続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の3 J1 清水-神戸

 1年でJ1復帰を果たした清水。かたや、J1初優勝を虎視眈々と狙う神戸。ほぼ満員となったアイスタで勝利の凱歌をあげたのは。

 

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短評

 4-4-2同士のマッチアップとなり、お互いが立ち上がりから「良いところを出す」よりは「良いところを出させない」試合展開に。

 ともにビルドアップから縦パス、楔のパスを狙うも、自分たちのパス精度の不足と相手守備陣のバランスの良さが重なり、中に基点を作れない時間帯が続く。では外の攻撃はどうかというと、サイドハーフサイドバックが相手陣でボールを持つことはできるもののクロスまでには至らず、30分を過ぎようとするところでも、どちらかが主導権を握っていると言えない状況。結局、前半はこのまま何もなく終了。ともに失ったFWの駒-清水は大前、神戸はペドロ・ジュニオール-の穴を感じずにはいられなかった。

 後半になっても流れは変わらず。神戸はレアンドロが左ひざを痛めプレー続行不可能となるアクシデントがあり、お互い64分に1枚ずつ交代を行うも、代わった選手が流れを変えるには至らず。

 こうなると、往々にしてセットプレーが勝敗を分けがちだが、この試合もご多分に漏れず。71分、田中のコーナーキックを渡部がヘディング。一度は六反がはじいたが、こぼれ球を橋本が押し込み、神戸が先制。

 その後清水は村田、北川と攻撃的な選手を投入し、終盤は犬飼をパワープレー要員として前線に上げるも、神戸ゴールを脅かすには至らず。一方の神戸もオーガナイズ最優先と言ったらいいのか、まったく無理をせずに均衡した展開を壊さないようにゲームを進め、タイムアップ。玄人好み、と言うと聞こえがいいが、正直見所には欠ける開幕戦となった。

 

MVP:藤田 直之(神戸)

 本当は該当なしとしたいくらい、個で目立った選手はいなかった印象もあるなか、強いて選べば藤田か。

 組織がなりよりも押し出されていた試合の中で、全体のバランスを見てニウトンと役割を分担しながら攻守両面で繋ぎ役に徹し、被カウンター時にはタイミングよくポジションを捨てて芽を摘むことが出来ていた。

 優勝するためにはこういった「渋い」勝利も引き寄せていかなければいけないが、其の勝利を引き寄せられるピースとして考えれば、ネルシーニョ監督から見ればありがたい存在となっていけるのではないか。

 

MWP:金子 翔太(清水)

 短評でも書いたが、大前を失い攻撃の再構築を強いられている清水。チョン・テセのパートナーとして開幕戦は金子が指名されたが、全くと言っていいほど大前の穴を埋めるには至らなかった。

 特に気になったのは、「ここで前を向いて欲しい!」あるいは「ここは無理してでも前(縦)に持ち出して欲しい!」というシーンで、終始横や後ろしか選択できなかったこと。全体が前に意識を持てて、相手陣に重心をかけられていて、味方が近くにいる場面ならそうして叩いて、自分も動き直して…でもいいと思うが、お互いが慎重に戦うなか、攻撃にさほど人数をかけられない状況でこれだけ前を向けないとなると、相手からすれば何も怖さはなかったはず。

 白崎も及第点に及ばない出来だったし、野津田もまだ馴染めておらず、2列目がこのパフォーマンスしか出せないのであれば、ゴールは遠くなるばかり。奮起を期待したい。