続々々・メガネのつぶやき

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18年Jリーグ観た記 其の16 神戸ー川崎

 ここ3試合、ともに2勝1分でリーグ上位につける神戸と川崎。第10節終了時点でリーグ1位16得点の神戸、2位タイ15得点の川崎。この数字を延ばし、勝ち点を上積みできたのは。

 

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短評

 神戸は前節から5人変更。最前線に大槻を置き、ビルドアップからの流れから4-2-ポドルスキー3。ポドルスキはフリーマンとしていろんなところに顔を出し、その動きに付随して周りが動く。ネガティブトランジションはゲーゲンプレス。守備時はポドルスキも前に位置する4-4-2でセットしつつ、ポジティブトランジションはやや縦に速いイメージ。

 川崎はお馴染みのビルドアップ・ポゼッションで敵陣に迫り、ネガティブトランジションにおいても敵陣では即時奪回を試みる。引いて守る時は4-4-2で、ポジティブトランジションは慌てず騒がず。

 ゲームはいきなり動く。7分、CKのこぼれ球に大久保が反応してシュート。キム スンギュがなんとかセーブするも、宮が一瞬判断に迷いクリアできないでいると、後ろから谷口がボールをプッシュしてボールはネットを揺らし、川崎が先制する。

 神戸は思わぬ形で先手を奪われたが、立ち上がりからプレッシング、即時奪回の意識は高く、10分頃まではしっかり奏功していた。しかし、川崎は怯むことなくボールを繋ぎ、15分を過ぎる頃にはプレッシングの強度にも慣れ、外してボールを前に進められるようになる。そこからサイドの崩しで神戸守備陣の狙いどころをぼやかしながら、しっかりとシュートまで繋げていく。

 対する神戸の攻撃。前で奪ってショートカウンターが狙いだったと思うが、徐々に減退。自陣でボールを奪ってから、あるいは低い位置からの攻撃時にはあまりボール回しに意図が見られず、前進気勢は一息。ポドルスキが右サイドで持って、サイドチェンジ一発でティーラトンで2つ3つ見所は作るが、シュートまで持っていけず。30分までのシュート数は神戸0-10川崎で、神戸の初シュートは32分の佐々木まで待つしかなかった。

 小林は試合後に「前半は少しカウンター合戦のように…」と試合後のフラッシュインタビューで語ったが、30分を過ぎる頃にはそれも落ち着き、神戸もボール保持から遅攻で攻撃を構築。前半終了時の支配率は神戸53%-47%川崎と神戸が上回った。ただ、質の差は明らかで、実効的なボール回しができていたのは圧倒的に川崎。個人的にはスコア以上に川崎優勢と感じた前半だった。

 後半、51分にはキム スンギュのパントキックに小川が反応し、エリア内に侵入--余談、この場面小川は車屋のタックルでバランスを崩し倒れてしまったが、ここはなんとか踏ん張ってシュートまで持っていって欲しかった--、53分にはチョン ウヨンが強烈なミドルシュートを放つなど、入りは神戸。

 川崎は前半に続いてコントロール気味。神戸の勢いをいなしながら何度かゴール前に迫る。それでも、神戸の勢いにやや押されぎみで、前半ほどの圧倒感は出せず。

 神戸は63分に小川→ウェリントン、67分に佐々木→藤田と交替し、勢いの持続を試みる。対する川崎も長谷川、中村を立て続けに投入し、再活性化を図る。さらに神戸は76分、三原が足をつらせてしまうアクシデント絡みではあったが、渡邉を投入して3バック(攻撃時3-4-1-2)にシフトチェンジし、同点を狙いにいく。

 すると79分、ティーラトンが上げたクロスを谷口がクリアするが、このクリアボールを三田が弾ませずにダイレクトボレー。この強烈なシュートがネットに突き刺さり、神戸が同点に追いつく。

 しかし81分、チョン ウヨンが被カウンター時に小林のフリーランをひじを使って止めたとしてこの日2枚目のイエローカードを受け退場となる。1人多くなった川崎は当然攻撃の手を強めると88分、大島の縦パスをエリア内で受けた小林が素晴らしいターンで宮を外すと、冷静にゴールへボールを流し込み川崎が勝ち越しに成功。このまま試合は終了。川崎が連勝を3に伸ばした。

 

MVP:小林 悠(川崎F)

 試合を決定付ける見事な仕事を素直に評価。ぜひ、多くの子供たちに見て欲しいターン&シュートだった。

 それ以外にもトップでポストプレーする、サイドに流れて受ける、守備の切り替えを素早く行うなど、多種多彩なプレーぶり。怪我明けでまだコンディションは100%と言えないはずだが、相手にすれば厄介な存在であることに疑いの余地はない。