続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

場つなぎな妄想~3-1-4-2編~

 先日アップしましたこちらのエントリ。

re-donald.hatenablog.com

 そのまとめで、こんなことを書きました。

4-1-4-1が上手く機能しているが故に「当てはめづらい選手」が明確に浮かび上がってきているとも思っていまして。その象徴が、外国人トリオ。

(中略)

(これは完全に推測ですが)4-4-2で活きると思って獲得したであろう彼らが、4-1-4-1ではハマる(使える)ポジションがないんですよ。

(中略)

 彼らを使え!と言っているわけではありません。ただ、4-1-4-1への変化があまりにドンピシャリだったため、今ここでスタートポジションを4-4-2に戻すことは考えづらく、また、4-1-4-1においてキーとなる選手は1人や2人ではなく、彼らが欠けた際の善後策を考えた時、外国人トリオ(や平山)が現時点でのメインキャストをしのぐほどのプレーを見せてくれることのメリットは計り知れないわけで。

守備のプレー原則を崩さず、守備の耐久性をいかに保ちつつ攻撃にもう少し幅を出していけるのか?それとも、あくまで守備ありきを前面に押し出していくのか?――「スタートライン」にようやく戻ったチーム、城福監督に出された次の設問に対する答えを、6月は追いかけていけたらいいなぁと思っています。

  こんな書き方をしたもので、しばらーく様子見して5連戦が終わったあたりになんかまた書けたら…と思っていましたが、去る日曜日の練習試合でなにやら興味深い形にトライしたようで、今日はその字面から大きく妄想を膨らませた番外編エントリです。練習試合を全く見ていない、本当にただの妄想なので、ゆるゆるお読みいただけたらこれ幸い。

 

 

 妄想の取っ掛かりとなったのは、「ワッショイ兄やん」こと後藤勝さんの有料コラム内で触れられていた「3-1-4-2」。栃木との練習試合、スタートは今のベースになっている4-1-4-1だったようですが、2本目では以下のような形でゲームを行ったとのこと。

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 いつか3バックにトライするとは思っていましたが、いきなりこのタイミングでってのがまずビックリしましたし、Jでよく見る3-4-2-1ではなく、3-1-4-2にトライしたのがこれまたビックリしたことが、妄想スタートの取っ掛かり。で、栃木戦でどういうサッカーをイメージして城福監督がプレーさせたか、選手たちがプレーしたかは試合を見ていないので知る由もありませんが、字面だけで私がパッとイメージしたのが、「コンテ時代(主に12-13シーズン)のユベントス」でした。

 アントニオ・コンテが監督として名を馳せたのはユベントス就任以降でしたが、ユベントス就任のきっかけとなったのがシエナ時代。4-2-4という変則的なスタイルを用い、とにかく前から、とにかくアグレッシブに、とにかく全員で戦うことをチームに要求したなかでセリエA昇格を手にし、その結果を置き土産にユベントスの監督へ就任しました。その更に前、バーリを率いていた際にもそんなスタイルでしたっけね。

 そんなユベントス就任当初、ユベントスでも4-2-4を用いて戦おうとした時期がありましたが、結果はうまくいかず。その後、たどり着いた一つ目の結論がこの3-1-4-2でしたが、この決断をさせた理由として私が当時思ったのが「4-2-4の残り香」「ピルロの存在」「3バックの個人戦術の高さ・堅牢さ」の3つでした。

 ものすごーくざっくりと書きますが、コンテの4-2-4は、4-4-2で言うところのサイドハーフを2トップとほぼ同じ高さにまで上げ、相手が4バックだとした場合に攻撃では数的同数を作り、守備では切り替えの早さも活かして前線からマンツーマン気味にプレスに入ることを主な狙いとしたと認識しています。

 しかし、このやり方をシステマティックにする鍵はセンターハーフ。攻撃では4トップをサポートし、時には追い越してフィニッシャーとなりながら、守備では前線からのプレッシングに加担しつつ、そこをかいくぐられた際にはプレスバックして4バックのヘルプをしなければならず、高いインテンシティと冷静な戦況把握能力を求められます。当時からマルキジオ、ヴィダル、ポグバなどそれができる選手がいましたが、一方で稀代のレジスタピルロはこのシステムで活きる、活かされるポジションはありませんでした。

 そんな、一見すると並立し得ない4-2-4とピルロですが、両ウイングバックを2トップと同じ高さまで持っていき、両インサイドハーフが4-2-4のセンターハーフと同じ動きをする。方や、その後ろでピルロをアンカー起用し、早い攻めができなかった場合や自陣からのスタート(ビルドアップ)時にその力を遺憾なく発揮してもらう。そんな、双方の良さを殺さずにやれる戦い方はないものか?と思案した結果生まれたのが、3-1-4-2だったのかなと思っています。

 また、そのアイデアを可能にしたのが3バック。バルザーリボヌッチキエッリーニが揃って健在であれば、という条件付きではありましたが、一人ひとりの個人戦術がハイレベルで、3人のユニットで見てもチャレンジ&カバーなどに隙がないこの3人+ブッフォンが後ろに控えているからこそ、ピルロの起用に二の足を踏むことはなかったでしょうし、ハイプレッシング戦術を取ることもできたのかなと。

 

 と、前置きが長くなりましたが、私はこの3-1-4-2、結構スイートスポットを突いたアイデアだと思ったんですよね。テーマは「効率的なアクション」「外国人選手の起用」の2つ。

 城福監督が就任後に何度も口にしてきた「アクション」。この言葉が何を指すか、明確に示されたことはないと思っているんですが、守備を携えて底を脱し、守備をベースに戦っていく中で、ただ単に引いて構えて守るのではなく、前から行くんだ!という意識と行動をアクションと呼ぶのであれば、前線が4枚気味になって相手の最終ラインにアタックをかけやすくなるこの形はうってつけ。

 また、この先暑さとの戦いが待ち受けるなか、相手陣に人数をかけておくことで、攻→守の切り替え後数秒フルパワーを出して相手にアタックをかけるやり方ができるこの形は、動きの質と瞬間的な強さを求められる一方で、スムーズにやれれば動きの量や走行距離を抑えることが(理論上は)でき、夏場の戦いに向いている印象も抱けます。

 そして何より、4-1-4-1では組み込みづらいハ・デソン、バーンズ、ムリキを無理なく11人に組み込めるんですよ。ハ・デソンはそれこそピルロの役割を担ってもらい、アンカーとして起用。丸山、高橋、森重(吉本)の3枚をユーベの3枚と比較するのはあまりにもおこがましいですが、とにかく頑張ってもらいます(笑)

 また、バーンズ、ムリキは2トップの1角で起用し、攻撃ではそのスキルを遺憾なく発揮してもらいつつ、守備では切り替えの数秒だけ、自分に近いセンターバック(場合によってはセンターハーフ)にチェックをかけることだけを頑張ってもらい、その先にボールが行った後は、いい意味でサボってもらう(攻め残る)ことで、攻撃のエネルギーを残してもらう。プレスバックの必要があるならば、前田に頑張ってもらいましょう。こっそり書くと、2トップなら平山起用も目がありますし。

 他にポジション目を転じると、インサイドハーフはこのところ絶妙のコンビネーションを見せている羽生・米本が基本線も、飛び出していってゴールに絡む動きができる橋本や、いい意味で縦の速さへアクセントを打てる田邉の起用も面白いでしょう。ウイングバックは徳永・駒野の守備重視安定感コンビをとるか、水沼・小川の攻撃重視イケイケタイプをとるか、これは相手やシチュエーションによって使い分けたらいいのではないでしょうか。

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 本来は、より3-1-4-2の良さや狙いをダラダラ書いて、より妄想を膨らませていきたいところですが、今日はこの辺で。

 再開後もしばらくは4-1-4-1がベースとなるのは間違いなく、オプションがどのような形になり、いつお目見えするかは分かりませんが、いつか4-1-4-1が上手く対策される場面は出てくるはず。その時に「こんな手もあるんだよ!」って見せつけてくれることを心待ちにしていますし、またなんか思いついたら、適当に妄想してみようかなぁとも思っています。