続々々・メガネのつぶやき

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よゐこのポテンシャルと戦術的なキャラ出し - 昨日の風はどんなのだっけ?

 あんまり書くことはないかもしれないけど、[テレビ]というカテゴリーを作りました。過去ログでテレビ番組やタレントについて書いたエントリは、順次このカテゴリに変更します(挨拶)
 しかし、まさか、あんな記事がトラバされ、toroneiさんの熱い語りの入口になるとは夢にも思わず(苦笑)。しかも、ここまでよゐこのことを語ってくれたのは感謝感激。後出しじゃんけんみたいで恐縮なんですが、よゐこ(とふかわりょう)をかねてから応援して見続けてきた人間にとっては、涙ちょちょ切れるエントリでした。以下畳みます。
 私がよゐこを好きで応援している理由のひとつに「引き出しの多さ」があります*1。例えば有野さんだと、一般的には「地味、シュール」というキャラ認識ですが、実際には「(漫画・アニメを中心とした)ユルオタ」「ゲーマー」という引き出しが、濱口さんは一般的に「バカ・天然」というキャラ認識ですが、「(有野さんより深い面もある)オタ」「エロス(笑)」「(ディズニータイムで見せるような)ほのぼの」という引き出しがあります。ただ、パブリックイメージと思しき「シュール、天然(+濱口さんバカ)」が(良くも悪くも)めちゃイケのおかげでかなり強いため、他の引き出しを出すことに制約があった、あるいはtoroneiさんが、

最近までのよゐこは「めちゃイケ」のよゐこのイメージを阻害するようなキャラクターを地上波で出すことは、かなり意識的に排除していました。

 と書かれているとおり、自ら制約をかけていた(と思われる)ことで、今一つ民放受けしないまま長く時が過ぎたという印象があります。めちゃイケも、いつまでたってもそんなキャラの扱いしかしてくれないから、いつの日からか見ることがなくなりました。
 けれどここに来て、有野さんは「ユルオタ」を活かした形での雑誌、ラジオ出演やまんとら、「ゲーマー」を活かした形での雑誌、ラジオ出演やゲームセンターCXで、濱口さんはこれまでのキャラである「バカ・天然」をさらに飛躍させること(もちろんただのバカ(天然)だけではないわけですが)で爆発した節約生活&無人島生活、「俺の持ってるダメさみたいなのを前面に出したい」との意図も含みながら「オタ」の部分を見せて驚きを与えてくれたよゐこキン消しなどで、「やりたいことをやっている上に一定の評価をもらえる」という、とてもいい循環がよゐこに廻ってきたのかな?という気がします。ただ、それは偶然でもなんでもなく、

よゐこはいま凄い戦略的に、有野さんや濱口さんが自分たちのキャラクターを整理しながら、場所を凄い選んで出していってる。
・2008年になってようやっと時代がよゐこが限定的に出していたキャラクターに追いついてきた。

 からに他ならないのだとも思います。その辺りの「自分たちの立ち位置をしっかりと客観的に見つつ、今の時代の流れを読んだ上で、時代を手繰り寄せる力」というのは、素直に感嘆するのみですね。誉めすぎ?(笑)


 ゴホン。また、Toroneiさんはもう1点、よゐこのお2人それぞれについて、

・作家の鈴木おさむ氏のホームページのインタビューが、完全に周りが見えていて、セルフプロデュースが出来ている人の言葉が並んでいたし、何より凄い熱い思いというのを感じる。(濱口)
・“少し好きです”ぐらいの物に対して、“少し好き”というテンションを維持して語ることが出来るんですよね、これが僕は有野さんがいま「オタク芸人」的な売りをしてる人の中で、唯一本物という扱い受けている理由だと思うんですよね。(有野)

 という点を好意的に捉えて書かれていますが、これも自分たちの置かれている状況をしっかりと見ることが出来ているが故に、自分たちの身の丈を知っているが故に可能なことなのかなと思いますね。これまでパブリックイメージ以外の面はとにかく封殺してきた、見せることを我慢してきた事実があった上で、ここに来て「小出し」にそのイメージ意外の面を見せ始めるという上手いやり方で。つまりは、今まで広く一般の視聴者にはそういう面を見せていなかっただけに、同じオタネタでも、(具体名を上げて恐縮ですが)例えば品川さんや土田さんが言った時と有野さんが言った時では、実は説得力が違う、有野さんが言った時の方が「おぉ、有野ってそんなことまで知ってたのか!」というインパクトを与えることができる土台と言うか土壌が(密かに)作られたように思います。これから有野さんのオタ面がイメージとして定着した場合、それと反比例でさっき述べたようなインパクトは落ちてくるでしょうが、それはそのときの話。今そういうイメージをいよいよ出し始めている今にあっては、その土壌はものすごく有利に働くかと思います。また、濱口さんにいたってはさらに斜め上を行くオタっぷりが、ものすごい度肝を抜く=ハイインパクトを残すという結果になると思ってます。それが続いていって、いずれ「よゐこ=オタネタもできる」というイメージが一般視聴者にも広まれば、そこに新たな需要ができて、さらによゐこが輝ける番組ができる=(toroneiさんのいう)「今の支持を広げているスタイルが、地上波で発揮される日が来る」という結論になんら疑いの余地がなくなるんでしょうね。
 また、有野さんの語り口については、私がどうこう言う点はありません。120%toroneiさんが考えている通りだと思います。(また例に出して申し訳ないのですが)品川さんや土田さんのあの一生懸命さは、確かに時として無駄になるというか、熱すぎるが故に伝わってこない時があるんですよね。私も時々あるんですよ、興奮しすぎてなに言ってるんだか自分でも分からない時が(苦笑)。話し戻って、じゃあ今から有野さんのような立ち位置に品川さんや土田さんが立てるかというと、もうすでに「オタトークは熱く語る」ことがデフォになってしまった品川さんや土田さんなどには無理でしょうし、みんながゆるめに語るようになってしまっては、アメトーークのような「民放的」な番組は成立しないわけで*2、答えはノー。そう考えれば(上の段落の結論とかぶる点がありますけど)、今の有野さんの置かれた立場、与えられる役割って言うのは、現状は「あんまりオタクネタの時に填らない」けれど、いずれ今のスタイル以外の需要が生まれた時に、最も声をかけやすいタレントになっている可能性が大きい=力を発揮できる日が来るという考え方も、間違いではないと思います。


 とまあ、なんか褒めちぎりすぎな気もしますが(笑)、私もtoroneiさん同様、よゐこには大きな可能性を感じている人間の一人です。まあ、toroneiさんほど戦略性云々を大きく語れるわけではありませんが、そういう可能性に惹かれているからこそ応援しているわけですし、ますます民放でも活躍できる場が生まれればいいと願い続ける次第です。


 そんなよゐこと同じぐらい応援しているというか期待しているのがふかわりょうさんなんですが、こちらは内Pが終ってしまってからシャキッとしませんねぇ…。どうしたものか。

*1:ここでいう「引き出し」とは、例えば宮迫さんやぐっさん、ナイナイ岡村さんのように「バラエティ番組以外での活躍ができるだけの芸がある」という意味ではなく、あくまで「バラエティ番組という枠組みの中で、どれだけの顔(キャラ)を見せられるか」という意味です。前者のそれは「多才」という言葉の方がしっくり来るかと。

*2:いずれその「民放的」な構成をぶち破って、BS、CSのようなゆるいトーク番組が民放でも出て欲しいんですけどね。