続々々・メガネのつぶやき

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09−10 その4 チェルシー−ハル・シティ

 いよいよプレミアリーグ開幕です!なんと第1節は、全10試合全て放送だそうで。見れるだけ見ようとは思っていますが、果たして…。ってのはさて置き、今季のオープニングゲームであるチェルシーハル・シティ。昨季はこのカード@スタンフォード・ブリッジでのドローが最終的にスコラーリの首を飛ばした(もちろんその前のユナイテッド戦0−3とかが痛恨の一撃ですけどね)ある意味因縁のカード。アンチェロッティ監督は初戦を飾れたのか。
チェルシー 2−1 ハル・シティ
スコア:28分 A・ハント(ハル)
     37、92分 D・ドログバチェルシー


 異論はあるかも知れませんが、後半スタートから20分ぐらいまでの一方的な時間帯を除けば、ハルがゲームプラン通りに試合を進めることができ、結果(=勝ち点1)を持って帰れるすんでのところまでいっていたように思います。
 ハルは基本的には「1トップのフォランを1人残し、残りの9人がしっかりとブロックを作ってはね返し、カウンターか上手いことセットプレーを奪ってゴールを…」という戦い方だったと思います。攻撃の中心であるジェオバンニがベンチスタートでしたしね。それに対しチェルシーはあまりにも正直すぎて、攻撃が中央に寄りすぎたことで、ドログバアネルカにボールが入ってもあっさりとサンドされて奪われるだとか、人がゴチャゴチャいる形を作って(作られて)しまったことで、2、3列目から飛び込めるスペースが生まれなかったりで、チャンスはミドルシュートぐらいなもの。
で、ハルはこれだけで十分狙い通りでしたが、なんと先制点まで奪える展開に。セットプレー絡みのゴールでしたが、前半はこのシーンに限らず、セットプレーでハルが圧倒。ファーストコンタクトにおいて高さで勝るという単純な面もそうですが、とにかくセカンドボールをハルばかりが拾っていて、そこからセカンドチャンスであわやのシーンを作られてましたからね。このゴールも「セカンドボール拾われる→ミドル打たれる→こぼれたところを押し込まれる」でしたからね。チェルシーのこの対応の拙さは、ちょっといただけませんでした。
 ただ、このまま終わるはずもないのがチェルシー。この失点の前後からようやくサイドをうまく使えるようになり、SBがオーバーラップしてクロスとか、アネルカがサイドに流れて起点を作るといったプレーが見られるように。これでちょっとハルがブロックを広げられてしまったのは否めず、ちょっとずつ対応が後手を踏むシーンが増えてきました。でも、そんな前置きが実は必要ないのがドログバの同点ゴール。直接フリーキックを叩き込んだわけですが、去年から思っていましたけど、あのドログバの蹴り方(インサイド(インフロント)キック気味に蹴ってるのに縦に落ちるボールが飛ぶ)はちょっと信じられないというか、「オマエどんな足首してんだよ!?」と毎度毎度笑っちゃうんですよ。今回もそう。これはGKはノーチャンスです。という感じで前半終了。
 後半は前述したとおり、チェルシーの一方的なゲーム展開。中央とサイドを上手く使い分けられてマークが絞れなくなり、それとともにスペースも生まれ始め、そこを突きまくってチャンスを次々と得ていきますが、ことごとく決めきれず。ハルも奪っても苦し紛れのロングフィードしかなく、守備陣からすれば全く息の入らない展開が続き、いつスタンフォード・ブリッジが沸いてもおかしくなかったんですが、ゴールは生まれず。もちろんチェルシーの選手が決め切れなかったことを攻めるのもアリですが、この試合に限って言えばハル守備陣を褒めるべきかと。それはのちほど。で、チェルシーはこの事態を打開するべく次々と選手交代で手を打っていきましたが、残念ながら交代すればするほどゴールの匂いがしなくなっていったように感じました。バラックとデコは、個ではグレートな選手であることに疑いの余地はないですけど、この2人+ランパードが同時にピッチに立つと、(みんな真ん中でプレーしたいもんだから)どうしても攻撃が真ん中に偏って、お互いを殺しあってしまうように見えるんですよね。ランパードなんか後半残り20分で何回名前を呼ばれたか、少なすぎて覚えていないほどでしたし。でも、そうやって攻めあぐねているうちにハルが再びペースを掴んだ(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)のは驚きでしたね。そのスイッチは間違いなくジェオバンニの投入ではあったんですが、チェルシーが人数をかけて攻めてきたために生まれたスペースを、この疲れが溜まる終盤でみんながまた狙い始めたのは、本当に好感が持てました。ホント、タフですよ。
 しかし、「ハル、よう頑張った!」のストーリーを一瞬で壊したのが、またしてもドログバ。恐らくクロスを狙っていたと思われる球質で、GKマイヒルもクロス対応の動きを一瞬したことによって生まれたゴールでしたが、もし「いや、あれはシュートを狙ったんだよ」とかドログバが言っていたとしたら、もう参りましたの一言ですし、クロスだったとしても、あそこまで行ったら7〜8割ぐらいはグラウンダーのマイナスのクロスを選択すると思うんですけどね。あの局面でロブボールという選択肢が頭の中にあるだけですげぇわ、と個人的には思ってしまいます。で、試合はこのまま終了。チェルシーが辛くも、本当に辛くもではありますが、勝ち点3を手にしました。


 チェルシーアンチェロッティ監督は是が非でも「勝ち点3」が欲しかったはず。コミュニティシールドではマン・Uを下しましたが、覇権奪回を目指すために自分は招聘され、開幕戦はホームで格下ハルが相手となれば、求められるのは「勝ち点3」だけだったはずですから。1−1のままで85分ぐらいまでいった時にカメラに抜かれたアブラモビッチの目が、すげぇ怖かったし(笑) そういう意味では、ホントドログバに救われた試合でしたね。でも、ダイヤモンド型の4−4−2で本当にいいのか?だとか、選手交代のバリエーションがどうなの?など、これから克服すべき課題も多く見えた試合でもありました。まあ、アブラモビッチさんは短気な方ですから、いつまでも悠長に構えてられないのがかわいそうですけどね。
 ハル。本当によくやったと思います。「次に繋がる」という評価もできるとは思います。特に、守備は今季はいいんじゃないですか?ターナーは昨年の経験が活かされているかのような落ち着き振りでしたし、ガードナーも怪我さえなければもっと上のクラブでやれる力はありますし、新加入のムヨロコも1対1に強いところを見せましたし、マイヒルはハイボールに強く、反応も早かったですし、その他全員が「ギリギリで足が出る」粘り強さを持っていますし。だからこそ、「対チェルシー用の戦い方」をやりきったからこそ、勝ち点1のまま終われなかったのは痛かったなぁ。早々に勝ち点3がほしい流れになってしまいましたかね。