試行錯誤が続きながら、気がつけば首位へ浮上した名古屋。まだまだポジティブな旅路が続く徳島へ乗り込み、勝利を積み重ねられたか。
短評
今日の徳島は、スタート後ろ4枚。3センターハーフにして中を閉めつつ、前線の3枚が果敢にプレッシングをかけると名古屋は窮屈なボール回しを強いられ、攻撃からリズムを作れない。
対する徳島はポゼッションにこだわらず、メリハリの利いた攻撃を展開。長めのボールをカルリーリョスがバシバシ通したかと思えば、短いボールを繋ぐ中では杉本が良い働きを見せ、名古屋守備陣は対応に苦慮。20分台には立て続けに3度チャンスを掴み、ゴールこそ生まれなかったが、シュート数10-2、内容も徳島が圧倒して前半は終了した。
ちなみに、徳島は選手全員が首へ氷を巻いたタオルをかけながらロッカールームへ。試合開始時で20度を超えていたようだが、こうした細かいアプローチを出来ているからこその上位争いなのかな?と感じた。
後半。名古屋は頭から宮原→古林の交代で局面の転換を図るも、引き続き徳島がラッシュ。すると59分、廣瀬のクロスがファーサイドにまで流れると、長い距離を走って詰めていた馬渡が左足で合わせ、ついに徳島が先制。この場面、自陣でボールを回していた際に岩尾が何気ない、けれど素晴らしい縦パスを渡に送ったところから始まった。ハイライトには映らないと思うが、見逃したくないプレーだった。
が、名古屋が瞬く間に反撃。失点の前に投入されていた八反田が右サイドをスルスルと駆け上がりクロス。ファーサイドでシモビッチが落とすと、フェリペ ガルシアが上手い反転からのシュートを決め、同点に追いつく。
その後、一進一退の攻防が続くが78分、フェリペ ガルシアのクロスを永井が見事に点で合わせ、劣勢だった名古屋が先に試合を動かした。しかし84分、敵陣で馬渡が永井からボールを奪うとすぐに前線へボールを送り、渡が杉本とのワンツーで抜け出しシュート。これがネットを揺らし、徳島が同点に追いつく。
その後も徳島は勝ち越しを目指して名古屋ゴールに迫るが、あと一押しが足りずタイムアップ。上位対決は引き分けに終わった。
MVP:馬渡 和彰(徳島)
J2は、Jリーグ公式サイトでは選手個々のトラッキングデータを見ることができないが、恐らく最も走っていたのではないか?というほどあらゆる場面に出没。
ゴールシーンでは逆サイドでボールが繋がっている間に最前線まで顔を出せていたし、2点目に繋がったボールダッシュも敵陣。しかし、自陣でのプレーにも安定感があり、ロドリゲス体制に欠かせない選手となっている。
MWP:杉本 竜士(名古屋)
風間監督下のウイングバックは外に張るだけではなく中へ入りこみ、ボールに絡んでこそ存在感を出せる役割のように見えるが、この日の杉本はノーインパクト。
もちろんチーム全体が(特に前半は)低調であり、そもそも良いボールが入らなかったことはあったが、それでもできることはもっとあったはず。ヴェルディ出身らしいといえばらしい、ムラッ気を見せてしまった感は否めない。