続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の42 J1 G大阪-C大阪

 サマーブレイク明け初戦にいきなりぶつかる大阪の両雄。今一つ乗り切れないまま中団を迎えたG大阪がホームに迎えるは、前半戦わずかに2敗、ここ9試合を8勝1分と突っ走っているC大阪。現状の立場は違えど、目指すは勝利のみ。「大阪夏の陣」を制したのは。

 

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短評

 両チームともアグレッシブに前から取りに行こうという姿勢を見せ合った立ち上がり10分。どちらかといえばG大阪がいい位置でボールを回収し、そこからのカウンターでゴール前に迫るが、主導権を握るまでには至らない。

 その後は暑さも考慮されてかお互い、特にC大阪は自陣でのブロックディフェンスに切り替える。そうなると、当然攻める側はボールをある程度持てて、一転して丁寧な攻め合いになり、G大阪に一日の長があると見ていたが、C大阪もなかなかどうして見ごたえのある攻撃を繰り出す。特に杉本、山村に収まると後ろが一気に押しあがり、両サイドも絡めて場面によってはエリア内に4枚入るシーンも見られるなど、攻守がしっかりリンクしている点は改めて感じられた。

 ただ、思ったほどシュートでスタジアムが沸くシーンは少なく。それはひとえに、G大阪三浦、C大阪ヨニッチ、両センターバックが素晴らしく、最終ラインがこの二人に引っ張られて破綻をきたしていなかったから。結果、非常に締まった見応えがある前半だった。

 後半。さて、どうこの締まった流れの中で展開が動くか?と見ていたが、往々にしてあるミス(というには厳しいかもしれないが…)絡みだった。51分、キム ジンヒョンのゴールキックの流れからファビオの目測誤り、藤春の応対ミスを見逃さずに杉本が決めきり、C大阪が先制する。

 しかし、G大阪はガクッと来るどころか目を覚ましてもらったかように反撃を開始。すると65分、藤春のクロスを新加入のファン ウィジョがヘディングで叩き込み同点に追いつくと、77分には井手口のドンピシャコーナーキックをニアサイドで三浦があわせ、逆サイドネットに突き刺さって勝ち越しに成功した。

 その後C大阪は3バックにして前の人数を増やし、リスクを冒して同点を目指すも86分、カウンターの流れから途中出場していたアデミウソンが決めきって3-1と突き放し、試合終了。G大阪が夏の陣を制した。

 

MVP:三浦 弦太(G大阪)

 ファン ウィジョのアグレッシブさ、タフネスさも非常に印象的だったし、守備における今野の気の利きようったらありゃしなかったが、この日は三浦のゲームだったと思う。

 前半から主に杉本とやりあうシーンが多く、パッと見、直接ボールを奪うようなシーンはそう多くなかったかもしれないが、自由にやらせてしまった場面もほぼ皆無。失点シーンのみ、ファビオとの連携不備もあって中途半端になってしまったが、その後すぐに持ち直し、90分ほぼノーミスで終えた。そのうえ、試合の趨勢を決める逆転弾も叩き込んだとくれば、彼をMVPに推さざるをえないだろう。

 

MWP:ソウザ(C大阪

 前半戦、攻撃陣が躍動できた影には、山口&ソウザの両センターハーフの活躍ぶりがあったことは言うまでもないだろう。そのレベル、その目線でこの試合を見る限りは、満足いくパフォーマンスだったとはいえない。

 10kmを超える走行距離を見せたが縦横無尽、と表現するにはいささか影が薄く、スプリントも10回に留まり、パスミスも目立つなど、攻撃面での貢献は低かったように思う。

 ここからは余談だが、C大阪はベンチの層の厚さがあるとは言えないのが今後のネックだと感じていて、今日のスタメンの大半が「替えが利かない」印象。この試合もアデミウソン投入で勢いが増したG大阪に対し、関口、澤上はほぼ何も出来ずに終わったが、優勝争いを続けて行きたいのであれば、下からの突き上げは必須だろう。