続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

MKA

J1開幕まであと2週間あまり。各チームとも準備に余念がない(はずの)なか、エルゴラッソサッカーダイジェストそれぞれの選手名鑑が発売されました。

 パラパラっとめくった結果、エルゴラッソ発刊のものを購入しましたが、まあ移籍が多いのなんの。シーズン開幕までにきちんと頭に入れられる自信がないほどで、これからじっくり読んで勉強したいと思っていますが、今日はザクッと一瞥したなかで、各チームの「MKA=最も気になるアイツ」を1名ずつ取り上げてみたいと思います。興味のある方は、「あ、こんな見方するヤツもいるんだな」ぐらいの緩い目線でお読みいただけると幸いです。

 

 

北海道コンサドーレ札幌  MF 兵藤 慎剛

 横浜F・マリノス一筋の選手の移籍で言えば、今オフは一にも二にも中村俊輔(→磐田)がクローズアップされるところですが、個人的には同等のインパクトを受けたのが兵藤の移籍。

国見高校3年次には高校3冠を達成し、早稲田大学時代もインカレ優勝やU-20代表、ユニバーシアード代表などで主力として活躍。08年に横浜FMに入団し、1年目から28試合に出場すると、以降不動の主力として6年連続リーグ戦30試合以上出場。一東京ファンとしては、「なんかいつも兵藤にやられている」印象が強く、その高いユーティリティ性と堅実なプレースタイルは、どの監督にとっても重宝される存在…だったはずでした。

 が、15年にエリック・モンバエルツ監督が就任すると、徐々に存在感は希薄となり、昨シーズンはついにリーグ戦出場が18試合止まり。その大半も途中からの出場で、完全に「カップ戦要員」として扱われた印象。さて今季、どうするんでしょうか?と思っていた中で発表されたのが、札幌への移籍でした。

 気付けばもう31歳ですが、衰えは微塵も見えませんし、どうやら札幌では移籍1年目ながら副キャプテンを任されるようで、チームからの期待の高さは一目瞭然。札幌のMF登録選手はO-30が居並び(MF15人の平均年齢は、29.4歳!)、顔ぶれも一癖どころか二癖ある選手ばかりですが、その中でも久々に「やっぱ、いやな選手だわー」と言わされそうな予感しかありません。

 

 

ベガルタ仙台  MF 差波 優人

 私がブックメーカーの胴元で、今季降格するであろうオッズをつけるなら、3倍台を付けざるを得ないのが今季の仙台(ファンの皆様、ごめんなさい)。渡邉監督のもとで、果たしてこれ以上の伸びしろがあるのだろうか…というのはさておき、個人的に今季伸びてほしい!と思っているのが、差波。

 青森山田高校時代、椎名 伸志(富山)と柴崎 岳(テネリフェ)、2人の素晴らしいセンターハーフを先輩に持ちながら、自身も2年次から主力としてプレー。FC東京U-18との試合で高校時代の差波を見たことがあるのですが(確か2試合ほど)、いずれの試合も高い位置でのプレーはセンターハーフでコンビを組む相方にある程度任せつつ、自身は最終ラインも含めたビルドアップのところで仕事をこなし、機を見た縦パスやサイドへのミドルパスは、なかなかに見所があった印象が残っています。

 その後、明治大学を経て、昨季仙台に入団。リーグ戦での出場はゼロに終わりましたが、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で3試合に出場。今も根幹は攻撃にあると思いますが、明治大学時代に培われた身体を張る部分も、それ相応に見せられていたと思っていまして。

 仙台のセンターハーフ陣は富田、三田が中心軸になるでしょうけど、いずれも球出しに長けているタイプとまでは言えず、藤村も現状は帯に短し…という印象。じゃあリャン・ヨンギセンターハーフで起用すると、どうしても前の威力が落ちますし、渡邉監督がビルドアップの部分に関してどのようなイメージを持っているかは不明ですが、ある程度のつなぎをチームに求めるならば、今季は差波の出番が増えてもおかしくないと感じています。母校の後輩(DF常田)も入ってきて、いいところ見せたいでしょうしね。

 

 

鹿島アントラーズ  MF 小笠原 満男

 まず、全体のスカッドで言うと、鹿島は大卒が少ない印象。特に生え抜きで大卒なのは赤﨑ぐらいなもので、あとは軒並み高卒or鹿島ユースからの昇格ばかり。即戦力以外は18歳から「鹿島イズム」を叩き込み、飲み込めた選手だけが生え抜きとして生き残っていくサバイバル術は、良し悪しはあれど、他のクラブには真似できない印象しかありません。

 そんな生え抜きの象徴として、そして、黄金期を知るベテランとしていまだに絶大な存在感を放っているのが、小笠原(と曽ヶ端)。しかし、昨季終盤は永木に出番を譲る試合も増え始め、今季チームはレオ・シルバを獲得。柴崎がスペインに渡りましたが、永木&レオ・シルバが主力センターハーフコンビとしてシーズンフル稼働しても全く驚かない状況となりました。チームとしては、三竿の台頭にも期待しているでしょうし。

 ただ、すぐに今季、小笠原の出番が激減するとは思っていません。絶対的な運動量など、フィジカルの低下には逆らえないでしょうけど、その他の部分でまだまだ問題なく主力たる説得力を出せるでしょうし。一方で、実力で乗り越えられたと小笠原自身が感じるのならば、それは鹿島の伝統に沿った流れであるとも言えます。

今季終了後、小笠原がどのような立場にいるのか?それは、韓国屈指のGKであるクォン・スンテとの競争になる曽ヶ端にも同じことが言えますが、正直羨ましいとも思えるベテランと中堅・若手のまっとうな競争の結果を、よそ者としてはただ、楽しみにしていたいところです。

 

 

浦和レッズ  MF 矢島 慎也

 生え抜きを粘り強く育てられている代表クラブが鹿島だとすれば、その真逆にいるクラブが浦和。なんせ、今季のスカッドで生え抜きと言えるのが関根ぐらいしかいないわけですから。

 矢島も、世間からすれば「岡山の選手」というイメージでしょう。11年にユースから昇格するも、4年間でリーグ戦出場はわずか12試合にとどまった一方、岡山では2年間で72試合13ゴールと結果を残し続け、先のリオ五輪にも出場したわけですから。

 で、今までであればこのまま片道切符となるのが、浦和というクラブのやり方だと思っていました。どうやら、G大阪からもオファーがあったようですし。しかし、矢島は浦和への復帰を熱望し、クラブも放出という決断は下しませんでした。

 ポジション争いは、まあ熾烈です。柏木、阿部、青木、遠藤。誰がスタメンでもそん色なく、J1での経験値は、現状及ぶべくもありません。それでも、埼玉で生まれ、ジュニアユース時代から浦和で育った矢島が、関根と並んでポジションを奪えるのならば――私の中のセンチメンタルな私が「浦和もまだ、こんな側面があるんだな」と感じるのではないでしょうか。

 

 

大宮アルディージャ  FW 大前 元紀

 毎年、驚くような移籍があるわけですが、大前の移籍は「ファッ!?と声を出してしまうランキング」を作れば、過去5年さかのぼってもトップ3に入るレベルで驚きました、私は。

 過去の経緯や今回いわゆる「0円移籍」だったことを踏まえ、賛否両論巻き起こっているようです。私の中のドライな私は「清水側は契約延長を打診した模様。けど、大前と折り合いがつかなかった。そこに目を付けた大宮が声をかけて、大前が受け容れた。以上!」と感じていて、声を出すぐらい驚きはしましたが「まあ、そんなこともあるよね」程度に受け止めています。

 さて、そんな大前が大宮で活躍できるのか?ですが、私は半信半疑ならぬ「三信七疑」という見立て。なにせ、家長(→川崎)と泉澤(→G大阪)の放出はあまりにも痛手で。長谷川(←湘南)、茨田(←柏)とチャンスメイクできる選手は補強しましたが、家長や泉澤が見せていたインパクトに及ぶかは疑問で、昨季ほどチャンスが巡ってこないと思っているので。

 とは言え、これはあくまでも「ゴールゲッター」としての評価で、大前自身はワイドもトップ下もこなせるユーティリティ差があり、ゴール以外の面でチームに貢献もできる選手。大宮公式サイト上の自身紹介ページには「得点王に挑む」と直筆で力強く書かれていますが、そんなに肩ひじ張らずにやったらいいんじゃない?というのは、余計なお世話でしょうか。

 

 

柏レイソル  MF 中川 寛人

 移籍のIN・OUTをザーッと見た時に、思わず「これで大丈夫なの?」と思ってしまったチームが3つありまして、横浜FM、清水、そして柏(新潟も…か?)。まあ、柏は「純血主義+外国人助っ人」みたいに振り切った印象もあるので、これかこれでいいのかもしれませんが。

 そんな純血軍団の中で注目しているのが、中川。プロフィール上は155cm。余談ですが、私の妻とほぼ同じくらいでして、U-18時代に初めて見た時には、プレーの切れ味も相まって「こういう選手がプロでも活躍できるのなら、夢がある世界だよなぁ、サッカーも」と感じた記憶があります。

 めでたく(?)13年にU-18から昇格しましたが、今度はなんと「入団、即レンタル」で湘南へ移るというトピックスを提供。そんなこんながありながら昨季、U-18時代に薫陶を受けた下平監督がトップチーム監督に就任したことも受けつつ出場機会を大幅に伸ばし、今期は主力としての活躍も期待されている印象です。

 そんな「中川様」について、J SPORTSの土屋さんが取材されたエントリがありまして。私はこのエントリでより、中川に興味を持ったところなので、紹介に代えて是非ご一読いただければと。

www.jsports.co.jp

 

 

FC東京  

  後日、シーズンレビュー的なエントリ(仮)で書きます。

 

 

川崎フロンターレ  DF 舞行龍 ジェームス

 風間体制が5年目を持って終焉し、鬼木体制1年目となる今季。大幅にチームカラーが替わるとは思いませんが、プレー原則がどこまでマイナーチェンジされるのか、よそ者としては大いに興味があるところ。

 そんな風間体制最終年となった昨季、とにかく印象的だったのがCB陣。攻撃に人数をかけ、相手陣に躊躇なく選手を入れていくやり方の中で、後ろは数的同数でカバーしていたシーンも少なくありませんでした。ただ、居並ぶ谷口、エドゥアルド、奈良らCB陣は、とにかく「マンカバーの強さ」を前面に押し出し、懸命に「攻撃的」なチームカラーを下支えしていました。

 そこへ今季、舞行龍が加わると聞いて、私なんかは「そうだよなぁ、そうだよなぁ!」と一人臍をかんでいます。スピードに関してはいささか不安がありますが(新潟より確実に、川崎は最終ライン高いでしょうし)、高さと強さは現在のJ1DFの中でも上位レベル。晒された中でシンプルに「1対1で止める」仕事をさせた際に、新潟時代を上回るパフォーマンスを出したとしても、全く不思議ありません。そして、舞行龍が額面通り戦力となった場合、川崎の「攻撃」はより、脅威を増すような気もしています。

 

 

横浜F・マリノス  MF 扇原 貴宏

 1番も9番も11番も、ともすれば10番すらも不在のままシーズンをスタートしかねなかった今オフの動きは、あまりにもネガティブな印象しか残せなかった横浜FM。あまりにドラスティックなシティグループのやり方が――もしかしたら数年後奏功している可能性がゼロとは言いませんが――今季に関してはプラスを見出すことが難しい状況の中、果たしてどういう結果がまっているやら。

 そんなチーム同様、昨季迷走気味だったのが扇原。10年にC大阪U-18から昇格して以降年々出場機会を伸ばし、13年にはA代表でもプレー。左足から放たれる長短のパスでチームをコントロールする姿に、将来を期待した人も多かったと思います。

 しかし、私は14年の中盤戦以降からでしょうか、なんか「思ったほど成長度が上がりきらないなぁ」と感じ始めまして。何が、と言われると明確には答えられませんが、何かプレーのリズムが悪い意味で一定になってしまって攻撃面で違いを出せず、そもそもフィジカルは弱い方なので守備面でも目立てず、結果「並みのプレー」に終わる試合が増えた印象。そこに来て、昨季はシーズン途中に名古屋に移籍するも、怪我によりほぼプレーできず、リーグ戦は年間通して6試合の出場にとどまりました。

 良かったころのプレーを見せられれば、センターハーフの層の薄さが目立つ今季のスカッドにあっては、十分に中心となれる可能性は秘めていると思います。果たして、このまま早熟に終わるのか?はたまた、モンバエルツ監督に見初められ、混迷にあるチームの中で、自身とともにV字回復に持っていけるのか?胸突き八丁なシーズンになるとみています。

 

 

ヴァンフォーレ甲府  MF 堀米 勇輝

 残留したシーズンで言えば、勝ち点、勝利数、得点数はワーストだった昨季。それでも5年連続のJ1を迎える今季、吉田新監督を招聘し、どのようなスタイルを見せてくれるのか。引いて守ってカウンターがベースになることはないでしょうから、アグレッシブな若手の台頭に期待を寄せるシーズンになるのかなと。

 そして、その旗頭として注目したいのが堀米。09年、いわゆる「プラチナ世代」が臨んだU-17W杯で主力として全試合に出場。一部では「甲府の至宝」として嘱望され、10年には高校3年生ながらプロ契約でトップチームへ昇格。熊本や愛媛へのレンタル移籍を経ながら、16年には京都へ完全移籍。攻撃陣の中心としてそのセンスをいかんなく発揮し、チーム内得点王にも輝きました。

 が、わずか1年で甲府が再度、完全移籍で獲得。当然、京都からの契約延長打診もあったでしょう。しかし、ユース時代からお世話になったクラブから届いた最大限の評価に対し、堀米本人としても、思うところはあったはず。

甲府と言えば3バックですが、吉田監督と言えば4-1-4-1(4-3-3)。前者ならウイングバックもしくは2シャドーの1角、後者なら左サイドハーフが主戦場になるかと思いますが、いずれにせよどこにせよ、吉田イズムを体現するために必要なスキルは備えている印象で、私はスカッドを見て「堀米(と兵藤とウィルソン)が期待値以下なら降格」とさえ思っているので、そのプレーぶりには注目していきたいです。

 

 

アルビレックス新潟  MF 加藤 大

 昨季の主力をごっそりと持っていかれた今オフ。新潟と言えばそんなイメージが定着した感もありますが、今オフはセンターラインを持っていかれてしまった印象で、さすがに降格候補に名を挙げざるを得ないところ。

 そんな今季のチームを任された三浦新監督。なんとなく新潟から失われつつある「実直さ」を取り戻すべく、その手腕に期待する方もいらっしゃると思いますが、選手でその「実直さ」を体現できる1番手を挙げるならば、加藤でしょうか。

 10年に三菱養和SCユースから加入。愛媛へのレンタル移籍を挟み、14年から再び新潟でプレーしていますが、14年 6試合→15年 20試合→16年 28試合と年々出場機会を伸ばし、今では欠かせぬ戦力となりました。

 持ち味は、何といっても運動量。Jリーグ公式サイトでは、15年以降走行距離やスプリントのデータを見ることができますが、1試合の走行距離ランキングトップ20を見てみると15年は5回、16年は何と半数の10回もランクイン。個人的には、高橋やキム・ミヌ鳥栖)がすんごい走っていた印象が強かったんですけど、高橋は3回、キム・ミヌはランクインなし。「印象とデータは結び付かないなあ」と思いつつ、だからこそ余計に加藤に走りっぷりは感嘆すべきものだと思います。

 無理やり世界のプレーヤーになぞらえるならば…ディルク・カイトか、パク・チソンか。ただ、彼らのように名を残すために必要なのは、ゴール&アシスト。加藤と言えば「頑張る→ゴール前にフッと顔出してフリー→シュートがバイ~ン」というイメージがあり、このバイ~ンが歓喜にいくつかでも変われば、代表だって夢じゃないかと。目指せ、5ゴール以上!(ただし、東京戦を除く)

 

 

清水エスパルス  FW チョン・テセ

 めでたく1年でJ1に復帰しましたが、今オフの動きは低調の一言。スリム化を図ったと言えば聞こえはいいですが、新潟同様センターラインの主力を複数手放してしまった、かつ、グッとくる即戦力の補強ゼロとなると、不安が先行しても仕方ないかなと。

 そんな中で早々に残留を掴み取るとすれば、この男の活躍なしには考えられません。そう、チョン・テセです。これまでの経歴を改めて紹介する必要はないですし、J2では規格外だとは思っていましたが、それでも昨季の26ゴールは圧巻の数字。来月で33歳になりますが、フィジカル面はいまだにDFからすれば脅威でしかなく、今季もまたうなされる…じゃないや、唸らされるプレーを数多く見られるかと思うと、ある意味ワクワクします。

 大前がチームを離れ、テセにマークが集中することは容易に想像されます。それでも彼が個人の力で得点を重ねていけるようなら清水は侮れないチームになるでしょうし、重ねていけない場合は「惜しい」止まりの可能性が高まるでしょう。小林監督が、テセに「取らせる」チーム作りをするのか、それともテセに「あえて目を向けさせる」チーム作りをするのか、ひそかに注目しています。

 

 

ジュビロ磐田  MF 中村 俊輔

 昨季は名波監督が重ねて言ってきた「勝ち点40」を達成できなかったものの、何とか残留を手にした磐田。迎えた今オフ、INよりOUTの方が多いですけど、こちらは清水と違ってうまくスリム化した印象。それはやはり、INの顔ぶれが十分ファンを納得させられるだけのものだったから。

 その象徴となるのが、中村。昨季の稼働ぶりだけを見ると、果たしてどこまでシーズン全体を通して戦力たり得るか、不透明な部分もあります。しかし、小林祐希ヘーレンフェーンに渡り、司令塔不在となったセカンドステージで1勝しか挙げられなかった。このマイナスを埋めるためには、やはり司令塔が必要だったのだと思います。

 出し手として、面白い顔ぶれはそろっていると思います。太田、アダイウトンはスペースに飛び出せるので、彼らに向けたロングボールが見られるでしょうし、松浦、山本、松本あたりは狭いスペースに入り込ませたうえでびしっとしたショートパスが活きるでしょう。また、前線には川又が加入し、齋藤、小川と三者三様のFW陣に向けて、気の利いたパスが送られるシーンは多く見られるはず。さらに、中村に相手の目が集まることで,後方に控える川辺、上田、宮崎らセンターハーフ陣が思わぬ仕事ぶりを見せてくれる可能性だってあるでしょう。

 年齢だけ考えれば、磐田で数シーズンプレーし、引退となるはず。そんなキャリア晩年を、これまた日本屈指の司令塔であった名波監督のもとで過ごす。この2ショットを、楽しまない手はありません。

 

 

ガンバ大阪  DF ファビオ

 先日、どのクラブよりも早く公式戦(ACLプレーオフ)を戦ったG大阪。思えば1年前、東京もいの一番で快勝したなぁ…というのはさておき、見事3-0で勝利し、ACL出場を決めたG大阪。昨季はルヴァンカップ準優勝こそありますが、久々の無冠に終わり、今年は捲土重来を期すシーズンとなります。

 補強は、正直「U-23の底上げ」がまず目につくほど若手を多く獲得しましたが、昨季の泣き所でもあったCBに三浦、ファビオの二人を獲得。二人ともACLプレーオフではスタメンフル出場となりましたが、私の注目はファビオで。

 当時関東1部だった相模原から飛び飛び飛び級ぐらいで横浜FMが獲得した際には驚きの声も上がりましたが、徐々に経験を積み、15年にはCB兼センターハーフとして33試合に出場。昨季は故障もあって出場機会を減らしましたが、身体能力やポテンシャルは抜群。パートナーを選ばない親和性の高さもありますし、G大阪が上位に絡んでいくためには、欠かせない戦力だと見ています。

 

 

セレッソ大阪  MF 清武 弘嗣

 ようやくの、と言った方がいいんだと思いますが、3年ぶりのJ1復帰。しかし、代表クラスを複数抱える中位以上のスカッドは確保していて、後ろがある程度安定すれば、優勝を狙うチームにとっては厄介極まりない相手となるでしょう。

 そんなC大阪のラストピースとして、急転直下舞い戻ってきたのが清武。現在の日本代表でも本田や香川を差し置いて攻撃の中心になっているといっても過言ではなく、コンディションの問題やユン・ジョンファン監督のサッカーとの齟齬さえなければ、間違いなく活躍するでしょう。

 …これ以上、あんまり話も膨らまないんですが(苦笑)、ただただ、東京戦以外で頑張って、代表でも頑張ってほしい、それだけです。

 

 

ヴィッセル神戸  MF 高橋 秀人

 バルセロナの胸スポンサーに決まるなど、サッカー界でその名を売って生きたい狙いがありありと見える楽天。そんな楽天を親会社に持つ神戸は、今オフも積極的に動き、確実に層の厚みは増したように写ります。このスカッドを、ネルシーニョ監督がどう活かしていくのか、注目せざるを得ません。

 そんな中、気になるのはやはりタカヒデ先生。何て言うんでしょう、とにかく気になります。東京から巣立っていった選手は、一部の例外を除いてみんな気になるんですけど、私の中では茂庭以来、「本当に出て行った先で報われてほしい」と思っているのが高橋。

 即戦力として請われているでしょうけど、ポジションを奪えるかは分かりません。ライバルはセンターハーフなら藤田、ニウトン、田中、三原、センターバックなら岩波、伊野波、渡部、北本と多士済々ですから。1シーズン終わってみれば、結局東京時代と同じ「困った時にちょっとよろしくお願いします」って役割になっているかもしれません。でも、飛び出していったからこそ得た何かを、シーズン終了後に高橋から見て取れたら、ちょっと泣いてしまうかもしれません。それぐらい、気にかけていたいと思います。

 

 

サンフレッチェ広島  MF 青山 敏弘

 エルゴラ選手名鑑では「過渡期を迎えた森保体制6年目」と謳われましたが、やり方は全く変わらないものの、昨季は見せ場なく年間6位で終え、今オフもIN・OUTは6名ずつと最小限にとどまり、次の一歩がどこにあるのか?確かに見えているような見えていないような、それが広島の現状なのかもしれません。

 そんな昨季、青山は個人としてもパフォーマンスが上がりませんでした。今、日本のセンターハーフの中で一番好きな選手は?と問われれば、私は青山と答えるぐらい、青山の一挙手一投足にシビれているんですが、昨季は揮いませんでした。

 自身の低調が即、チームの順位を下げるほど影響力がある選手はそういないと思いますが、青山はまさにそんな選手。広島の結果が動向というのは正直どうでもいいんですが、青山がイキイキと、楽しそうにプレーする姿は見たいのが願い。心の底から、またいい頃の青山を、ぜひとも。

 

 

サガン鳥栖  GK 権田 修一

 フィッカデンティ体制2年目。1年目は就任が急に決まったこともあってスカッドには不満があったのか、今オフは期限付きも含めて大量に放出した一方、各ポジションにお眼鏡に叶った実力者を迎え入れ、飛躍を期するシーズンインとなりました。

 そんな中飛び込んできたのが、権田の加入。FC東京と話し合いの末、契約解除という形でチームを離れて欧州移籍を模索する中、決まった移籍先はまさかの鳥栖。まあ、GKが2名しかいないままキャンプに突入したのは、ある程度「アテ」があったとしか思えず、東京を離れた時点でこの移籍の可能性が微妙にあるな、とは思っていましたが、それでもいざ決まると…やはりいい気はしません。

 とはいえ、実力は担保されていて、林を東京に明け渡した穴埋めとしては合格点。奇しくも、フィッカデンティ時代に権田がチームを去ってから東京は安定さを欠いたことを考えれば、フィッカデンティ監督としても、満足の補強でしょう。

 東京戦、ブーイングは避けられません。ただ、それを屁とも思わないぐらい、ポーカーフェイスでやり過ごす。そんな姿を見たいような、見たくないような。