続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

EURO2008 グループリーグ展望 グループD

 今日はラスト、グループDです。いよいよ開幕。さすがに全試合見るのは不可能だと思います、「全16カ国について1試合は最低見る」「決勝Tは全試合見る」の2点は高らかに宣言しておこうかなぁと。…達成できなくても責めないで下さい(笑)
ギリシャ
 あれよあれよと優勝まで駆け登った前回大会。今回もダークホースの域は抜け出せていないと思いますが、前回よりメンバーは揃ったのかな?という印象は抱かせます。その要因は攻撃陣の充実ぶり。中盤ではカラグニスのパス捌きとFKは相手にとって大きな脅威となりますし、カツラニスの献身的なプレーも目立ちはしないものの、いいスパイスとなっています。そしてFWは、ゴール前の嗅覚と決定力に優れる06−07シーズンのブンデスリーガ得点王ゲカス、同じくブンデスリーガに所属する快速型のアマナティディスとハリステアスセルティックスコットランド)のプレーで見たことがある人もいるかもしれない大型FWのサマラス、今季のギリシャリーグ得点ランク3位に入ったサルピギディス、同じく得点ランク6位で代表でも2桁ゴールの実績があるリベロプロスと多士済々なメンバーが揃っています。正直前回大会の攻撃はセットプレーしかなかったと言っても過言ではなかった状況を考えれば、今大会は攻撃がギリシャ躍進の武器となる可能性は大きいと言っていいんじゃないでしょうか。ただ、逆に前回優勝をもたらした守備陣は、両サイドバックこそトロシディス、セイタリディスと若手が伸びてきていますが、CB+GKはニコポリディス、デラス、キルギアコスという前回と全く同じメンバーのまま。もちろんまだ老け込む年ではありませんが、予選の成績などを見ると前回ほどの堅固さには欠く印象で、守備から崩壊して…という展開にならないか、心配ではあります。
 イチ押しはFWゲオルギオス・サマラス。私がサマラスを始めてみたのは、06−07シーズン、マンチェスター・C(イングランド)に在籍していた頃。193cmという長身を活かしたゴール前でのプレーが持ち味で、当初はきれいにやりすぎる嫌いがありましたが、今季冬にセルティックへ移籍してからは、同タイプのフェネホールオブヘッセリンクと使い分けられながらも、16試合で5得点と悪くない内容でした。特にプレー面では、スコットランド独特の激しさに慣れてきて、ゴール前でのたくましさは格段に増した印象を受けます。もちろんまだまだ頼りない面は隠せませんし、実質的には「今大会以降のエース候補」という立場なので出番は限られるでしょうが、長髪をなびかせてプレーする「パルテノンの核弾頭」(と呼ばれているらしい)のプレーに、ぜひ注目してください。


スウェーデン
 04年大会は本戦出場が叶わなかったものの、06年ワールドカップではベスト16入り(1回戦で開催国ドイツに敗戦)。今大会の予選もスペインにグループ1位は譲ったものの、非常に安定感のある戦いで本千に歩を進めてきました。持ち味は何と言ってもオーガナイズされたチーム戦術。00年に就任し、すでに8年目となったラガーベック監督の下、オーソドックスな4−4−2から展開されるサイドアタック&ロングボールを中心とした攻撃は、目立ちこそしないものの確実に相手を蝕んでいきますし、北欧のチームらしい長身でフィジカルに長けた選手をそろえた最終ライン+中盤の底で献身的にプレーするリンデロート(怪我からの回復具合がどの程度なのか心配)を中心とした守備は、スピード不足な面こそあれど、やすやすと崩されることはありません。その中で、安定感を突き抜けてトップに立とうとする時に求められるのが個の力(特に攻撃面)になると思うんですが、今回はFWイブラヒモビッチ、エルマンダー、MFシェルストレーム、ウィルヘルムション、ユングベリと個性的な選手が数多く控え、その点でも躍進を予感させるものはあります。さらに、ラストピースとしてFWヘンリク・ラーションを招集。ともすれば独善的になってしまい、集中力散漫なプレーを見せるイブラヒモビッチにとっては、尊敬してやまないラーションがいることは、たとえコンビを組まなかったとしても大いにプラス材料といっていいでしょうし、チームにとっても彼の持つ経験は、何物にも変えがたい財産。個人的に最も注目しているチームです。
 イチ押しはFWヨハン・エルマンダー。個人的には「エルマンデル」と言う呼び方の方が好きなんですが、それはさて置き、知名度的にはイブラヒモビッチラーションローゼンベリの陰に隠れている感もありますが、06−07シーズンにブレンビー(デンマーク)からトゥールーズ(フランス)へ移籍して大ブレイク。移籍1年目で15得点を挙げて得点王に輝き、チームをヨーロッパの舞台へと導きました。今季はチームが二足の草鞋を履ききれずに低迷したこともあって11得点にとどまりましたが、それでもチーム総得点が36しかなかったことを考えれば、及第点の内容と言っていいでしょう。持ち味は188cmという長身を活かした空中戦とポストプレー、だけではなく、ややトップから下がってきた位置でボールを受け、そこからドリブルでエリア内まで入っていってシュートまで持ち込める強さや器用さも持ち合わせている点でしょうか。今オフのFW移籍市場の人気選手でもあり、恐らく今大会はイブラヒモビッチのパートナーとしてファーストチョイスになると思われるだけに、今大会で世界的にブレイクする可能性を大いに秘めているはず。注目して欲しいです。


スペイン
 前回大会はまさかのグループリーグ敗退の憂き目にあったスペイン。06年のワールドカップでもベスト8どまりとなり、期するものがあるはずの今大会ですが、ものすごく思い切った人選だなぁと言うのが率直な印象です。というのも、スペインと言えば「オーソドックスな4−4−2からのサイドアタック」と言う攻撃のイメージが強いんですが、今大会はウインガーホアキン、リエラをメンバーから外し、純粋なサイドアタッカー不在の4−1−4−1を採用してのポゼッションサッカーをすると宣言したメンバーだから。そのポゼッションを担うのが、MFセスク、シャビ、イニエスタ、シルバの「クアトロ・フゴーネス(4人の創造者)」と呼ばれるメンバー。代役不在(強いて言えばカソルラ、ビジャ、ガルシアは対応可能)がどう影響するかはわかりませんが、繋いで繋いで相手を混乱させながら、エースのFWフェルナンド・トーレス含めてゴール前へ押し寄せていく攻撃は、上手く回ればアーセナルが見せたようなエレガントでありながらも実効性のある素晴らしいものになるはず。懸念すべきは、トーレスがそういうスタイルでは埋没しかねない(プレミアで開花したのは、イングランド特有のオープンなフットボールとマッチしたからという評価もある)という点ですが、ホアキン、リエラというサイドアタッカーのオプションを放棄してまでポゼッションに賭けてきたルイス・アラゴネス監督の決断を私は評価したいですし、ポゼッションを貫き通して散るのなら、それもまた一興なのかなとさえ思っています。その一方で、1ボランチを任せたかったMFアルベルダが、バレンシアのお家騒動でコンディションを崩し落選したのは大きな痛手でしょう。MFセナ、シャビ・アロンソでは守備力に不安を残しますし、今季大ブレイクしたMFデ・ラ・レーに至っては、キャップ数0と全くの未知数。4バックも決して堅牢とは言えず(なぜアラゴネス監督が「世界最高のDF」と言い切れるのか、私には分かりません)、これまでどおり「攻めきれず、守りきれず」という疑念を拭えないのも、また正直なところです。こういうスタイルで優勝できれば、世界の潮流もまた大きな変化の時期を迎えることになるんでしょうけどね。
 イチ押しはDFセルヒオ・ラモス。散々攻撃のことに触れといてイチ押しはDFかい!という突っ込みはご容赦願うとして、私は現時点で世界トップ5のDFを挙げろと言われれば、その中にセルヒオ・ラモスは絶対入れます。それぐらい今季見せた成長ぶり、安定感は特筆すべきものだと思いますね。おそらく右サイドバックを任されると思いますが、オーバーラップのタイミング、クロスの精度(特にアーリークロスはかなり期待していいです)、激しく上下動できる運動量のいずれをとっても世界トップレベルで、かつて見せていた精神面での幼さや不要なラフプレーはすっかり見られなくなったばかりではなく、チームを引っ張るんだというキャプテンシーのようなものさえ伺えるほどになりました。それでいてセンターバックもハイレベルでこなせるマルチさがあり、経験値も十分。セルヒオ・ラモスが守備面で強烈に目立つことがチームにとっていいのか悪いのかはさて置き、攻撃面で彼が目立てるようなら、相手にとってはそれは「お手上げ」を意味することになるはず。若き俊英のプレーに注目です。今大会もそうですけど、2010年が本当に楽しみだわ、スペインは。


ロシア
 モストボイカルピンらを要したあの時代の幻影からしばらく脱出することが出来ていませんでしたが、06年にフース・ヒディンク監督が就任したこと、そしてリーグのレベルアップにより、ようやく好転の兆しが見えてきたロシア。世代交代、特に中盤より前の選手ではそれが顕著で、MFジルコフ、トルビンスキー、FWポグレブニャクといったキャップ数が20以下の選手がしっかりと主力の座を勝ち取っていますし、その他のメンバーを見ても、30歳以上(1978年生まれ以前)の選手が3人(MFジリアノフ、セムショフ、セマク)しかいなくなるほど、劇的な転換に成功しました。ただ、若い勢いだけのチームと言うわけではなく、GKアキンフェエフ+DFベレズツキ兄弟、イグナシェヴィッチが形成する守備ブロックは、クラブでも代表でももう何年も同じメンバーでやってきているがゆえの安定感(個々のパフォーマンスにはばらつきが出てきた印象もありますが)がありますし、中盤の選手も、ロシアっぽくない(というと語弊があるかもしれませんが)小柄な選手ばかりで、しっかりと自分の仕事をこなせる選手が揃ったなぁという印象。FWもシチェフアルシャヴィン、ポグレブニャクと地味ながら実力者が構えています。こうやって眺めてみると、いかにもヒディンク監督らしい「飛び抜けた選手こそいないけど、相対的なレベル、選手層は悪くない」というチームに仕上げてきたのかなぁ?という印象ですね。それこそ、韓国やオーストラリアのように。そんな「アベレージチーム」がどこまで戦えるのかに注目です。
 イチ押しはFWパーヴェル・ポグレブニャク。エースFWのアルシャヴィンが予選でのレッドカードにより2試合の出場停止となったために急遽お鉢が回ってくる格好にはなりましたが、去年はUEFAカップ15試合で10ゴールを挙げる大活躍を見せ、優勝に大きく貢献した選手。ほとんどお目にかかることが無いのではっきりとしたプレーの特徴を書くことは出来ないんですが、薄く残っている印象で書くならば、足技に長けた選手で、ゴール前でのポジション取りや裏への飛び出しで勝負するタイプだったかと。ただ、直前の親善試合で負傷したことで出場できるかは不透明な状況。はっきり言ってアルシャヴィン、ポグレブニャクのゼニト2トップをともに欠くとなると、得点力は大きく低下してしまいます。もちろん無理して出場はしたけど、結局何も出来なかったというのも困るわけですが、ポグレブニャクが十分なパフォーマンスで試合に出場できるのか、これはロシアのグループリーグ通過に大きな影響を及ぼすと見ています。


通過予想

1位 スウェーデン
2位 スペイン
3位 ギリシャ
4位 ロシア

 ロシアはやはりゼニト2トップの不在が響いて4位かなぁと。スペインはどこかにポコッとやられて2勝1敗で2位ってのが目に浮かぶところ。そのポコッがスウェーデンであれば1位はスウェーデン(私はそう思ってこの予想)でしょうし、ギリシャならスウェーデンが弾かれてスペインとギリシャが通過という目が大いに高まるかと。