象があります。しかし、今季のバイエルンは1ボランチ。こうなると、下がってCB的働きをしようとするとバイタルエリアががら空きになる、でも、バイタルエリアを埋めようとそのままのポジションにとどまっていると、CB両脇のスペースをどうしても埋められない、というジレンマが生じてしまうんですよね。ここをどうするのかは、大袈裟じゃなくトップレベルで戦えるかどうかを左右することになると思っているので、経過を注視していければと思ってます。そもそものサイドの守備の仕方も甘いといえば甘い(失点シーンはカウンターではなく、セットしていた中でやられた)んですが…それはまた別の機会にでも。
 話を攻撃に戻します。冒頭にも書いたとおり、攻撃においては2バックが非常に有効さを持っていました。そして、62分に投入されたリベリが「アンタッチャブル」な存在であることが分かったのも、ある意味では収穫だった気がします。システム図に表せば一応トップ下になるんでしょうけど、そんなの関係ねぇ!ってくらい縦横無尽、自由自在(というか自由奔放)なポジショニングで常にボールを受けやすい位置を取り続け、受けてからもシンプルなパスあり、サイドチェンジあり、ドリブルありと獅子奮迅の活躍ぶり。リベリ自身が攻撃を活性化させることができていた点もそうですし、リベリに人が吸い寄せられることで、他の選手がフリーになる効果もあって、改めてその存在価値の高さを示すには十分な30分間だったかと。申し訳ないですけど、バウムヨハンやソサでは代わりは務まらないですね。リベリ不在時は、システムをいじるぐらいの考え方でいい気もしてきました。
 とはいえ、結果はドロー止まり。ゴメスが初ゴールを上げた点は収穫でしたが、後半の勢いを考えれば勝ちたかったところでした。まあ、リベリがスタメンで出て、70分程度使えるようになれば点は常時取れると思いますが、3戦勝ちなしで2節後のヴォルフスブルク戦は迎えたくない(余計なプレッシャーを背負いたくない)はずなので、次のマインツ戦はアウェーですが1戦必勝の試合になると思います。


 ブレーメンについても少し。バイエルンが良かった30分前後までは見た目アップアップでしたが、ただクロスはメルテザッカーを中心にほとんどはね返せていましたし、中央突破に対してもフリングスボロウスキのダブルボランチがしっかりと睨みを利かせることができていましたし、(相手にも助けられましたが)DFラインは数多くのオフサイドを取れてましたし、ヴィーゼも相変わらずの鋭い反応で2、3本ビッグセーブを見せていましたし、開幕戦でアッサリと3失点を喫した守備ブロックの修正がきっちりと図られていたのは一安心。ナウドが戻ってくれば(あるいはプレドゥルが安定すれば)より堅固なものになると思いますね。
 一方の攻撃陣ですが、エツィルいいですねぇ。30分前後までは守備に追われていましたが、その後巻き返しに転じることができたのは、エツィルのドリブルがきっかけだったかと。そのまま縦へも突破できて、逆に引きつけてマリンへパスを出すこともできて、という独特のリズムのドリブルは、ブレーメンの新しい武器になりそうです。マリンはこの試合ではあまり良く見えませんでした、周りとのコミュニケーションが取れてくれば変わってくるでしょう。サノゴは昨冬レンタル移籍したホッフェンハイムでいい勉強をして帰ってきたなぁ、という感じ。ただスピードやフィジカルにかまけて進むだけではなく、斜めに走って相手を揺さぶるとか、基点となるところはしっかりとなるといったプレーには好印象です。相棒のハント(途中からウーゴ・アウメイダ)は相変わらずやなぁ、と苦笑いしてしまいましたが、どうやら1度レンタルバックしてたピサロを完全移籍で獲得できたようで、昨季のチーム内得点王ピサロと進化の兆しがあるサノゴの2トップとなると、これは脅威そのものでしょう。1分け1敗と出遅れた感はありますが、これからやってくれそうな雰囲気は感じますよ、今季のブレーメン