続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の17 J1 川崎-甲府

 ACLとの並行もあってか怪我人の多さに苦しみながらも、勝ち点をしっかりと積み重ねている川崎。対するは開幕からポジティブな戦いを続け、上位陣相手にも臆せず戦えている甲府。等々力でさらに一歩前に進むのは、どちらか。

 

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短評

 味方同士の距離感が良く、細かくボールを繋ぎながら攻めようとする姿勢をお互いが見せる立ち上がりとなったが、まず主導権を握ったのは川崎。左WB登里はタッチライン沿いに張り出したのに対し、右WBハイネルは良い意味でフラフラしていて、甲府守備陣は捕まえられない。

 しかし、サッカーは攻守が表裏一体。ハイネルが空けたスペースをエデル・リマに使うよう吉田監督が指示すると、川崎は右サイドの守備に四苦八苦。また、中の選手が守備のヘルプに行って中が空いたところを兵働が見逃さず、ビルドアップ時も含めて効果的にボールを引き出し始めると、甲府が主導権を握り返す。

 ただ、お互いシュートに結びつく攻撃は少なく、両GKが脅かされたシーンは双方とも2つは無かった印象。ポジティブな面はありながら、あと一歩つきぬけ切れない前半だった。

 後半、川崎は4バックに変更。ハイネルにより攻撃に専念してもらいつつ、裏のスペースもカバーするバランスを取りに行くとこれが奏功し、再び川崎がボールを保持して甲府を自陣に押し込める。

 それでも64分にはCKをハイネルがヘディングし、ボールが流れた先に谷口がフリーであわせるもポスト直撃でゴールならず、69分にはチョン・ソンリョンが負傷により交代するなど、押し出しにまでは至らず。

 試合はこのまま進み、時計の針が90分を回ったその時、自陣でボールを受けたドゥドゥが素晴らしいターンで谷口、三好を振り切り前を向くと、前線へスルーパス。これを受けた河本が新井との1対1を冷静に制し、甲府が待望の先制点を手にする。

 これで試合は決まったかと思われたが、チョン・ソンリョンの負傷もあってアディショナルタイムは7分。その90+3分、中村のCKにファーサイドで奈良がヘディング。弧を描いたループ気味のこのヘディングがネットを揺らし、川崎が追いつく。

 その後も、堰を切ったようにお互い決定機を集中させるが、試合を決める一発は生まれずタイプアップ。熱戦は決着つかず、ドローに終わった。

 

MVP:奈良 竜樹(川崎)

  今季、スタートから好調というか、良いパフォーマンスを継続できている印象を受けていたが、この試合も好内容。

 前半はハイネルのお守りにだいぶ気を割かれる展開となったが、苛立つことなく冷静に対応。後半は攻撃陣がより押し込んだことで守備機会が減り、集中力を保つのが簡単ではない展開だったが大きなミスは見られず、アディショナルタイムには貴重な同点弾も見せた。

 本人は試合後のインタビューで失点に繋がった場面の対応を悔いていたが、それとて奈良を責めるのは酷な場面。心身ともに充実している今、ハリルホジッチ代表監督にどう映っているのか、個人的には気になっている。

 

MWP:小林 悠(川崎)

 開幕から2節連続ゴールを挙げるも、その後4試合沈黙。怪我人過多で2列目の顔ぶれがコロコロ変わっている影響は間違いなくあり、良いボールが供給されていない側面もあるが、この試合に限って言えば、シュートシーン以外でも存在感が希薄だった。