続々々・メガネのつぶやき

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EURO08グループリーグ第3節 グループB オーストリア−ドイツ

 前節よもやの完敗を喫したドイツ。ここで敗れるようなことがあると、グループリーグ敗退が決まってしまう大一番。逆に、オーストリアは勝てば(ポーランドの結果次第ではありますが)予選通過が見える大一番。どちらにとっても、落とすことの出来ない1戦となりました。
オーストリア 0−1 ドイツ
スコア:49分 M・バラック(ドイツ)


 終わってみれば、今大会最も低調と言うか、モヤモヤ感が残る試合だったかと思います(両チームのファンの方、ごめんなさい)。
 まずはドイツ。勝ちはしましたが、内容的には全くもって見るべきところがありませんでした。ここまで2戦で露呈していた「中盤のプレスの緩さ(と言うか無さ)」と「サイドの守備」にほぼ改善が見られず、特に前者については、ハーフウェーから10mぐらいのところまではほぼノープレッシャーで、アウフハウザー(途中からはゾイメル)やイヴァンシッツに好き放題パスを散らされる始末。結果的にはセンターバックの高さとこの後述べる要因のおかげで無失点に抑えはしましたが、果たしてこのパフォーマンスでポルトガル相手にどこまでやれるかと言うのは、正直悲観せざるを得ない状況でしょう。じゃあ攻撃陣に期待できるかと言うと、ポドルスキは積極的に中へ絞ったりサイドへ流れたりと出入りを激しくして、相手のマークを引き剥がすことに成功できていましたが、後ろ(主にバラック、ラーム)のフォローが足りなかったり、前線2枚の動きが鈍いこともあって、孤立してしまったり無理にシュートに行く場面が目立ちました。特に2トップの動きの鈍さや決定力の無さはちょっと目を覆いたくなるほど。何か変化をつけて臨まない限り、例えば2トップを入れ替えるとか、中盤をダイヤモンド型にしてバラックをトップ下に配置する(後ろにはボウロスキ、フリングス、フリッツ(シュバインシュタイガー)を置く)とかしない限りは、事態が好転しそうにないと感じているのは、私だけではないはずです。このままポルトガルになすすべなく敗れてしまうのか、それとも意地と魂をかけての巻き返しが見られるのか、勝ち負けはともかく、凄みのあるドイツを見たいと切に願うばかりです。
 オーストリア。勝ちたいという気概は、ドイツより確実に伝わってきました。スタメンを3−4−3に変え、リスクを冒してでもサイドに人数をかけて崩してゴールに迫るという攻撃の形は数多く作れていたと思います。けれど、肝心なところでのドリブル、パス、クロス、シュートの精度やアイデアの無さは、残念としか言いようのないレベル。時折まともに入ってもメッツェルダーメルテザッカーの高さに屈し、終いにはヴァスティッチを交代で使わないというありえない采配(監督は早々に退席になってしまいましたが)で勢いを加速させることが出来ず、ズルズルと時間を浪費して試合終了。失点シーンも、もう少し壁の作り方やファーストDFの寄せ方にやりようがあったように感じます。はっきり言えば、私はポーランド戦同様「勝てる試合を落とした」と思っています。スイスもそうですが、FWに核たる選手が生まれるようなら、この先数年は楽しみなんですけどね。