続々々・メガネのつぶやき

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08−09 その43 バルセロナ−レアル・マドリー

 絶好調と絶不調、全く異なる状況で迎えた「クラシコ」。何か起こったのか、あるいは何も起こらなかったのか。予想としては、圧倒的に「何も起こらない=バルサが今の力どおり圧勝する」という見方が多かったわけですが、果たして。
バルセロナ 2−0 レアル・マドリー
スコア:83分 S・エトーバルセロナ
     90分 L・メッシ(バルセロナ


 過去の栄光、手にしてきたタイトル、世界レベルの人気、手に持つタレントの豊富さ、直接対決の歴史、どれをとっても互角の両チームの戦いで、ここまでゲームプランにコントラストが見て取れるとは、夢にも思っていませんでした。
 バルセロナは今の状態の良さを活かして、これまでと何ら変わらないポゼッションサッカーを90分見せ続けました。しかし、瀕死の状態にあえぐレアル・マドリーは、自陣にこもって耐えに耐え、上手く奪ったらラウール、イグアインドレンテに向けて手数をかけずにパスを出して勝負するリアクションサッカーに83分間徹しきりました。選手達がどう思っているかは分かりませんが、これは明らかにバルセロナの強さを認めた上で、「攻撃こそ全て」というレアル・マドリーの哲学・プライドをかなぐり捨ててまで勝ち点を1でもいいから持ち帰ろうという、汚い言い方をすれば「弱者のサッカー」を選択したことに対し、私は複雑な思いが浮かんできました。
 でも、この日のレアル・マドリーには、「何とかしなければ」という強い思いは感じられました。バルサの選手が自陣に入ってきたところで、前線からラウル、イグアインがしっかりとプレッシャーをかけ、サイドに追い込んだらドレンテorスナイデル(パランカ)+SBで挟み、中央突破に対してはガゴと(普段はほとんど守備で目立たない)グティが攻撃の目を摘み、不安定とこき下ろされているDFラインは、球際の激しさや最後の最後は抜かせないという体を投げ出しての守備で奮闘し、カシージャスにはPKストップも含めて久々に神が舞い降りてきていました。攻撃も、少ないカウンターのチャンスから2、3度決定機をつかみ、あわやのシーンも作りました。
 しかし、結果は0−2の敗戦。私は「これが何かのきっかけになれば」という前向きな気持ちよりは、「これほどの戦いを見せてなお、今のバルセロナを抑える事が出来ないのか…」という妙に寂しい気持ちになってしまいました。素直に今の実力差を認めなければいけないんでしょうけど、その実力差を認めたからこそ選択した戦い方でもなお、こういう敗戦を喫してしまったことのショックは、かなりのものがあるんじゃないかなぁと思わざるを得ません。はっきり言って、この敗戦で今季リーガのタイトルは失ったといっていいでしょう。今季は目標を切り替えて、しっかりと4位以内を確保することを目指した方がいいと思いますね。
 バルセロナに関しては言うこと無し。強い、しか言葉が浮かんでこないので。