今日は今度の休日出勤(土曜日)の振替でお休み。というわけで、朝からCL三昧です。今日の注目カード、アーセナル対ミラン、リヨン対マンチェスター・U、そして昨日録画しておいたローマ対レアル・マドリーの3試合を一気に。
その36 アーセナル 0−0 ミラン
スコア No GOAL
10/24のレンジャーズ対バルセロナとはまた趣の違う、非常にスペクタクルでハイテンポな極上のスコアレスドローでした。そして、ミラン守備陣の奮闘は心の底から称えつつも、アーセナルが決めきれなかった、仕留めそこなった試合だったという印象です。
アーセナルは普段のリーグ戦と比べると縦一発のパスが多かった印象ですが、これはアンブロジーニ、ガットゥーゾのプレスを若干怖がったのと、目下絶好調のアデバイヨルにミランCBとの1対1の場面を多く作らせたかった両面があったように思います。実際アデバイヨルの動き出しとセスク、フレブのパス出しの良さが上手くかみ合って、何度かきわどい場面を作り出しましたが、今日はミラン守備陣が最後まで耐え切りました。ネスタが後半早々に怪我で退くアクシデントはありましたが、カラーゼ、マルディーニ、そして左に流れることが多かったアデバイヨルと対峙したオッドの守備の強さを改めて感じさせられました。しかし、それだけしか攻撃の手が無いわけではないのが今のアーセナル。後半時間を追うごとにさすがに中盤にスペースが生まれ始めてきたところを見逃さずに、一気にショートパス主体、次々と後ろの選手が追い越していくいつもの攻撃に切り替え、残り10分は非常に分厚い攻撃を展開しました。さしものミラン守備陣を持ってしても、失点を覚悟しなければならないシーンが2、3ありましたが、この日はアーセナルに決定力がありませんでした。ロスタイムのウォルコットからのクロスにどフリーで合わせながらポストにヘディングをぶつけてしまったアデバイヨルのシュートが全てを物語っていると思います。2ndレグに向けては、このメンバーに大きな怪我がなく(トゥレは心配)、さらにロシツキーが戻ってくればさらに怖さは増しますが、気になるのがジュゼッペ・メアッツァの深めで粘りっこいピッチでもショートパスを展開しきれるのかどうか。もちろんこのレベルの選手ですから、試合中にアジャストさせると思いますが、そこに時間がかかっているうちに先制点を許すような展開になると、かなり辛いところ。慣れるまでは、今日のようなアデバイヨルへのロングボールでチャンスを作っていいった方がいいような気はします。
一方のミランですが、カカの動きがやや重いように見えました。同じく怪我明けのパト、ガットゥーゾは何の問題なくやれていた分、余計にそう見えたのかもしれませんが、いつものカカらしくないプレーが多く、やや攻撃に迫力を欠きました。ピルロがアーセナルのハイプレスをかいくぐる策をロビング、ハイボールに求め、パスセレクションは悪くなかったものの、最後まで精度に欠いた点も残念といえば残念。ただ、パトのプレーは全く見劣りしませんでしたし、セードルフの落ち着きもさすがの一言。ガットゥーゾ、アンブロジーニは精力的に動き回っていましたし、DFラインの強さには惚れ惚れするばかりで、随所にミランらしさは見せてくれました。0−0という結果は上々。まだインザーギという最終兵器も残っていますし、私はミランがややイニシアチブを取った形で2ndレグを迎える、と見ています。
その37 リヨン 1−1 マンチェスター・U
スコア 53分 K・ベンゼマ(リヨン)
87分 C・テベス(マン・U)
87分、その時まではリヨンが100点満点の試合を見せていたんですが、テベスの右足がそれを一気に赤点にしてしまった、それぐらいリヨンにとっては痛い、痛すぎる失点だったんではないかと思います。
直前のリーグ戦、ル・マン戦(実は見てました)でのパフォーマンスが、主力を温存したとはいえあまりにも良くなく、その残像が残ったまま試合を見ていたせいもあるかもしれませんが、今日のリヨンはかなり良く見えました。なかでもゴブ、クレルク、シェルストレーム、ブームソンのパフォーマンスは良かったと思います。ジュニーニョも気合の入った表情でしたし、レベイエールは上手くロナウド、ギグスを押さえていたと思います。そして、何より感動したのがベンゼマ。DFを背負ってのボールの受け方、体の入れ方、体躯の強さはいずれ欧州でもトップクラスになれるという期待を抱かせるものでしたし、何より凄かったのがゴールシーンにおけるイメージの豊かさと瞬時の判断力。トラップしてからシュートを放つまでどう運べばいいのかを瞬時に想像することも去ることながら、それをイメージ通りにプレーできるテクニックと判断力には、ただただ感嘆するばかりです。だからこそ、そのようなファインゴールで先制し、思い通りにマン・Uの攻撃を防げていたからこそ、あの失点はリヨンにとっては残酷なものでしたね。もちろんこれで負けが決まったわけではなく、とにかく先に1点挙げることができれば可能性が再び開けるだけに、下を向く必要はないと思いますが、ショックは隠せないでしょうね。
マン・Uは逆に赤点の試合をしながら、テベスの一撃でなんとか70点に持ち込んだといったところでしょうか。アウェーと言うことで固く行きたかったのか4−3−3で臨んできましたが、五部とクレルクが予想以上のパフォーマンスを見せたことも相まって、サイドでかなりやられてしまいました。失点シーンもサイドから中央に切り込まれてのものでしたしね。ただ、失点してからのファーガソン監督の動き−スコールズとギグスを下げ、ナニとテベスを入れて4−4−2にした−はさすが。リヨンはこれで攻め手を塞がれましたし、マン・Uは攻撃が分厚くなり、その結果の同点劇だったと見ています。アウェーゴールを上げての引き分けは及第点以上の結果。いくらかの余裕を持って2ndレグを迎えられるんじゃないでしょうか。
その38 ローマ 2−1 レアル・マドリー
スコア 7分 ラウール・G(レアル)
24分 D・ピサーロ(ローマ)
57分 マンシーニ(ローマ)
試合全体の流れを見れば主導権を握っていたのはレアル・マドリーだったと思いますが、結果はローマの逆転勝ち。これだからサッカーは面白い、と言うような試合でした。
レアルから見れば、前半早々に先制点を挙げ、その後の2度の決定機(1度はゴールラインを割るもオフサイド)のうちどちらかが決まってればそこで勝負ありという形に持ち込めただけに、悲観する点がほとんど無い内容だっただけに、悔やまれる展開となってしまいました。後半にもファン・ニステルローイのシュートがポストに当たるなんてシーンもありましたしね。その中でも目立っていたのがロッベン。ロビーニョ、スネイデルとつっかけられる選手を怪我で欠く分、さらにその存在が際立っていました。ロッベンにマークが集まれば、おのずとラウールやニステル、グティやガゴ(怪我から戻ってくればスネイデルやロビーニョ)のいずれかがフリーになるわけで、2ndレグに向けて大きな脅威としてローマにその存在を植えつけられたのは大きなアドバンテージになるかと。不安を上げれば、セルヒオ・ラモスがサスペンションで不在となる点。サルガドが控えていますし、ペペかメッツッルダーが戻ってこれればエインセを回せますが、果たして。
かたやローマは、内容はともかく勝ちきったことが収穫。誰がダメだったということは無かったと思いますが、全体的にテンションが低いというか、運動量が足りなかったのかな?という印象です。2ndレグですが、守りきろうと思って守れるチームではないですし、下手にリードしているとは思わずに、ローマらしい攻めきるサッカーを見せてくれるよう期待したいです。