続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の13 J2 福岡-熊本

 2勝1敗とまずまずのスタートを切った福岡。対するは、2試合連続劇的なアディショナルタイム弾で1勝2分とまだ負けがない熊本。バトルオブ九州を制したのは。

 

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短評

 とにかく熊本のアグレッシブさが目立つ立ち上がり。前線から一気呵成にプレスをかけ、福岡の前方向のパスが3本と繋がらないほどの圧力。また、失ったあとの攻→守の切り替えもとにかく早く、複数人で囲みきってボールを奪い返すシーンも多数。繰り返しになるが、とにかく熊本の選手たちのアグレッシブさは目を見張るものだった。

 ただ、前半終了時のスタッツを見ると、パス本数はお互い200本以下で、シュート数は福岡8-4熊本と福岡が上。なるほど、福岡が熊本のファーストプレスをかいくぐった際には、ほとんどシュートまで持ち込めていた印象。この数字・展開が後半の伏線となるとは正直思っていいなかったが、熊本ペースで前半は終えた。

 後半。熊本の運動量が落ちてはいなかったが、福岡が少しプレスをいなす、あるいは割り切って長いボールを使い始めると、54分にCKの流れから冨安がヘディングシュート。これがネットを揺らし、冨安のプロ初ゴールで福岡が先制した。

 それでも熊本はくじけず。前半から左サイドの攻撃が効果的で、何度かチャンスを作れていたが66分、光永のスルーパスに抜け出した片山がファーサイドへ素晴らしいクロスを送ると、巻がドンピシャヘッドを叩き込み、同点に追いつく。

 しかし、72分に黒木が決定機阻止でレッドカードを受けると76分、これまたCKの流れから石津がクロスを上げると、上里に競り勝ったウェリントンがヘディングシュート。素晴らしい高さと強さから放たれたこのシュートでネットを揺らし、福岡が勝ち越しに成功。

 その後も熊本は諦めずに攻撃を仕掛け、福岡はしのぎながら、数的優位を活かしながら攻め、お互いゴール前に迫る場面を作るが、スコアは動かずタイムアップ。終わってみれば、シュート数は福岡14-6熊本。単発感は否めなかったが、効率的に攻められた福岡が3連勝を決めた。

 

MVP:片山 奨典(熊本)

 勝ちには繋がらなかったが、90分間左サイドで躍動。福岡がこのサイドの守備でしっくりこなかった部分もあったが、オーバーラップをかけられればほぼクロスなどでチャンスを創出。中と合わずに終わった場面が多かったのが残念だったが、後半にまきにドンピシャリ合わせるクロスも見せ、福岡側からすれば一番「怖さ」を感じたのではないか。

 

MWP:岩下 敬輔(福岡)

 あらかじめ断っておくが、プレー自体は(採点で言うと)5.5~6.0と悪くない出来だった。

 じゃあ何か?10分に巻との競り合いで岩下の足が巻の顔面に入り、巻がしばらく動けないシーンがあった。映像を見られる人は見て欲しいが、まずもってこの競り合いで足を上げてボールをクリアしに行く判断自体が私は許容できないし、気にかける素振りも見せず、淡々と次への準備をしていたのも嫌だった。

 もちろん、巻が倒れてからの全ての場面が映像に映っていたわけではなく、気にかけるシーンはあったかもしれない。また、岩下自身とすれば問題ないプレーだったかもしれない。そうだったとしても、しばらく動けず、出血し、担架で出される相手に対して何も意思表示をしないのは、果たしてどうなんだろうか?J1のどこかで中指を立ててしまった某選手がいたが、個人的にはそれ以上に違和感と怒りを覚えるシーンだった。