続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の50 J1 清水-磐田

 今季3度目の静岡ダービー。磐田はACL圏内を目指し、清水は残留を目指し、意地でも負けられない1戦。次へと繋がる勝ち点3を得たのは。

 

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短評

 清水は典型的な4-4-2のブロックディフェンス、磐田は早めに5バックとする5-4-1と、お互い守備時の立ち位置ははっきり。それに対してお互いパスで崩そうと試みるが、なかなか糸口が見つからず。主導権がどちらにあるとも言えないままの時間が過ぎていく。

 それでもカウンターあるいは裏抜けの部分で、清水のデューク、金子が突ききれなかったのに対し、磐田は立ち上がりからアダイウトンが何度かゴール前に迫っていた。すると27分、スローインからの狭い展開をアダイウトンが川又とのワンツーで打開すると、抜け出したアダイウトンがそのまま二見との1対1を制してゴールネットを揺らし、磐田が先制した。

 その後、清水は攻撃がジリ貧になっていき、磐田はより落ち着いてボールを保持できるようになる。さらに終了間際、松原が高橋に対してラフプレーを行って退場。スコア以上にお互いの空気感に差があるハーフタイムの入りとなった。

 後半。小林監督は金子→清水の交替から4-4-1にシフト。しかし、両サイドにはデュークと北川を残し、同点・逆転を目指す。ただ、シュートにまで持ち込める場面は増えず、守備に切り替わった際も、一足が出ない。

 そこで小林監督は白崎を準備してチームのギアを上げにかかるが、投入直前のCK。中村が放ったボールを角田がまさかのクリアミス。ボールは後ろに転々とこぼれ、いじらしいほどにゆっくりとゴールラインを割って、磐田が突き放す。一方清水とすれば、手を打つ直前の失点。ダメージの大きさは小林監督の表情から伝わってくる。

 さらに磐田は73分、アダイウトンに代わって投入された山田が、なんとファーストタッチでゴールを決める。清水は投入間際に泣き、磐田は投入直後に笑う、試合の流れとはかくも恐ろしいものだと再認識させられる10分間だった。

 その後も清水は諦めずに反撃を試みるが、打つ手は無く。今季3度目の静岡ダービーは、無常にも完成度の違いを如実に目の当たりにさせられた一戦となった。

 

MVP:アダイウトン(磐田)

 磐田は全員がMVPでもいいが、短評でも書いたとおり、お互いのブロックディフェンスが立ち上がりから効果を発揮していた中、それを突き破った個の強さは特筆すべきものだった。

 試合中、解説の興津さんも語っていたが、今の磐田は前プレして後ろにスペースがあれば川又、アダイウトンが個で其のスペースにプレッシャーをかけられ、じゃあ相手の守備が裏を怖がって全体的に下がればしっかりボールも回せる、幅の広さがチームの強さとなっている。どちらもいいからどちらも際立つわけだが、私はアダイウトンの個の強さがチームの幅に好影響を及ぼしていると感じていて、この試合もまさにそういった試合だった。

 

MWP:松原 后(清水)

 確かに前半終了するころには、清水は明確に劣勢に立たされていた。それでも、修正能力に長けた小林監督なら、何か試合を面白くしてくれる手を打ってくれるのではないか?とも感じていた。

 しかし、そんな期待をぶち壊す不用意なラフプレー。言われなくても本人が一番自覚しているだろうが、あまりにも稚拙なプレーだった。