続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

17年Jリーグ観た記 其の10 J1 鳥栖-広島

 ともに1分け1敗スタートとなり、初勝利が欲しい両チームの一戦。勝ち点3を手にし、一歩前へ進んだのは鳥栖か、広島か。

 

f:id:re-donald:20170312113835j:plain

 

短評

 広島がボールを握り、鳥栖が守備から入る想定どおりの立ち上がりだったが、鳥栖は予想以上に前からボールを追いかけていた印象。その影響か、広島は10分間で2度、自陣で大きなミスを犯し、冷や汗をかくシーンを強いられた。

 ただし、青山にボールが入れば一気にスイッチオン。中にも外にも鋭いパスを出せていたが、特に左サイドを基点に出来ていて、清水や柴崎にボールが入ったときは可能性のある攻撃を見せられていた。

 一方の広島も、昨年までのイメージと比較すると最終ラインが高く、昨年より前で守備をしようとする意図が見えたが、工藤のファーストプレスが若干弱く、上手く囲めるシーンは作れず。

 では、低く構えたらどうかというと、昨年ほど「狭さ」を相手に感じさせる圧力はなく、ギャップを突かれるシーンがチラホラ。鳥栖がその隙を突いて、ダイアゴナルランやクロスなどでチャンスを上手く作れていたが、広島に良かった頃の安定感を見出せない印象を受けた。

 こうしてやや鳥栖優勢で迎えた44分。敵陣で得たフリーキック、30数mあったと思うが、原川が素晴らしいキックを見せゴールイン。鳥栖が前半のうちにスコアを動かすことに成功した。

 後半、広島は両ウイングバックをより強調して攻撃を仕掛け、左の清水は対面の藤田をやや上回るアタックを見せたが、右のミキッチは吉田がほぼ封殺。ベアスタにヨシダコールが響いたが、素晴らしいディフェンスだった。

 66分には丸谷が2枚目のイエローで退場。試合はより鳥栖優勢に進むと思われたが、フィッカデンティ監督が試合後に「11対10になって受けてしまった」と語ったとおり、自陣で守ろうとする意識が強くなり、ボールホルダーにプレッシャーをかけられず。また、奪ったあとの1つ目、2つ目のパス精度が落ち、すぐにボールを失う場面が増え、広島が息を吹き返す。

 ラスト15分はほぼ鳥栖陣内でゲームが進み、広島のコーナーキックは終わってみれば14本を数えたが、鳥栖守備陣が集中を切らさず、クリーンなシュートは打たせず。フィッカデンティ指揮下らしい「ウノ・ア・ゼロ」で鳥栖が逃げ切り、今季初勝利を収めた。

 

MVP:権田 修一(鳥栖

 吉田と相当悩んだが、権田で。開幕戦は非常に厳しいパフォーマンスに終わり、「欧州行ってなにしてたんや…」と誰かが言ったとか言わないとか。

 しかし、この試合は非常に集中していたし、好セーブも複数見せ、守備陣を締め続けた。FC東京時代、フィッカデンティ監督の下で無失点を積み重ね、鳥栖が上位に進出するためには、この試合のパフォーマンスを続けることが求められるが、権田ならそれが出来る…はず。

 

MWP:丸谷 拓也(広島)

 2枚目のイエローを頂戴したシーンは正直厳しいジャッジだったと思うが、結果として退場。また、その時間までのパフォーマンスも納得できるものではなく、青山を助けることはできなかった。