続々々・メガネのつぶやき

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スポーツナビ|清水と大分が決勝進出 ナビスコ杯準決勝第2戦

 大分−名古屋をスカパーでガッツリ見てましたが、面白かった。東京以外のJのゲームで今季最も面白かった試合といっていいかもしれません。名古屋は持ち味のサイド攻撃から小川、マギヌンらのクロスで4度ほど惜しいシーンを演出し、かたや大分はいつもどおり「ボールの後ろに8人を置く」守り方で耐えに耐え、いざ奪って前にボールが行けば金崎、ウェズレイデカモリシが手数をかけずにゴールまで迫る。どちらも自分たちのスタイルを信じてプレーをし続けていて、前半は五分の展開だったかと思います。
 その中で勝負の分かれ目となったのは、後半4分のウェズレイのゴールもそうですが選手交代だったのかなぁと。先制された直後、ストイコビッチ監督は吉村→巻という交代を行い、早くもターゲットの枚数を増やしてクロス、ロングボールから何とかこじ開けようと試みましたが、早々に「放り込み」の意識が強くなる交代をしたことで、しっかりとサイドをえぐった上で勝負する名古屋のサイド攻撃の良さがダウンしてしまったような印象を受けました。後半32分の交代も、吉田を入れてさらにパワープレーに出ること自体は問題ないとしても、低い位置から精度あるボールを入れられる阿部との交代というのはちょっともったいなかった気がします。
 選手交代は、試合中唯一監督が自らの手でピッチ内のバランスを動かし、選手に明確なメッセージを与えられる手段なわけですが、この試合のストイコビッチ監督の2枚の交代は、一見明確なメッセージを発したように見えますが、終わったあと冷静に考えてみれば若干舌っ足らずなものになってしまったのかなぁと思います。まあ、先制されてしまった以上はああするしかなかったとも思いますけどね。その点では、シャムスカ監督の3枚の交代は実に明確。森島→小林の交代は「杉本をケアするとともに、より一層守りに入るぞ!」、ウェズレイ→松橋の交代は「ボールの出所を前線からケアするとともに、はね返した後のボールも大事にするぞ!」、金崎→西山の交代は「攻撃はもういい、最後まで守りきるぞ!」というメッセージがこめられていたと思うんですが、見事にそのメッセージに応えて選手は頑張りきったと思います。普通は25分以上も放り込みを食らったら、1度や2度はマークがずれたりするものですが、この試合に限ってはそれが全く無かったですからね。
 今年の大分は去年からの積み上げもさることながら(森重、金崎は昨季後半からすでに主力でしたからね)、主力の移籍や怪我で使える手駒が限られているが故のシンプルさと言いますか、「そんなに数多くのことが出来ないのなら、1つのことに特化してそこを突き詰めよう」という形がガッチリ嵌っている印象のシーズン。層の薄さとは常に隣り合わせになりますが、大混戦となった今年のJにあっては、こういう「確固たるモノ」を持っているチームが最後には笑うんじゃないかなぁと思っていて、九州のチームとして初のタイトルを(ナビスコ含めてどちらかは)手に出来るんじゃないかと思いました。


 もう一方のG大阪−清水は後半少しとハイライトのみなので短く。清水は岩下、市川、枝村、岡崎の好調ぶりが好印象。特に市川はなんで岡田監督が候補合宿にも呼ばないのか不思議なんですよねぇ。98年の件があったから?なんて全然関係ないことまで勘ぐってしまうぐらいですよ。一方のガンバは遠藤(代表)、山口(出場停止)の不在が大きかったとは思いますが、たとえそうであっても、前・後半ともに開始直後に失点を喫する試合運びの拙さはらしくなかったなぁ。これでACLを戦えるかは、ちと不安です。