続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

J1第19節 東京1−1横浜FM 私的雑感

 結論から言えば「何もいいところがなかった」試合。この試合前までの中断明け(ナビスコ含めて)6試合勝ちがなかったわけですが、何かしらポジティブになれる要素であったり時間帯というのは必ずありました。だからこそ、悔しさをかみ殺して「次だよ、次」という気持ちでいれたんですが………今日の試合からはそういう要素を見い出すことはできません、残念ですけど。で、この際なので、具体的にアカン!と思ったことをとにかく挙げていこうかと。そうすれば次にどの程度修正できているか(あるいは出来ていないか)を自分なりに判断できるので。
 
1:ボランチが攻撃の起点・補助になれなかった
 この日はボランチの2人(今野、金沢)が全くボールを引き出せずに供給役になれなかったことが攻撃の停滞を招いた大きな要因なのかなぁと。梶山が五輪代表で不在となるために試合前から懸念された点ではあったんですが、さらにこの日はここ2試合上手くボランチの位置でボールを引き出せていた浅利を使わないという選択を城福監督はしてきました。このスタメンを見た時点で私は「どっちもボールを引き出して回すタイプじゃないけど大丈夫かいな?」という思いがよぎったことはよぎったんですが、まさかここまで起点を作れないとは思いませんでした。こうなるとどうしてもボール回しはDFライン中心になり、相手のプレスの格好の餌食になってしまいますし、困ったときには無理にでもトップに当てる縦パスか、相手DFラインの裏へロングボールを入れるしか手段がなくなってしまいますよね。それでも前半はカボレ、赤嶺、エメルソンに運動量と走れるスペースがあったために単発的にチャンスは掴んでいました。そこで2点目を取れなかったのが痛かったんですが…問題の根本はそこではなく、やはり遅攻でチャンスを掴めていない事ですよね。前の4人だけでポゼッションの形を作って相手を崩すことが出来ればそりゃ最高ですが、それができずに手詰まりになっている現状を考えれば、ボランチの選手がもっと攻撃の起点として、さらに言えば前線でボール回しが手詰まりになった時だとか、サイドに人数を割いてチャンスを作れたときにバイタルエリアに顔を出してあげないといけないんじゃないかと思います。しんどいとは思いますよ、守備に攻撃にとボールサイドに顔を出し続けるのは。でも、現代サッカーのボランチはそれができないといけないポジションなんですよ。だからこそ、今野、金沢、浅利さん、(今はいないけど)梶山、池上、下田には高いレベルを求めたいなぁと思う次第です。


2:DFラインの無為無策な引きすぎ
 この日スタジアムで見ていたときには今野を中心に見ていたこともあって「何でボランチの選手があれだけバイタルエリアを空けちゃうんだよ!」と思っていたんですが、家に帰ってきてVTRを見返してみたらそうじゃなかったですね。とにかくDFラインが不用意と言っていいぐらいにズルズル下がっていましたね。極端に言えば、相手ボールになったら場面・展開構わず下げてしまうと言っていいほど。もちろん、しっかりとラインを下げて守備ブロックを作らなければいけないシーンもあって、全てが全てダメだとはいいませんよ。ただ、中盤の選手(特にボランチ)との意思疎通が図られているラインバックだったとはお世辞にも言えず、DFラインと中盤の間が開きすぎてそこを坂田、大島、山瀬に好き放題使われたり、逆にボランチがお付き合いして下がりすぎた時には兵藤、長谷川(後半からはボランチに下がった山瀬)へプレッシャーが全くかからず、狙い済ましたパスを通されてしまったりとバランスがものすごく悪くなってしまいました。「最後のところで止めればいい」という守備の仕方もあることにはあります。ただ、その守り方は中盤とDFラインが連動して守れていることが大前提の考え方であって、ここまでバラバラな守り方をしていては、今後控える名古屋、浦和、柏の攻撃を食い止められるとは思えません。猛暑の中での試合が続くことを考えれば、前線からプレスをかけて奪いに行く守り方が長く持つとは思えませんから、4月にチームとして一つの形を作れそうになっていたときに見せていた「連動したプレスバック」を今一度思い出してやってくれないかなぁと期待するばかりです。


3:「相対的な運動量」の不足&「1歩目」の遅さ
 このクソ暑い中にあっては、「絶対的な運動量」はどうしても不足しがちになってしまいます。それはしょうがありません。ただ「相対的な運動量」、言い換えれば「相手チームと比較した時の運動量」には必ず差が出てきますし、可能な限りそこでは負けて欲しくないところなんですよね。やっぱりハードワークが求められる時代の中で、相手より運動量が少ないなぁという印象を試合後に持ちたくはないものですし。ただ、この試合に限って言えば、その点では完敗でした。攻撃面で言えばボールホルダーへのフォローのために走ってあげる動きだったり、スペースへの走り出しであったり、守備面で言えばここぞ!というときのプレスの際の運動量であったり、いずれもこの日は横浜FMの選手の方が上回っていたと思います。そして、さらに気になるのが1歩目の遅さ。これは特に守備面で見られ、上記2とも連動する話ですが、とにかく中盤でのチェッキングが甘い上に、ボールホルダーに対する守備の1歩目が遅すぎるんですよね。とにかくボールが出て、前を向いてさあ仕掛けるぞってなってから出ないとチェックにいけない後手後手の守備に終始し、それがまたズルズルラインを下げる要因にもなってしまったのかなぁと。運動量が足りないのであれば、そういう細かいところでの頑張り、意識の持ちようで賄うしかないと思うんですが、そこまでも不足してしまうのであれば、こういう試合になってしまってもしょうがないですよね。キツい事だとは思いますが、何とか頑張って欲しいと思いました。


4:選手交代
 これはこの試合に限ったことではなくここ数試合で思うことですが、選手交代が当たらないですね。前節の京都戦は久々に選手交代がうまく嵌って流れを変えられたと思うんですが、この日はダメだったといわざるを得ませんね。選手交代は大体が結果論であり、一概にどうこう言える問題ではないと思いますが、それでも敢えてダメだった点としてあげたのは、城福監督のこのコメントがあったから。

(平山、石川の2選手を同時に投入した意図は?)
運動量的に満足いくものではなかったので、チームに刺激を与えるために代えた。

 「刺激を与える」という理由のために交代を図ったことはその通りだと思いますが、その意図を持って入れた選手が石川と平山というのはどうなんでしょう?カボレはともかくエメルソンに関してはまだまだ動けていて相手の脅威になっていたので、60分で下げてしまうのは非常にもったいなかったと思いますし、今の平山を入れて運動量の面で変化がもたらされるかといわれると、首を傾げざるを得ません。そういう意図であれば、信男さんを入れたほうが何倍もその意図に共感できますよ。そして、大竹の交代も若干ですが遅きに逸したのかなぁと。ボランチがボールの供給役になれない上にエメルソンが下がってからの東京は、全くといっていいほどボールが回らなくなっちゃいましたからね。その時間が15分もあったのは、もったいないとしか言いようがありません。結果的に交代が嵌らなかったのであれば何も言えないところはありますが、意図していたことと交代で入る選手のパーソナリティがズレている交代というのは、出来る限り減らして欲しいと思いますね。


 とりあえず今日の試合を見て思いついたのは以上4点。今野のボランチっぷりはどうなのよ?という自問に答えるべく試合を見始めたんですが、途中からそれどころではなくなってしまいました(苦笑)。まあ、今野・平山についての自問は、少し時間を頂いて、数試合のトータルな目線でまた自答しようかと思いますので、しばらくお待ちください。今は、個人がどうこう言っている場合じゃないですしね…。