続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

17年Jリーグ観た記 其の12 J1 札幌-広島

 前節J1復帰後初の勝ち点をあげ、ミッドウィークのルヴァンカップでも勝利を奪い、上げ潮な札幌。一方、ルヴァンカップ含めて昨季の中位~下位のチーム相手に2分2敗と勝ち星を上げられていない広島。同じ勝ち点1ながら、印象は対照的な両チームの対戦。

 

f:id:re-donald:20170320114125j:plain

 

短評

 札幌はここまでの3センターハーフではなく、2センターハーフの3-4-3で広島に合わせたミラーゲームで応戦。しかし、広島はもう慣れたもの。自陣からのビルドアップで札幌のプレスをいなし、立ち上がり5分で2度のチャンスを創出。特に右サイドのミキッチは動きにキレがあり、対面の田中は苦戦を強いられた。

 しかし、好事魔多し。12分、カウンターで都倉が上手く裏に抜け出し、GKとの1対1を制して札幌が先制。警戒していた形だったと思うが、都倉の強さにしてやられた格好となった。

 ただ、広島は慌てず攻め続けると、21分にコーナーキックから水本のヘディングで同点に追いつき、その後も両サイドの1対1を中心にシュートを積み重ねていくが、ネットは揺らせず。すると終了間際の44分、福森のフリーキックファーサイドでキム・ミンテが折り返すと、稲垣がクリアしきれずオウンゴールとなり札幌が勝ち越し。ゴールレスが容易に想像された戦前とは異なり、3つのゴールが生まれて前半終了。

 後半になると、広島がより相手陣でボールを保持する時間が増え、札幌は自陣に釘付けになるが、最後のところはやらせず。すると、70分過ぎに広島が攻め疲れたところをついて反撃を開始し、金園や福森がチャンスを得るも決めきれず。お互いやりたいことをぶつけ合いながら時が刻まれる。

 札幌は78分のマセード→荒野の交代で5-4-1にシフト。85分には金園→河合の交代でさらに守備意識を高める。対する広島は攻撃的な選手を立て続けに入れ、ミキッチのクロスやアンデルソン・ロペスのアタックを中心に攻め立てる。お互いの勝ちたい気持ちがぶつかり合った最終盤だったが、上回ったのは札幌の守備。アディショナルタイム5分もしのぎきって、見事J1復帰後初勝利をホームのファンに届けた。

 

MVP:都倉 賢(札幌)

 札幌は全員がタスクを及第点以上にこなせていたし、なんなら個人で言えばミキッチが一番目立っていたとも言える試合だったが、都倉で。

 これで公式戦3戦連発。いずれもチームに勝ち点をもたらすゴールだったし、ハイボールポストプレーの強さは相変わらず。守備でもファーストディフェンダーとしての役割を全うし、文字通り攻守両面でチームを牽引。今後も欠かせない選手であることに疑いの余地は無い。

 

MWP:工藤 壮人(広島)

 チャンス数、シュート数に比例しないゴール数。その原因をどこに求めるかは見ている人それぞれ意見があるだろうが、私は工藤に求めたい。

 ここまで4試合ほぼフル出場でシュートは7本。決して少ないとは思わないし、工藤が作ったスペースにフェリペ・ルイスやアンデルソン・シルバらが入ってきてシュートまで至っている点からも、チームの枠組みには入れているとも言える。

 しかし、(ハイライトも含めて見る限り)1試合に1度ある決定機をことごとく外している点が大きなマイナス。この試合も開始5分にGKと1対1の場面がありながら、ゴールネットを揺らせず。誰のゴールでもいいかもしれないが、工藤のゴールが積み重なっていかないと辛いと感じているので、奮起を期待したい。