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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

それでも、届かない。だけど、やり続ける。

FC東京ユース

 なんと、U−18に関してエントリを書くのは、今年はこれが初めて。(自分が出不精なせいも含めて)今季はここまで6、7試合しか見ることができておらず、思うところはありながらもなかなか…という点と、そもそもブログに継続性がなくなって、文章書けなくなっている点とが合わせ技1本となって、これといったものを出せずにいました(今までこれ!と思って書いていたやつも、大したものではないんですが)。ただ、せっかく2週連続でゲームを見ることができたので、ちょっと久々につらつら書いてみようと思います。


 11/1、Jユースカップ準々決勝、対ヴィッセル神戸U−18戦。U−18Aチームの試合を見るのは、7/26名古屋グランパスU18戦(クラブユース選手権ラウンド16 ●1−5)以来約3か月ぶり。果たして、最近のAチームは何がどうなっているのか全く分からないまま試合を眺めていたわけですが、終わってから率直に感じたのは、

 というものでした。もう少し具体的に掘り下げますと、この日のスタメン・配置は



 でした。3−4−3自体は比較的継続して用いられていたと思いますが、私なりに夏までとの違いを挙げるとするならば、「ウイングバックの高さにより、守備・攻撃時のベースポジションをはっきりと作っていた
点。守備時には両ウイングバックが明確に3バックと横並びになり、2シャドーが少し幅を持ったポジションを取る5−4−1に、一方攻撃時には両ウイングバックが(左右で異なるものの)ある程度の高さにベースを取り、2シャドーは1トップにきっちり絡めるようなところまで絞る3−4−2−1に、という感じで、システムの肝は両ウイングバックが担っていた印象を受けました。そうしてベースポジションが明確になっていることにより、特に守備において全体の動きがだいぶシステマティックになっていたのかなと。
 ことさらプレスをかける局面では、まず10佐藤がスイッチ役となりボールホルダー(主にCB)へアタック。そこで相手が横パスを選択したなら、少し外に開いた8大熊、20生地(途中からは24内田)の2シャドーがすぐにチェックに入り、パスコースを消しに行く。それでも繋いでくるならば、中へのボールなら7安倍、25鈴木の両センターハーフが、外へのボールなら3小山、44岡庭の両ウイングバックがカバーに入り、4渡辺、5柳、23岡崎の3バックに歪みが及ばないようにする。長いボールを蹴ってくれば、まずは3バックがしっかりと対応に入り、セカンドボール拾いを周りが怠らない、といった流れが完全に出来上がっていて、チーム全体がだいぶ贅肉が削がれた、無駄のない動きを見せられていた印象を受けました。
 さらに、さらに印象的だったのは、鈴木が中盤で何度もボールを奪えていた点。守備が下手…というわけではないけれど、明らかに持ち味が攻撃にある鈴木が、さほど無理をせずに(≒そこまでベースポジションから外れることなく)ボールホルダーに対してアタックできていたこと自体、チームディフェンスがうまくいっていた証左だと言えますし、(2シャドーの頑張りも含めて)中盤の守備が7安倍におんぶに抱っこではなくなっていたことは、見ていて凄く頼もしかったなと思います。
 それでも神戸も、5東の冷静な配球、4藤谷の攻め上がり、3トップの下(中盤正三角形の頂点)で上手く東京守備陣のポイントを外しながらボールを受け、巧みに前を向けていた44中坂、推進力のあった11永澤らを中心にボールを動かし、うまく網の目をかいくぐってシュートチャンスにつなげるシーンはいくつかありました。ただ、そこに立ちはだかったのが1山口。18〜20分に見せた2つのビッグセーブ――強烈なミドルシュート&CKからのヘディングを、ともに右手1本でかき出した――は間違いなくチームを救い、ゲームを締まったものにしてくれました。大きな特長であるコーチングは、この日も声高らかに観客席まで届いていましたしね。また、1週前の3回戦、対大宮戦で得ていたであろう「繋いでくる相手に対する守り方が十分に通用した手ごたえ」がチームの自信になっていたのかな?とも感じました。大宮戦を見ていないので、これは想像の域を出ませんが。


 一方、攻撃に目を転じると、これまた特徴的だったのがウイングバックの位置・役割。左の小山はやや低めにベースを置きながら、バランスを見つつ(保ちつつ)出ていく、右の岡庭は(良くも悪くも、でしたが)高い位置を取り、積極的に攻撃に絡む、という役割分担がきっちりとなされていました。その動きと絡むように3バックの両ストッパーも、右の柳は岡庭をうまくコントロールしながら自分も積極的にオーバーラップする、左の岡崎はそんな右肩上がりを意識したカバーポジションを取りつつ、(インターセプトからの)パスで攻撃に貢献する、といった具合に、明確に役割が異なっていました。
 そうやって外にしっかりとポイントを置けることで、攻撃のパターンが増え、厚みが増していたこともまた、夏からの進化だったかなと思いますし、神戸守備陣にある程度のプレッシャーを与えられていたとも思いました。そもそも、今年の前線は「高さ勝負では分が悪く、けれど背負って受ける技術はある面々が揃い踏み(まあ、元来FC東京ユースはそんなタイプの前線が多いわけですが)。夏前に見ていた試合でも外からの攻撃がなかったわけではありませんが、サイドを突破しようとする第一手は「前線3枚の誰かが流れる形」が多く、やや攻撃のパターンが少なかった印象がありました。また、前線の選手が流れることで当然中の人数が減り、そこへのサポートの動きもあと一歩足りず、どうしても「単発感
が否めませんでした。
 しかし、この試合ではウイングバックを意図的に絡めた複数のパターンでアウトサイドから攻め込めていたことにより、得点にこそ繋がらなかったものの、厚みのある攻撃ができていました。特に前半終了間際の決定機――右で展開を作りながら左に繋げ、ペナルティエリアの角で3人が絡むパスワークで完全に崩し、小山のクロスを佐藤がフリーでシュートを放つもクロスバー直撃――は、(少なくとも私が)今季これまでに見たことがない形でしたし、3回戦の大宮戦、岡庭の先制ゴールはハイライトでは見ていましたが、神戸戦の戦いぶりを見ながら「あぁ、そういうゴールも生まれるよな」と妙に納得したところもあります。
 そうして生まれた決勝ゴール。殊勲の安倍は「あまり覚えていないがゴール前に走りこんでいた」と語っていましたが、この本能・無意識といったものが意識への強い刷り込みから来たものだとすれば、それは攻撃面の構築をはかることに成功した証と言ってもいいはず。「負ける気がしなかった」だなんて口が裂けても言えない展開でしたが、「説得力のある勝ち方だった」という言い方には、多くの方が賛同していただけるのでは?と思っていて、それが冒頭のツイートにもつながった次第です。


 こうして、予想以上の期待を胸に携え、迎えた準決勝、対名古屋グランパスU18戦。名古屋も準々決勝は劇的な形――アディショナルタイムでの決勝ゴール――で勝利をもぎ取り、東京側から見れば、夏のクラブユース選手権ラウンド16(名古屋が5−1で勝利)の雪辱を期すべく臨んだ一戦。試合は予想通り、いや、予想以上に白熱した試合となりました。詳細な展開は東京オフィシャルサイトをご覧いただくとして、立ち上がり5分に岡庭がファーストシュートを放った瞬間、個人的には「うん、今日もいけそうな気がする」と思いましたし、勢いそのままに先制点を奪った時には、震えるような喜びが湧き起こってきました。
 しかし、名古屋は準々決勝で見た時よりも、相当にしたたかでした。パターンで括るならば、「最終ラインからのロングボール」か「隙を見ての縦パススイッチ」の2つに攻撃が集約されていた印象ですが、出し手のボールの質、受け手の動き出し・トラップの質、チーム全体の緩急の質、このいずれもが高いレベルにあり、東京守備陣からすれば「いつ刺されてもおかしくない」緊張感や怖さを、時間の経過とともに徐々に、しかし確実に背負わされていたように見えました。実際同点ゴールは、4川崎の縦パスを7柴田がペナルティエリア前で受け、そこに食いついた渡辺は触れず、柴田は10森に冷静に叩いて、フリーとなった森がシュート。一度は山口が弾くも、詰めていた12深掘が押し込むという「隙を見ての縦パススイッチ」が起点となったゴールでした。また、東京がある程度プレスをかけてくることも織り込み済みだったのかロングボールも効果的で、シンプルに裏を取られるシーンが前半だけで2、3度あったり、神戸戦では守備の肝になっていた安倍、鈴木の両センターハーフが守備の焦点をぼやかされて肝になりきれなかったりと、失点こそ1で食い止めましたが、かなり冷や汗をかかされてしまいました。
 それは、東京の攻撃陣に対峙した守備陣も同じ。基本形は完全にブロックディフェンスで、全体がコンパクトネスに保たれスライドもサボらず、「いかにもな4−4−2のブロックだなぁ…」と嘆息させられるくらい、なかなか効果的なスペースを与えてもらえません。特に森と9北野の2トップの動き方が秀逸で、変に食いつくでもなく、しかし漠然と立ち位置を取るわけでもなく、常に正しい動きをすることで東京の3バックはほぼ完全に縦パスのコースを消され、やむなくウイングバックや少し高い位置で受けたストッパーに横パスが入ったところで、一気にプレスのスイッチオン。複数人がボールを取り囲み、ボールを奪ったりパスミスを誘ったりして、難なくマイボールにする局面が何度も見られました。
 さらに、神戸戦と比べてビルドアップの局面におけるボールの質が悪く、特にボールスピードが上がらなかったことで相手に引っ掛かってカウンターを許す場面が、前半だけで3度ほど。困ったときの最終ラインからの対角へのロングボールも前半は不発で、鈴木も規律のとれた相手ブロックの中でボールを引き出せず。オフィシャルのレポートにあるように、前半の後半は左サイドがやや活性化したものの、ゴールの匂いをスタンドに届けるまでには至らなかった、と私は感じました。その流れは後半に入っても変わらず、2失点目はまん真ん中で大熊がボールコントロールをミスしボールロスト。そこからのカウンターで、最後は森の個人技に屈した流れでした。もちろん、大熊のボールロストは痛恨でしたが、その前の守備で大熊にボールを「入れさせる」形を作り、まんまとそうさせた名古屋守備陣の勝ちとも言えるもの。ここは、素直に相手を褒めるしかない場面だったと思います。
 ともすれば、これで流れが名古屋に一気に、それこそ夏のクラ戦のように行ってもおかしくない、そうなる可能性を秘めたゴールでしたが、それを瀬戸際で食い止めたのは、エース佐藤でした。攻撃ではオフィシャルのレポート通り、失点直後に複数回シュートまで持ち込むシーンを作り、守備でも疲労が色濃く見え始めるも、最後まで足を止めず果敢にアタックし続けます。その気持ちに後ろの選手もうまく乗り、徐々にボールを中盤で引っかけてカウンター発動、というシーンが見られるようになり、終了間際には安倍が自ら奪ったボールを単騎で50mほど運んでシュートを放つなど、あと一歩までの気迫を見せます。
 しかし、時間は刻々と進み、掲げられたアディショナルタイムは3分。もはや万事休すか…と思いましたが、エースが土壇場でゲームを振り出しに戻します。相手のスローインをカットした小山が、そのままクリアにも見えるロングボールを前線へ。このボールに対していち早く落下点に入った佐藤は、26青山を背負ってブロックしながら絶妙な左足のトラップでヘルプに入った川崎もろとも引き剥がすと、そのままドリブル開始。食い下がる青山がちょっかいを出し、逆サイドからは11吹ヶがヘルプに入り、GKの21加藤は強気にゴールを外して前に出る。一見、まったくシュートコースが無いように見えるこのシチュエーションで、佐藤が選択したのは…なんとまさかの――だけど、冷静になればいかにも佐藤らしい――ループシュート!この放物線がネットを揺らした瞬間、東京側のスタンドが沸点に達したのは言うまでもなく。あまりにも劇的なゴールで試合は延長戦にもつれました(実は、アディショナルタイムにもう一度ループシュートを放つも、それは残念〜はご愛嬌)。
 その延長前半すぐに生まれたゴールは、左ウイングバックの小山のクロスを(大熊を挟んで)右ウイングバックの途中出場2相原が決めたもの。前述したとおり、夏からの進化をウイングバックに見ていた私にとっては、大袈裟ではなく泣きそうになったくらい、見事なゴールに映りました。この試合全体で見ると、ウイングバックは名古屋守備陣の「狙いどころ」の一つにされていた印象があり、小山はそれでも互角にやれていた一方、岡庭は5分のオープニングシュートを頂点として、徐々に存在感を消されてしまっていました。そんな中、Jユースカップで出番を失っていた相原が、短い時間ながらこうやって結果を残したことは、チームの誰一人落ちていない証拠になったとともに、3年の意地を見せてもらった気がしました。その後も東京が攻め続け、アディショナルタイムには24内田が決定機をつかむもシュートはポストに当たり、跳ね返ったボールもGKの(おそらく)かかとか足裏に当たってクリアのような形になりノーゴール、なんでだよ!というシーンで延長前半は終了。残り10分しのげば決勝。いやがおうにも、期待は高まります。
 が、しかし。名古屋は延長後半開始わずか18秒で追いつきます。最終ラインからのフィードを、前線にポジション変更していた(現地では全く気付かなかったけど)吹ヶがヘディングで落とすと森が反応するも触れず、ボールは一度流れます。後ろにいた岡崎は、そんな森の動きにつられたのかクリアできず、さらに後ろ流れたボールを34杉田が中へ戻すと、これを受けた森が冷静に山口との1対1を制してネットを揺らしました。吹ヶを最前線に挙げていた名古屋ベンチ陣の好判断もありましたが、その吹ヶに対して競りに行けなかったこと、そして(酷な言い方ですが)岡崎が処理の判断に迷ったこと、さらに(酷な言い方ですが)山口が身体を広げてシュートコースを消しきれなかったこと。まあ、冷静になれば失点に繋がる3つの事象があった場面でしたが、あの瞬間はそこまで分かるはずもなく、ただただショックが大きかったかなと。PK戦は…17伊藤が甘いシュートを止められ、柳は加藤のファインセーブに会い、一方の名古屋は4人ともが厳しいコースに決め切り、ジ・エンド。ここで、夢が潰える結果となりました。


 毎年、「このメンバーに勝たせてやりたい」と思います。選手たちの頑張りは、そう思わせてくれます。冒頭に書いたとおり、今季はほとんど試合を見ることができず、私がU−18の試合を見始めてから最も少ない気がします。だけど…なのか、その分…なのかは分かりませんが、この2試合で「ここまで完成形に近づいたチームになれたんだな」と感じましたし、「それでも届かないのか…」という意味の悔しさは、未だに拭い去れていません。
 何が足りなかったのか。テクニックなのか、フィジカルなのか、メンタルなのか、ラックだったのか。何かが決定的に足りなかったとは決して思わないですが、これだ!という点を、正直私は挙げることができません。スポーツでも、人生でも、時に敗因が明確に見えないことがあるのは分かっています。分かっているつもりです。そして、そういった時にどう振る舞うかが大事なんだぞ、としたり顔で言う人がいます。だけど、今回はどう振る舞うべきなのか、それもよく分かりません。
 ただ、それでも1つだけ殊勝に言わせてもらうとするならば…「やり続けるしかない」でしょうか。時々、「努力は報われるのか?」という問いを見聞きすることがあります。これに対する答えはいろいろあるんでしょうけど、私は「報われない時もある。だけど、無駄にはならない。
と、自戒も込めて答えるようにしています。今回のように、やってきたことを出し切っても結果を得られない時はあります(出し切ったかどうかは選手に聞いてみないと分かりませんけど)。けれど、努力して積み上げてきたテクニックが、一つの敗戦で失われはしません。鍛え、走り抜いてきたフィジカルが、一つの敗戦で廃れはしません。喜怒哀楽に揉まれてきたメンタルが、一つの敗戦で廃れきりはしません。これまでの努力が、一つの敗戦で否定され、無駄になりはしません。ともすれば、甘い戯言に聞こえる人がいるかもしれません。でも、私からすればそんな方には、「無駄にはならないと信じ続け、報われないかもしれない恐怖と戦いながら、諦めがつくまでやり続ける」ことのどこが甘ったれてんの?とお言葉を返したいなと。
 話を戻して。試合後、佐藤監督は「この(プレミアリーグ残り)3試合は非常に重要な位置づけとして戦っていきたい
と語り、選手たちも各々モチベーションを持って、最後までやり続けたいと意思表示してくれました。ならば私たちは、そんな選手たちを目に焼き付けておくほかに、すべきことはないでしょう。それでも届かなかった事実を受け止め、だけど各々が次につなげてやり続ける姿を。


 さて、残り3試合の日程を見てみるか。まずは…11/22だと!?トップチームのホーム最終戦と丸被りやんけ!さすがに、チャンピオンシップ出場がかかったこの試合は外せないなぁ。次は…え!?11/29だと!?妻とおデートする約束を、もう何カ月も前から入れてるわ〜。当たり前に、妻優先だわ〜。
 ………というわけでU−18の諸君、12/6の最終節、青森山田高校戦(通称『俺ダービー』)でまた会おう!