続々々・メガネのつぶやき

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18年Jリーグ観た記 其の4 名古屋-磐田

 開幕戦、G大阪とのつばぜり合いを制してJ1復帰を白星で飾った名古屋。かたや、川崎に3失点を喫して開幕戦を飾れなかった磐田。久々の東海地区決戦、勝利を手にしたのは。

 

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短評

 名古屋は開幕戦とスタメン変わらず。攻撃時、この日の前半は小林があまり最終ラインに下りず、SBの高さに応じて2-5-3とも2-3-5とも取れる形でボールを保持しながら進め、ネガティブトランジションも比較的前からプレスをかけに行く。そうしてボールを奪ったあとのポジティブトランジションは、やはりとにかく繋ぐ。

 対する磐田。守備時は4-2-3-1でスタートし、名古屋のWBには中村、アダイウトンの両SHがそのままついて行く形を選択。奪ったあとはまずカウンターを窺い、それがダメでもあまり繋ぎにはこだわらない印象も。ネガティブトランジションは即時奪回とまではいえないものの前からアタックしていた。

 試合は両GKのグッドプレーからスタート。4分、見事にポケットを崩した流れからジョーがヘディングを放つも、三浦がセーブ。そこで得たCK、磐田は上手く跳ね返しからのロングカウンターで一気に名古屋ゴール前まで迫るが、ランゲラックが落ち着いてセーブ。

 こうして、試合は落ち着いていくのかと思いきや、わずか8分で試合が動く。名古屋が左サイドで崩しを見せ、中へクロス。これをムサエフがクリアし損ね、味方に当たったボールはガブリエル シャビエルの足下へ。シャビエルはしっかりと右足を振りぬくと三浦も反応しきれず。名古屋が先制する。

 ここから試合は一気に名古屋のものに。というよりは、名波監督が試合後に「1失点目でちょっと選手がまた先に点を取られたと頭が下がった部分があって、前半はなかなか五分五分の展開に持ち込めなかったなと思う」と語ったとおり、磐田は失点後にやや気落ちが見え、自陣でのボール回しにスムーズさを出せず。

 中村が澱みを感じて中に入ったりCHの位置まで下りたりしながら打開を試みるも、攻守で立ち位置の可変があまりない中、相手のギャップを突くのが個人のフリーランしかなく、どうしても一発狙いとなってしまう。川又が何度か裏を突いたが、ことごとくオフサイドになったのが、象徴的だったか。

 対する名古屋も風間監督が「2点目が決まっていればまったく違う展開になった」と語ったとおり、シャビエルを中心に中盤でボールは回るものの、ゴールに至らず。磐田は前半途中から守備の立ち位置を4-4-2に変え、6バックになることも厭わずなんとか食い止めようとしたこともクリアしてボールは回るが、シュートはネットを揺らせず。展開を考えれば1-0では不満が残るといってもいいほど、名古屋のペースで前半は終了した。

 すると後半、磐田が息を吹き返す。前半より意図を持って中村を中盤に組み込み、しっかりとショートパスを繋いで相手の目線をボールに注がせた上でサイドを変える、裏を狙う、3人目が走るといったプレーができるようになり、名古屋は自陣での守備を強いられる。

 ただ、ここで立ちはだかったのはランゲラック。59分の川又、60分のアダイウトン、74分の川又と磐田は3つ決定機を意図的に作ったが、いずれもランゲラックが好セーブを見せ、ネットを揺らさせない。名古屋も防戦の中、71分にシャビエルが左足を振りぬくも、こちらも三浦が左足一本で防ぎ、試合の興味を繋ぐ。

 75分以降も磐田優勢で試合は進んだが、名古屋は我慢の対応を続け、失点は許さない。そしてそのままタイムアップ。名古屋が前節とは違う展開を耐え切り、見事に連勝を果たした。

 

MVP:ランゲラック(名古屋)

 カミンスキーが足のトラブルで出場できず、代役として出場した三浦も素晴らしいプレーを披露したが、その上を行ったのがランゲラック。

 ヨーロッパで、特にGK指導のレベルが高いドイツで長くプレーしてきた能力はこの日のプレーにしっかりと現れていて、1対1になったときの相手との正対の仕方、ゴーなのかステイなのか、取りにいくのか弾くのか、いずれの判断もほぼパーフェクトだった。

 昨季の名古屋は-というよりは、風間監督下は-得点も多ければ失点も…だったが、ランゲラックが5~10点防げるようなら、名古屋のJ1復帰即上位進出も夢ではないと感じた。