続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その2 ホッフェンハイム−バイエルン・ミュンヘン

 マイスター奪還を目指すバイエルンの今季開幕戦は、昨季大躍進を遂げたホッフェンハイムを相手にしてのアウェーゲームでした。
ホッフェンハイム 1−1 バイエルン・ミュンヘン
スコア:25分 I・オリッチ(バイエルン
     41分 C・オバシ(ホッフェンハイム


 今季を終えるそのときの順位がどうなっているかは、もちろん分かりません。ただ、この試合に関して言えば、「継続路線」のホッフェンハイムの完成度が「変化」を求めたバイエルンのそれを完全に凌駕した試合だったかなぁと。それだけに、ドローという結果はホッフェンハイムからすれば残念だったと言っていいかと思いますね。
 とは言いつつも、ホッフェンハイムの試合をまじまじと見るのは初めてだったんですが、噂に違わぬ「縦へ、前へ」というサッカーでした。とにかく展開が速くてバックパスが少なく、ボールホルダーに対して複数の選手がパスコースを作ってあげる動きが速くて惜しみないのはもちろんのこと、各選手のドリブルの意識が非常に高く、相手に「出すのか、行くのか」というところで的を絞らせないのが素晴らしいかったですね。この日のバイエルンは、昨シーズンからすれば考えられないくらい守備が整っていて、中でも一番改善されていたのは「各選手のスペースの分担」で、誰がどこまでをまかなうかがはっきりできていたことで、マークの受け渡しやカバーリングにスムーズさが見て取れました。だからこそこの日はドリブルが効いていて、18分のイビセビッチのビッグチャンス(このシーンはホッフェンハイムの良さが全て出ていたような気がします)の基点となったヴァイスのドリブルを始め、久々に「ドリブルの威力」を感じることが出来た前半でした。
 一方のバイエルンの攻撃ですが、クローゼとリベリが不在だったこともあるんでしょうが、今ひとつ形が見えませんでしたね。クローゼも決してポストプレータイプではありませんが、オリッチ、ゴメスの2トップだとよりポストプレーの機会が少なく、かつリベリの代役として起用されたバウムヨハンもボールを呼び込む効果的な動きが少なかったことで、前線でタメが全く生まれませんでした。なのでSBのオーバーラップも数えるほどしかなかったですし(唯一スムーズにプラニッチがオーバーラップできたシーンが25分のゴールシーンに繋がったのが余計にそれを物語っているかと)、SHのシュバインシュタイガーアルティントップはほとんど消えていたように思いますし、そこで攻撃が単調になることでホッフェンハイムのプレスが面白いように決まっていて、それがより一層ホッフェンハイムの高速カウンターを際立たせていたかと。
 それだけに、バイエルンが先制したのには驚きました。ただ、実は10分にセットプレーでホッフェンハイムが先制ゴールを上げていたんですが、それがゴールラインをボールが完全に越えていないということで取り消されてしまっていたわけですが、実はこのバイエルンのゴールも最初にボールに絡んだオリッチが、よく見るとオフサイドなんですよね。まあ、そのオリッチのオフ・ザ・ボールの動きとそこをしっかり見ていたプラニッチのクロスの精度は完璧でしたが、このシーン以外にもバイエルン寄りの笛が多く、このゴールから一気に流れが変わったことも含めると、ちょっと物議をかもしそうなジャッジングでしたね。
 しかし、そこで終わらずに、前半のうちに追いついたことにホッフェンハイムはもう勢いだけじゃない!というところが見て取れましたね。そのゴールも「これぞホッフェンハイム!」というもので、自陣コーナーフラッグすぐそばのスローインから攻撃が始まったんですが、そこからの流れが、

ベックのスローイン→C・エドゥアルド(だったと思う)が30mほどのドリブルからパス→オバシが1タッチのポストプレーで追い越して行ったヴァイスにパス→ヴァイスが20mほどのドリブルからクロス→ファーで待っていたイビセビッチがワンタッチコントロールでボールを落とす→ポストプレーを終えてゴーしていたオバシがミドルシュート→GOAL!

 という流れるプレーの連続で、スローインが投げられてからゴールを奪うまでかかった時間は僅か18秒!その間バイエルンは1度もボールに触れることができずなす術なくズルズル後退するのみという、非常に痛快なゴールでした。どちらかに肩入れしていたわけじゃないのに、思わず「よし来たっ!」って声が出ちゃったくらいですから(笑) で、前半はこのまま1−1で終了。後半は立ち上がりから一進一退の攻防が続くも、ホッフェンハイムは62分にヴァイスが、67分にイビセビッチが下がってから徐々に勢いが減退し、バイエルンもそこに付け込むどころか、最後まで攻撃がかみ合わずに試合終了(後半短っ!でも、それぐらいほとんど見どころがなかったのよ(苦笑))。注目の1戦はドローに終わりました。


 ホッフェンハイム。いやぁ、好きとか嫌いじゃなくて、見ていてスカッとしますね。攻撃は最初にも書いたとおり「縦へ、前へ」が徹底されていて、その方法論もドリブルでの単独突破あり、ワンツーあり、トライアングルを作ってのパス交換あり、サイドチェンジありと本当に多種多様。そして、パス交換をスムーズにさせるボールホルダーを積極的に追い越そうとする動き(特に両SBの運動量はすごかった)を各選手がサボらずにやることで、ほとんどの攻撃が「相手にとって怖さがある」モノだったように感じました。守備も前線から積極的にプレスをかけていて、中盤の人数だけで言えばバイエルンが多い(4枚に対しホッフェンハイムは3枚)のにそれを全く感じさせず、特にアンカーのヴォーサーの気の利きようが非常に印象的で、人に付くにせよスペースを消すにせよ、バイタルエリアでかなり目立てていました。課題は相手ペースの時&スタミナが落ちる前後半残り10分間をどう過ごすかになってくるんでしょうけど、なんかそんなせせっこましいことは追求しないでほしいと思うぐらい、好感の持てるスピーディーなサッカーでした。こういうチームがリーグに1つぐらいあってもいいですよね。
 バイエルン。まあ、まだファン・ハールイズムが浸透するには時間がかかりますわな。ファン・ハール自身も代名詞ともいえる4−3−3ではなく、中盤をダイヤモンド型にした4−4−2をメインシステムとしてシーズンを戦っていこうとしてるぐらいですから。それに、この試合に関して言えばリベリ、クローゼの不在が大きかったかな。上でも書きましたが、クローゼがいないと「ポストワーク」が、リベリがいないと「ドリブル」がないんですよね。それに、ポストワークで言えばクローゼ<トニですけど、トニは評価が低いようですし。こうなると攻撃は「パス」か「クロス」しかなくなり、相手に与える恐怖度合いは低くなっちゃいますから、ちょっと苦しいでしょう。
 そして、守備。各人のまかなうべきスペース意識とカバーリングに関してはだいぶ改善しているように見えましたが、気になったのはファン・ボメルの1ボランチ。昨シーズンも感じていたことですが、今のファン・ボメルの運動量や瞬時のスピードでは、1ボランチは厳しいというか、個人的には無理だと思います。とにかくこの試合も「瞬時のスピードで負けてタックルがアフター気味になってファウル」というシーンが4つも5つもありましたからね。シュバインシュタイガーアルティントップの両SHもあまり守備面での貢献が見込めないことも含めて考えると、1ボランチならゼニトでそういう役回りをしっかりとこなしてきたティモシュクにするか、あるいは守備意識の高いプラニッチを左SHに置くかしないと、思わぬ守備崩壊を招く危険性があることは書いておきたいかなと。まあ、ともかく怪我人が戻ってきてどういうスタメンになるかを見ないと、何ともいえないところですね。