続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

2017シーズンプレビュー~攻撃妄想篇~

 沖縄での一次キャンプ、そして宮崎での二次キャンプを終えた東京。もちろん、現場に行ってその様子を見に行くことは叶いませんでしたが、ここまで練習試合を7つ重ね、その後の監督・選手コメントにより、なんとなく妄想できる部分が出てきたので、ここらで妄想シーズンプレビューをかましてみたいと思います。

 

 

 まず、練習試合の選手起用を参考に、システムを4-2-3-1と仮定した際の、ポジション別序列の見立てから。

f:id:re-donald:20170214192022p:plain

 GK。怪我さえなければ、林がファーストチョイス。大久保がセカンドチョイスとして有事を支え、廣末・波多野の両若手が虎視眈々、といったところでしょうか。

 DF。森重、丸山、太田までは開幕スタメン当確。セカンドチョイスも吉本、山田、小川がスンナリかと。一方、右サイドバックは徳永と室屋のアピール合戦が続き、どちらになるかは直近の練習などを見なければ判断できないところ。柳は今しばらくJ3で研鑽を積む日々となりそうで、岡崎は一日も早い怪我からの復帰を待つばかりです。

 MF。センターハーフは驚いたことに、梶山と高萩がファーストチョイスの様相。もちろん、橋本が手術明け、米本がリハビリ中、高橋は神戸へ放出と、守備での貢献を期待したい選手が軒並みフルには使えない状況はあり、即戦力として活躍した高萩に篠田監督が期待を寄せるのも分かりますが、梶山が膝の調子含め、(私の)予想以上に仕上がっているということなんでしょう。もちろん、昨季終盤は欠かせない選手となった田邉も指をくわえて黙っているとは思いませんし、鈴木・内田の昇格コンビも、ゴールやアシストで結果を残しているので、思いのほかポジション争いがし烈になりそうな気もしています。佐々木も、何とかここに絡んでほしいですが、個人的にはセカンドトップというか、トップ下でも面白いかなと。

 それは2列目も同じ。練習試合では「左永井・右中島」もしくは「左中島・右河野」が主に見られたコンビですが、もちろん「左永井・右河野」だってあり得るでしょうし、左なら阿部、右ならバーンズも決して見劣りません。石川も復権へ意欲を隠していませんし、平岡もJ1出場への熱意はたぎっているはず。内田はセンターハーフに限らず両サイドハーフもこなせるため、J3では重宝される予感しかありません。セカンドトップは東が二歩ぐらいリードしている印象もありますが、阿部やバーンズも悪くないと思いますし、佐々木がここで「らしさ」を見せてくれたら…というセンチメンタルな期待もあったりします。

 FW。補強の目玉である大久保がファーストチョイス。大久保+セカンドトップでも、前田とコンビを組む形でも、とにかく大久保がメインキャストであることは揺るがないでしょう。インスはJ3やルヴァンカップで結果を残し続ければ、無視できない存在になるかと。

 

 

 さて、ここからは妄想がだいぶ食い込んできますので、予めご承知おきを。昨季終盤の篠田トーキョーは、

攻撃:後方5枚(4バック+センタハーフ1枚)のビルドアップから、前線5枚(センターハーフ1枚+2列目3人+FW)への縦パスがスイッチとなる中央突破

守備:前線からの果敢なプレッシング。それにより生じる精度の低いプレーへのアタック

 ものすごく大まかに書くと、この2つがスタイルとなっていた、というのは昨年の当ブログでも書きました。しかし天皇杯準々決勝、対川崎戦では前線からのプレッシングが全くハマらず、そのうち「前線は追いきれない、でも後方はラインが高いまま」という現象からくるピンチが連続して訪れ、攻撃でも精度の無さなどから効果的な縦パスが入らず、前線の4枚もDFとMFの2ライン間を狙う…と書けば見てくれはいいですが、実際は下りて受けられず、裏抜けもできず、ただフラフラと彷徨うばかりを繰り返し、結果としてスコア以上の完敗を喫しました。

 このことを受けて…かどうかは分かりませんが、チームは実力を備えた出し手(高萩)と受け手(大久保、永井)を補強。顔ぶれは豪華さを増した今季、さてどのようなサッカーを見せてくれるのでしょうか?と考えた時、妄想しがいがあるのは、やはり「大久保の存在」と「梶山・高萩コンビ」の2点になるでしょうか。

 

 SOCIO(東京においては「年間チケットホルダー」と同義)になった2003年以前のことは分からない部分もありますが、歴代の東京のエースストライカーはどちらかというと「ポストプレーもできる基準点タイプ」が多い印象。アマラオ呂比須ワグナー、ルーカス、赤嶺真吾(現岡山)、平山相太(現仙台)、渡邊千真(現神戸)、エドゥ、前田といった感じで。

 もちろん、阿部吉朗のようなピンポイントを狙うタイプだったり、リカルジーニョロベルト・セザーといった小兵ブラジル人だったり、あるいは武藤嘉紀(現マインツ)のような稀有な選手はいましたが、川崎時代の大久保のような「神出鬼没だけど、点取るところにもいられる」タイプのストライカーを迎え入れるのは、東京の歴史上初めてに近いという印象を受けています。

 また、天皇杯を思い起こすと、川崎は大久保が自由に受けに回りながら、小林、登里の前線2人が大久保の明けたスペースを狙い、エウシーニョ、車屋の両サイド…にとどまらず、最終ラインから田坂もオーバーラップを仕掛けてくるなど、常に選手が湧いて出てくるインパクトさがありました。

 

 最前線のFWが流動的で、常に後方から複数の選手が飛び出してくるというと、スパレッティ監督が(今ではなくて約10年前)ローマを率いた際に用いた、トッティを最前線に置いた「ゼロトップ」がすぐに思い起こされます。あるいは最近では、グァルディオラ監督がバルセロナの監督時代、メッシを3トップの真ん中に置きつつ、流動的に振る舞わせることで相手を混乱に陥れた「偽9番」なんて言葉も、メディアで頻繁に用いられました。今季で言うと、アレクシス・サンチェスが覚醒したアーセナルが、前線の流動性を武器にして優勝争いに食い込んでいます。

 いずれの場合も、システムありきで始まったアイデアではなく、その時点でいる選手の特徴や監督が志向するスタイルをプレー原則に落とし込んだ結果として、たまたま最前線に必要だったのがポストプレータイプではなくムービングタイプ――だけど、しっかりとボールも収まるし、そこから反転もできるアジリティもあるタイプ――だったお話し。翻って、大久保というプレーヤーが持つ特性を最大限活かすならば、今季の東京は先に挙げた3チームのようなプレーを攻撃のメインとするべき、と考えるのは、決して誇大妄想ではないはずです。

 

 では、大久保の特性を活かす前提に立った時、どのようなプレー原則が考えられるか?そのカギを握るのは、2列目の3人になるでしょう。

 スパレッティ時代のローマは、2列目にマンシーニ、ペロッタ、タッデイと、縦に突っ込んでいける同タイプの選手を3人並べ、

後方で誰かがボール保持 → トッティが機を見て引いてパスを受けに来て、可能であれば反転して前を向く → 同時に2列目の誰かが、(主に)相手最終ラインにできたギャップを突いて裏に抜け、トッティからスルーパス → フィニッシュへ

 というプレー原則で得点を重ねていました。トッティにボールが入るところがスイッチ、という点では反復プレーと言いますか、オーティマティックなプレーと言えなくもないですが、デ・ロッシアクイラーニの両センターハーフともが縦パスを出せるスキルを持っていた点、そして2列目3人は誰でも同じような動き出しができた点により、どこから出るか分からず、誰が飛び出していくかも分からない、言い換えれば、相手に対して「ワンパターン感」を覚えさせなかったことが破壊力の維持に繋がったと認識しています。

 また、グァルディオラ時代のバルセロナは、両ウイングが大きくタッチライン沿いに開き、相手のサイドバックに自分を意識させることで、相手最終ラインをウイングの高さで「固定」させる。その結果、守備の機動性を奪うことに成功し、メッシが大いに享受できるスペース(主に2ライン間)や、チャビ、イニエスタが好き放題使えるパスコースを生むことができていました。

 

 一方、今季の東京の2列目は、今までのお話に沿って考えると、良くも悪くも多士済々。中島や河野のように狭いスペースも苦にしないドリブラーがいれば、バーンズや阿部のようにスペースで受けながらも前を向いて怖さを見せるアタッカーもいて、東のようにFWから1列下で流動性を発揮する選手がいれば、極めつけはスピード野郎・永井の加入。裏抜けしかできない、とは言いませんが、狭いスペースで勝負するタイプではなく、極端に例えれば1対1の局面を与え続けることでイキイキする印象を私は持っています。

 さて、このタイプの違う多士済々な顔ぶれを、どう大久保とミックスさせていくのか?一番ベタに思いつく顔ぶれ、プレー原則は、

・左に中島、真ん中に東、右に河野を並べ、中島と河野が絞り気味にポジションをとり、大久保も加えた4人が近い距離を取り、重ならないよう意識しながら流動的に動く。

・2ライン間で4人のうち誰かが受け、残る3人のうち受け手に一番近い1人が即座にサポート、もう1人はトライアングルを形成するようなポジションを取り、残る1人は裏を狙うなどトライアングルからのパスの受け手となる。

・相手が絞る動きに対して守備布陣を収縮させ、中が少し窮屈ならば太田と室屋(徳永)がオーバーラップを仕掛ける。

 の3点。図にするとこんな感じ。

f:id:re-donald:20170214193446j:plain

 1点目は、天皇杯では失敗した感もありましたが、4人が近い距離をとりつつ、しかし重ならないようにお互いを意識しあって流動的に動き、相手のマークをずらしながら受けるタイミングを待つ。前田がFWだった際に出来ていなかったわけではありませんが、川崎で得た大久保のスペースを見つける動きそのものが2列目の3人の動きをより舐めらな金物に出来るならば、相手にとってかなりの脅威になるはず。

 その上で、後方からの縦パスを「誰かが」受ける。この「誰かが」がポイントで、大久保が受けてから…ではパターンとしていずれ読まれるので、誰かが、だけど誰でも受けられるよう4人ともが意識し、ボールが入った瞬間に残る3人が前述したような動きを見せることが大事。また、仮に前の4人に入るけど最終パスが出ない際にも、外や後ろに出してやり直すことをスムーズに行うため、トライアングルを作ることは常に意識しておく。これだけでも、だいぶ相手に与える印象は変わってくると思っています。

 ただ、相手も馬鹿じゃないので、2ライン間などのスペースを消しにかかるでしょう。そうしたシーンは昨季もありましたが、昨季は最後までサイドアタックに創意工夫がほぼ見られず、攻撃が手詰まりになるシーンも多く見られました。原因としては、橋本が右サイドバック、徳永や室屋が左サイドバックと、単純に本来のポジションではなかったこともあるでしょうし、サイドアタックにまで戦術が間に合わなかったこともあるでしょう。

 しかし、今季は太田が復帰。そのことで、左サイドバックは大田、小川と左利きが2枚揃う形となり、右利きである室屋、徳永は右サイドバックに専念可能。そうなれば、単純にサイドバックのオーバーラップからのクロスを上げるシーンがより多く見られることは間違いないでしょう。前田以外はヘディングで勝負するタイプこそいませんが、深くえぐれれば太田も室屋も徳永もクラウンダー、あるいはプルバックで中に合わせられるスキルは持ち合わせているので、そこは大きな問題にはならないと見ています。

 

 

 対して、永井を2列目に組み込む場合。練習試合では左サイドハーフに入ることが多く、永井自身も、同サイドでコンビを組む太田も「アイツとはやりやすい」的なコメントを残しています。ただし、二人のコンビネーションが効果を発揮するとすれば、それはタッチライン沿い5m前後のエリアがメインと考えるのが普通で、前述したプレー原則を当てはめるのは、多少無理があるところ。

 であるならば、永井を起用する際は4-2-3-1ではなく中盤逆三角形の4-3-3にして、左永井、右中島or河野orバーンズの両ウイングがタッチライン沿いに張る、グァルディオラ式偽9番スタイルがフィットする可能性も、妄想としては浮かんできます。中盤はアンカーに梶山or鈴木、その前を高萩or田邉、東or橋本が務め、プレー原則は、

・高萩or田邉はアンカーと絡みながら前後左右へパスを振り、東or橋本は下りてくる大久保と入れ替わるぐらいの気持ちで前線に飛び出していく

・両ウイングはスペースを確保しながらタッチライン沿いでスタンバイ。足下でボールを受けたら1対1を仕掛けまくり、逆サイドのウイングはエリア内に入ってクロス待ち。裏抜けして受ける場合は、外から中へ斜めに入っていき、最終ライン裏へのパスを引き出す。

サイドバックはウイングの外ではなく中を駆け上がり、相手サイドバックセンターバックの間を切り裂くようなイメージ。何ならシュートに絡むくらい中に入ってもいい。

 

 の3点。図にするとこんな感じ。

f:id:re-donald:20170214202447j:plain  →  f:id:re-donald:20170214202513j:plain

 ポジションの移動により2-4-4のような形にし、かつ大久保が引いて相手センターバックのマークを外すポジションを取り、サイドはウイング対相手サイドバックの1対1が生まれやすい隊形を取る。

 その上で、足下で受けられれば1対1をゴリゴリしかけ、残る前線の3枚がエリア内に入っていってクロスを待つ。もちろん、1対1のままシュートいければなおよし。足下で受けられない場合は、中盤でのパス回しを見ながら、斜めに裏抜けを狙う。この動きを徹底できれば、それだけで相手は嫌がってくれるでしょうし、外を使うと見せかけて中に、相手陣に人数をかけて迫力を出すことも、イメージしていいのかなと。いずれにせよ、永井を真ん中ではなくサイドで使うのならば、大久保や中島らボールを持てる人をある種の囮にして、広々としたスペースを与えてあげたいと考えます。

 と、いずれの場合も、カギになるのは大久保の動き。3年連続得点王を奪った際は、味方の良さを引き出すような動きを縦横無尽にやりながら、気が付けばまたゴール前にいてゴールに絡むことができていました。昨季はやや味方と合わない場面もありましたが(どこかのWeb記事でそんなインタビューがあったような)、環境が変わり、味方の顔ぶれが変わり、何より川崎時代より2列目の選手のタイプバリエーションは増えた中で、大久保の持つ縦横無尽さ、活かす側にも活かされる側にもなれるIQの高さは、必ずや東京に攻撃の幅を与えてくれるはずです。

 

 

 そんな大久保を含めた前線の選手をより引き立たせるために必要なのが、両センターハーフのプレー。昨季篠田監督は、監督交代して少し経ち、軌道に乗ったかな?というところで、梶山と田邉をセンターハーフに並べる決断を見せました。この起用には賛否両論と言いましょうか、「東京らしい『イケイケ感』があっていいじゃないか」という声と、「さすがに(サイドハーフが中島、河野だったことも含めて)アンバランスすぎるだろう」という声と、両方聞こえてきました。

 私はどちらかと言うと賛成、肯定していた方で、その心は「城福監督時代のモヤモヤを無理にでも吹き飛ばすために必要な劇薬だった」というもの。なので、今季は「米本が戻ってくるまでには時間がかかるだろうけど、橋本の主力機用や鈴木の抜擢含めて、バランスの取れたコンビにしてもいいんじゃないか?と感じています。

 しかし、冒頭でも書いたとおり、練習試合では梶山・高萩のコンビを積極的に起用しています。橋本が90分使えるようになった場合、どのようなチョイスになるかは見ものですが、ここまで主力組(と思われる)スタメンを並べた際に、田邉の名前がないことには、相応の驚きがありました。

 梶山に関しては、今さら取り立て言葉を並べることもないでしょう。一方、高萩に関しては、広島時代のイメージ、そしてFCソウル時代のプレーをほぼ見ていないこともあって、センターハーフのイメージはまだ正直湧いてきません。

 ただ、10~15mのショートパスを出せる順、とだけ考えれば、梶山と高萩がピックアップされる点に異論を唱える人はいないでしょう。長らく東京は中盤の選手、特にセンターハーフ陣のショートパスの凡ミスに課題を抱えてきました。その解決策として昨季獲得したであろうハ・デソンは、残念ながらコンディション面で主力になれないまま放出となりましたが、高萩にはハ・デソンと同等かそれ以上の期待をかけても、かけすぎなことはないでしょう。

 そして、センターハーフ陣のショートパス成功率向上は、割とイコールで、前線でのチャンス創出につながる可能性を、今季の陣容なら秘めています。また、ここまで触れてきたゼロトップないし偽9番が成立するためには、センターハーフからの配給が的確であることが前提となるわけですが、梶山・高萩コンビなら、森重・丸山の存在も含めて、絵に描いた餅に終わってしまう可能性もある程度低く考えていいと考えます。

 

 

 と、ここまで攻撃面で景気の良い内容ばかり書き連ねてきました。楽観的過ぎると言われれば、返す言葉もありませんが、攻撃面においては、近年にないくらい、私の中では期待値が高いです、と言い切ります。では守備面はどうか?練習試合では、一定の成果を挙げているようですが…というお話は、ちょっと長くなってしまったのでまた次のエントリで。シーズン前には、何とかあげたいのですが、果たして(苦笑)