続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

ゲスのベスト10

 新型コロナウイルスの影響が、今も世界に「蓋」をしているなか、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 ステイホームやらなんやらで、「時間の使い方」を今まで以上に考えさせられる数か月だと感じていますが、私は音楽を聴く時間がすごい増えまして。で、好きなアーティストの曲を改めてドドドっと聞いていたら、なんだか作文をしたくなりまして。

 というわけで、今日はゲスの極み乙女。のマイフェイバリット10を書いてみようかと。これまで聞いたことないよーって人が1ミリくらいは興味を持ってくれる、あるいは、ゲスの極み乙女。ファンの方が1%くらいは分かるーって言ってくれたら、これ幸い。では、さっそくスタート。

 

 

1.キラーボール

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 「ゲスの極み乙女。」という文字を初めて目にしたのは、何かの音楽雑誌。その号の目的は、当時(ってか今もですけど)無性に聞いていた9mm Parabellum Bullet5thアルバム「Dawning」に関するメンバーインタビュー記事で、しっかり(立ち)読み切ったあとにページをペラペラめくっていたら、注目のバンド!的な取り上げられ方をしていたのがゲス乙女。

 まあ、確かに名前のインパクトはなかなかで、全然違うバンドのメンバーが別のバンドを組んでやっていきます!ってなんじゃ?とその時は頭の片隅に引っかかったくらいでしたが、この年の暮れに「COUNT DOWN TV」の12月エンディングテーマにこの「キラーボール」が抜擢。

 オサレな女性がドラムで軽快な四つ打ちのリズムを叩き、謎のグラサン青年が巧みにベースを操り、謎めいた女性が力強さと艶やかさをまとったピアノを奏で、一般受けしなさそうなユニセックスな若者がラップのようでラップじゃないラップを口走り。何じゃこのバンド!?と思って名前を見たら、・・・・・・・あー!いつぞや雑誌で見た見た!ってなって。

 その次の日にitunesでミニアルバムを買って聞いたら、私は耳に馴染んでしまったんですよね。思い起こせば、2013年のこと。かれこれもう、7年前。時が経つのは、早いものです。

 

 

2.ハツミ

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 そんな、キラーボールが収録された2ndミニアルバム「踊れないなら、ゲスになってしまえよ」の7曲目に収録されているのがこの「ハツミ」。

 このアルバムの中では少し異彩を放つというか、趣が異なる曲。それは、しっとりとしたメロディラインも去ることながら、キラーボールや餅ガールの歌詞が「楽器の1つ」だとするならば、ハツミの歌詞はとても抒情的で、「読み物」としてもすごく訴えかけるものがあって。川谷絵音の真骨頂がどこにあるかは、正直聴き手の十人十色になってしまうと思うんですが、川谷絵音スピッツを「CDを買って歌詞カードを読みたいアーティスト」と称したそのままが、私にとっての川谷絵音なんだと、今振り返れば最初に思わせてくれた1曲です。

 

 

3.星降る夜に花束を

 ゲス乙女のライヴに、私は正味2回か3回かしか足を運んだことがありませんが、密かにライヴで盛り上がるのがこの「星降る夜に花束を」。

 キラーボールもそうですが、ゲス乙女では川谷さんがギターを弾かない曲がちょいちょいあって、この曲もそのつなんですが、そうすると、私はライヴでは特に他のメンバーに目がいっていまいまして。で、この曲では何といっても休日課長のベースがいやに耳に残っちゃったんですよね。

 イントロではちゃんMARIのリフレインとほないこかのバスドラの方が観客を盛り上げるんですけど、イントロ終わりからベースの旋律がすごく際立ってきて、サビ前では印象的なベースラインが奏でられ、その後も曲を通じていろんなタイプのベース音が耳に勝手に飛び込んでくる。なんか、まさに完全に夜が更けた時間に、電気を消してテレビを消して、イヤホンして聞いて陶酔したくなる感じの曲で、このバンドが持つ幅の広さを最初に思い知ったのが、私はこの曲でした。

 

 

4.シリアルシンガー

 そんな1stアルバムから12か月後にリリースされた2ndアルバム「両成敗」。世の中的にはあの人との不倫騒動で世間がザワついている時にリリースというタイミングもそうだし、あろうことがタイトルが「両成敗」。まあ、毀誉褒貶・・・すらも優しく言い過ぎですね、罵詈雑言、誹謗中傷、様々な声がネットに渦巻いていましたが、それでこのアルバムが持つ音楽的価値が損なわれたかといれば、答えはNO。絶対にNO

 全17曲、60分を超える長編アルバムですが、単調さとは無縁のラインナップ。リード曲の「両成敗でいいじゃない」が凄くいい勢いをつけてくれるんですが、Wikipediaによると、当初のリード曲はこの「シリアルシンガー」か10曲目「セルマ」だったそうで。ただ、結果的にこの曲順で良かったというか、スタートの3曲ででグッと聴き手の心を掴んだあと、4曲目にくる「シリアルシンガー」は1つ読点を打つような曲で、密かなインパクトを秘めた曲だと私は感じています。

 また、シリアルシンガーという単語自体、たぶん川谷さんの造語なんですけど、「シリアル=連続的な、一続きの、連載物」という意味があり。で、「シリアルシンガー=楽曲制作マシーン」と置き換えたとすれば、サビの歌詞はなんだか妙に心に響くところもあります。このころ少し、疲れていたんですかね?

 

 

5.オトナチック

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 「両成敗」発売前、シングルとしてリリースされた曲が複数ありましたが、圧倒的に私の心に刺さったのが「オトナチック」。

 メロディーラインは両A面シングルとして発表されたもう一方の「無垢な季節」の方が好きなんですが、オトナチックの歌詞は、私にとっては先に挙げた「ハツミ」以来のディープインパクト

「不正解だと叫んだって 正解の正解が分からない」

「本当のことを言い合っても 何も変わらないかもしれないし 僕らは変わることを怖がってるから」

「オトナチックって言われちゃうよりは無理にだって叫びたい 子供だって笑われたって自分の声を信じたい」

「嫌われたって胸張れるだろ 試されてるって思いなよ」

「大人になってまで 言葉飲み込むなんてやめとけよ 悔しくなったら 背負い続けてみろよ」

 これらの言葉たち、どれかは刺さるものありませんか?普通、不特定多数の「多数」が多くなればなるほど、ある意味で1つの言葉が持つ「厚み」は薄れていってしまいがちですけど、オトナチックの歌詞は終始一貫分厚い。もちろん、好きものの判官びいきはあるでしょうけど、ぜひ多くの人に聞いてほしい1曲です。

 

 

6.シアワセ林檎

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 いろんなことがあって、発売が後ろに倒れた3rdアルバム「達磨林檎」。そのリード曲がこの「シアワセ林檎」。

 アップテンポなリズムに乗って、川谷さんのラップじゃないラップからAメロが始まって、サビで歌メロが入る。いかにもなゲス乙女らしい作りで、初めてゲスの極み乙女。に触れた人には「ようこそ」を、かねてから応援してくれていた人には「ただいま」を告げる曲として、とても素敵な曲に仕上がっています。

 ただ、私的聴きどころは、間奏を挟んでのラスサビ前のセクション。ピアノ(キーボード)もベースも鳴りを潜め、川谷絵音とほないこかの後ろから聞こえてくるのは打ち込みの電子音。そんなある種の「無機質」に乗っかった言葉は、メッセージ性に溢れた「I love you」の繰り返し。このセクションにどういう意味が、どういう目線が、どういう気持ちが込められているのか。もちろん、想像するものはありますけど、リリースから3年以上たった今もよく分かっていませんし、何ならこのまま分かんないままでもいいかなと。

 まあ、そんな一ファンの戯言はともかく、ゲスの極み乙女。のリスタートソングとして、とても素敵な曲に仕上がっています(大事なことなので2回言いました)。

 

 

7.もう切ないとは言わせない

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 4thアルバム「好きなら問わない」に収録。多分、ゲスの極み乙女。の全曲のなかで一番ポジティブな曲。以上!・・・だと短すぎますか(笑)

 もちろん、「もう切ないとは言わせない」んだけど、それは「もっとあともうちょっと 君を好きになったら」とか「そのうち一緒になろうよ」とか、あるいはMVにおける間奏の作りとか、100%ポジティブシンキングではないのかもしれませんが、「達磨林檎」からほぼ1年後にこんなストレートな曲をリリースしたことを、当時は「あー、川谷さんようやくトンネル抜けたんかなぁ」と思ってました。まあ、indigo la Endとの兼ね合いが、上手く行き始めたころなのかもしれませんけどね。

 

 

8.キラーボールをもう一度

 川谷絵音31歳の誕生日にリリース。タイトルには「過去の自分たちを超えていきたい」という気持ちが込められているそうで、歌詞からはそうした思いがビシビシ伝わってくる部分が多く。

 なかでもオーラスは、珠玉。あんまりこういう物言いは好きじゃないんですが、ほぼデビュー時からこのバンドを見続けてきて、聞き続けてきて、追い続けてきたからこそ、最後の最後に川谷さん自身から「愛愛愛愛愛愛されたなら 間違えてはないってことだから」って言葉を聞けたことに、すごく感動してしまいました。

 と同時に、「過去の自分たちを超えていきたい=まだまだこれから、期待してて」って、私は勝手に受け取っていて。「湯掻いた魂でもう一度だけ どこまでも行けるような歌を」って、それを宣言してるってことで・・・いいよね?

 

 

9.フランチャイズおばあちゃん

 最新の5thアルバム「ストリーミング、CD、レコード」に収録。

 もはや、タイトルや歌詞に何か意味あるか?って聞かれたら、私はない!と全力で即答します(笑) ただ、あまりにも中毒性の高いメロディと、その音にスパッと乗っかってくる歌詞のバランスはお見事の一言。ある意味、誰にも真似できないものを作りやがったな、コンチキショー!とべた褒めしたい1曲なのであります。ライヴで聞いたら、盛り上がるだろうなぁ。ライヴ、行きたいなぁ。

 

 

10.人生の針

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 ようやく10曲目。そして、私の中でのナンバー1です。最新アルバムに収録されたリード曲ですが、これはMVもオススメです。

 で、ノーイントロでど頭に「私 間違うことでしか人生の針を正しくは使えないの」。そして、最後のフレーズは「その時は 私もあなたもとびきりで会いましょう」。この始まりから、なぜこの終わりにつながるのか?すべての歌詞は皆さん自身でぜひ、一度検索して読んでみていただけると嬉しく。

 して、なぜこの曲がナンバー1なのか?酸いも甘いも嚙み分けてきた川谷絵音が今ここで、自身の”レコード”に刻まれてきた思いを偽ることなく、過不足なくしたためてくれて、そんな男に(恐らく)惹かれて、共感して、信じてここまでやってきたゲスの極み乙女。が、どこか”CD”全盛期のころの懐かしさ、ノスタルジーすら感じさせるメロディを作り上げ、ストリングスやブラスも加えた複層的な、奥深い「音」が令和の世に定着しつつある”ストリーミング”でファンに届けられる。

 まあ、無理やりこじつけたと思われたらそれは私の表現力不足ですし、あまりにもできすぎでしょうこれ、って自分でも思ってしまうところもありますが、でも、今のゲスの極み乙女。なら、こんな表現すらも大仰ではないと確信させてくれたのが、この「人生の針」です。

 

 

 

 というわけで、10曲紹介してみました。まあ、川谷さんへの好き嫌いはあるでしょうけど(苦笑)、それはそれとして、是非お時間がある方はここに挙げた曲に限らず、ゲスの極み乙女。の世界観を楽しんでもらえたら嬉しい限り。

 indigo la Endは…気が向いたらやります(笑)(文字数の割に、時間かかる(苦笑))