ACLでついに決勝までたどり着いた浦和。しかし、来季のACL圏内はまだ遠く、過密日程の中ではあるが勝利が是が非でも欲しいホームゲーム。今季の無冠が決まり、いささかモチベーションを落とし気味のG大阪を相手に勝ち点3を奪えたか。
短評
台風が近づき、風雨ともに強さがある中だが、ピッチコンディションは悪くなく。お互いしっかりとボールをつなぎながら前進していきたい入りとなるが、先に主導権を握ったのは浦和。
G大阪は割と前からプレスをかけ、出来れば中盤で奪ってカウンターという狙いも持っていたが、そこを上手くかいくぐる、あるいは最終ラインからズバッと縦一発を狙うメリハリがしっかりついていて、取りどころを定めさせない。特に興梠、ラファエル シルバの裏取りとパス出しがしっかりリンクしていて、G大阪は難儀な対応を余儀なくされる。しかし、何度かあった決定機をものにできず先手を奪えない。
対するG大阪は、この日中盤の底に抜擢した中原が思うようなパス出しをできず。遠藤や井手口がフォローしながらどうにか組み立てようと試みるも、スムーズさはなかなかでない。30分を過ぎる頃には倉田を中心に若干押し返し、ファン ウィジョが1つ西川を脅かしたが、ネットは揺らせず。前半はあと一歩煮え切らない展開で終えた。
しかし後半、堰を切ったようなゴールショーとなる。端緒はラファエル シルバ。青木が中盤独走で駆け上がり、ワンツーでエリア内に侵入してシュート。これは東口がストップするも、こぼれ球を詰めて押し込み先制。が、そのわずか4分後、G大阪は初瀬のFKをファーサイドで遠藤がうまく折り返し、中でフリーになっていたファン ウィジョが容易く押し込んですぐに追いつく。
それでも浦和は64分、長澤からパスを受けたラファエル シルバがエリアの外から見事なシュートを決めて勝ち越す。も、わずかその3分後、倉田のクロスを赤崎がこれまた見事なボレーシュートで決め、G大阪が再び同点に追いつく。
ただ、浦和は下を向くことなく攻撃を続けると73分、マウリシオからパスを受けた柏木がこれまた中盤独走でボールを運ぶと、興梠が見事なフリーラン。柏木もそこを見逃さずスルーパスを送ると、興梠が冷静にゴールへ流し込んで三度、浦和がリードを奪う。興梠はシーズン20得点目。
さすがにG大阪はダメージが大きく、3枚目で長沢を投入しパワープレーもにらむも、効果的な攻撃を繰り出せず。このまま浦和が勝ち点3を…と思って見ていたアディショナルタイム。この日精度の高いプレースキックを蹴り続けていた初瀬のCK。これまた素晴らしいボールの先にいたのは途中投入されていた呉屋。きれいな形ではなかったがなんとか体で押し込み、G大阪が三度試合を振り出しに戻したところでタイムアップ。浦和にとっては痛い、勝ち点1となった。
MVP:柏木 陽介(浦和)
堀監督に代わり、システムもこのところは4-1-4-1で固定。その中、柏木はインサイドハーフでプレーしているが、先週の神戸戦ではあまりいいところを見せられていなかった(神戸側が上手く消していたとも言えるが)。
しかし、この日はG大阪が4バック+青木に対してプレスをかけるも、柏木、長澤の両インサイドハーフに対してはいささか守備がボケていた。こうなると、柏木はハッスルハッスル。常に前を向いてプレーできていたし、起点になり続けていたし、興梠へ見事なアシストも見せた。
ペトロヴィッチ前監督の頃から中心であることに変わりはないが、毎試合これぐらいのプレーを期待したいし、期待されていい選手。残りの試合でも楽しみにしたい。