続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

J1第6節 ヴェルディ1−2東京 私的振り返り

メンバー
 GK 塩田
 DF 徳永、佐原、藤山、長友
 MF 浅利、今野、梶山、羽生
 FW 赤嶺、カボレ
 交代 '61 浅利→大竹 '69 羽生→金沢 '77 赤嶺→平山
 サブ 荻、ブルーノ、栗澤、川口


主要スタッツ
 得点 (東)62 羽生(A:赤嶺) '89 オウンゴール
     (ヴ)'43 フッキ
 警告 (東)'30 梶山 4'3 藤山
     (ヴ)'32 福西 '46,'89 フッキ '56 服部 '61 和田 
 退場 (東)なし
     (ヴ)'89 フッキ(イエロー2枚)

 正直に言うと、スタジアムにいたあの時、前半45分が終了し椅子へ腰を下ろした時には敗戦も覚悟してました。
ヴェルディの攻撃陣、と言うかフッキに対しては、時折異次元の突破を許すことはあったものの藤山、長友が本当に粘り強くマッチアップしていて、それに対してフッキが意固地になって1対1を仕掛け続けてくれたことで守備の焦点を非常に絞りやすかったので、「フッキの足が止まってくれば凌ぎきれるな」と言う印象を持っていました。じゃあ何故敗戦を覚悟したのか。それは攻撃の形の無さがゆえ。
 セットプレーやそのこぼれから単発的にチャンスは掴んでいたものの、マイボールにした後のキックがクリアなのかフィードなのかはっきりせずに前線にボールが収まらなかったこともあってか、全体的に奪ったあとの押し上げが足りなかったり、仮に2トップにボールが入っても孤立してしまう、あるいはあっさり囲まれて奪われてしまうシーンが多かったように感じました。また、攻撃面での運動量がこれまでの試合と比べると物足りず、全体が止まってボールをもらう形になったために狭いエリアでのプレーが多かったという印象も受けました。そしてなによりも、スローインからのボールを全くキープできなかったことにはガッカリ。ヴェルディは大概フッキめがけてでしたけど、そのフッキは相手を背負ってもしっかりとキープできていましたし、失点シーンもスローインのボールに対してフッキをマークしていた藤山が入れ替われてしまい、思わずファールしたところから始まったわけで。その一方で東京は、カボレや赤嶺を狙って投げ入れてはいたものの、まああっさりと取られる取られる。あそこまであっさりと取られてしまっては如何ともしがたいわけで、攻撃の流れの悪さというのはちょっと絶望的なほどであると感じてましたね。終わった後の選手や監督のコメントを読むと「前半は0対1でもOK」(羽生)だったようで、であればあの押し上げの無さは完全なるリスクヘッジだったと理解できるんですが、スタジアムにいるときはそんなこと全く分からないわけで。しかも今年のヴェルディのCB−ボランチの4枚(土屋、那須、福西、冨澤)は結構堅固だなぁというイメージを持っていたために、前半終了の笛が吹かれた後、冒頭のような思いを抱いたわけです。
 後半に入ると、少しずつですがようやく前への意識が高まってきて、流れの中でシュートまで持っていけるシーンが作れるようになって来ました。だからこそ、57分のフッキ、60分のディエゴのシュートが決まらなかったあの時間帯というのが、東京にとっては「まだいける!」という流れを継続させることが出来た、逆に言えばヴェルディからすれば「しとめそこなった!」というネガティブな空気がにわかに漂い始めた、試合のターニングポイントだったのかなと思いますね。であるが故に、ディエゴのシュートシーン直後に浅利→大竹という交代を施して「こっからだぞ!攻めるぞ!」という明確かつ強烈なメッセージを送った城福監督の采配は見事だったと思います。
 で、実はここからの30分間の試合展開というか、試合の流れについては断片的にしか覚えていません。覚えているのは、100%の気持ちで東京の好プレーに拍手し、声援を送り、ヴェルディのプレーに声を荒げていたことぐらいでしょうか。もちろん録画していた試合をその日のうちに見直すことが出来た*1ので、いろいろ書こうと思えば駄文をつらつら重ねることはできますし、わざわざ当日から間を取って試合を振り返っているんだから書けよ!と言われるかもしれませんが、ごめんなさい、この試合だけはあの時の昂った感情のままでいさせてください。もちろん次の試合(もう明後日ですが)が来ればそちらに気持ちを切り替えるだけですが、その日までは3年ぶりのダービーを堪能できた感動を、羽生さんのループ気味のシュートがその右足から放たれてからゴールへ吸い込まれるまでの、短くもあり長くも感じたあの瞬間の気持ちを、地獄から天国へ登ることができたロスタイムのはじけた感情のままでいさせてください。まっとうな試合の振り返りは他の東京系ブロガーさんがしっかりとやってくれているので、そちらをご覧くださいませ。
 と、そんな言い訳をしただけだと怒られるので最後に一つだけ。「ダービー特有のガシャガシャした試合で、リスクを負わないプレーも多かった」という羽生さんの言葉が示すとおり、内容的には大味だったかもしれません。それでもやっぱり、ダービーは「勝てば官軍、負ければ賊軍」なんですよ。少なくとも次の公式戦まで、ともすれば次のダービーまで一方は至福の時間を味わい、もう一方は暗澹とした気持ちを味わうわけです(それは私だけか?大袈裟すぎるか?)。そんな「Dead or Alive」を味わえるダービーは、ヴェルディは大っ嫌いだけど、やっぱダービーは最高だったわ!…勝てればね。

*1:これも興奮したまま見てたので、いつもほど内容を覚えていません(苦笑)