続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

第13節 採点

 かつて、とある上司からこんな言葉をかけていただいたことがありました。

「勉強できる人、テストで高得点を取れる人」は世の中にごまんといる。けれど、「頭の良い人」はそんなに多くない。君は、後者を目指して頑張りなさい。

 短大卒、大卒、経験者採用など自分より学のある人が割合的には圧倒的に多いこの仕事に高卒で就職し、しかも田舎から東京へ来て間もない中、(当たり前といえば当たり前ですが)右も左も分からないまま「あぁ、これからどうなっていくんだろうか?どうしていけばいいのか?」とモヤモヤしたものが心を覆っていた頃、上司の方にその思いを相談したところ返ってきた言葉です。「頭が良い、って具体的にどんなことを指すのですか?」と更に聞くと、

それは、自分で考えなさい。それを考えることもまた「頭の良さ」につながっていくし、自分で考えて結論にたどり着くことが大事なんだ。

 という答えが返ってきました。その後、自分なりに考えて、自分なりの答えを出し、それに向かって四苦八苦しながら、右往左往しながら今日までいろいろやってきたつもりです。


 なぜ、こんな書き出しから始めたかというと、2−3で敗れた鹿島戦をスタジアムで見て、終了のホイッスルが鳴り、帰りのバスの中でふとこの言葉を思い出したから。そして、今のFC東京にはこの「頭の良さ」が足りないと痛感させられたからです。
 書き出しの言葉をサッカーに当てはめたとして、これを読んでくださった皆さんがどう咀嚼するかはお任せしますが、例えば「勉強ができる=代表へ選出される」という言い換えをすると、東京は「勉強ができる人が多いチーム」であることは間違いありません。権田、徳永、太田、高橋、米本、東、アーリア、渡邉、石川、李、平山とA代表(候補合宿含む)に召集された経験のある選手が名を連ね、チャンも韓国A代表で、森重も近い将来絶対呼ばれる器の選手と揃いに揃っていますから。もちろん、代表に呼ばれるのは監督の好みであったり、その時代表が置かれた状況であったりタイミングであったり、諸々の要素が複合的に絡み合うものではあります。しかし、監督のお眼鏡にかなうスキルがあり、(代表監督からすれば、代表選手を選出するにあたって)テストの場である普段のリーグ戦で高得点を出し続けていることがその前提としてあるわけで、贔屓目抜きに、上記の選手たちがその時々で代表に選ばれていることはプレーを継続して見ていれば十分説得力を持ちうるものですし、高いレベルにあることは疑う必要がないと言えます。
 一方、「頭の良さ」とは何か?これも皆さん、いろんな考え方があるかと思いますが、私が思いつくだけ挙げるとすると、今がどんな局面なのかを冷静に見極める状況判断力、常に次を予測する想像力、その予測から生まれる、いくつかある選択肢の中からベストを見つけて即座にプレーにつなげる実行力、思い通りに行かないときに、切り替えて別の目線から解決策を探る戦術的柔軟性、アクシデンタルな場面でも瞬時に切り替えられる臨機応変さ、かつてあった失敗やミスを分析し、改善に向かっていく学習能力、どんな状況でも慌てない落ち着き、図太くプレーできる肝の強さ、喜怒哀楽を巧みに使い分けて味方を鼓舞し、相手のリズムを崩す表現力など、頭、身体、心、いろんな側面において、たくさんの要素がこのフレーズに込められていると考えています。
 では、今の東京に「頭の良い人」はどれぐらいいるのか?その問いに対する答えをこの鹿島戦の直後にするならば、「誰もいない」としか言いようがありません。上手くいっているときにクレバーなプレーを見せることや、思い通りに進んでいる時に次々良いアイデアが浮かぶのは、往々にしてあることだし、多くの選手ができることです。けれど、森重が試合後に

みんな、パニックみたいになっていた。そこで「ああしよう、こうしよう」と自分たちが(改善策を)見付ける作業をしないといけなかった。後半はそれが修正できずに、ズルズルといってしまった。監督の指示だったり、ベンチから見ている選手や、戦っている選手たちが何をすべきか、一つでも提案できれば良かった。

 とコメントしたとおり、この試合では誰もが上で書いたような「頭の良さ」を見せて流れを取り戻すきっかけになれませんでした。また、前半の良さはどう見るの?と問われれば、事前の予習が完全にハマり、ブラド先生の教えも忠実にこなしたまでで、それこそ「勉強できる人」の典型とも言えるのかなと。
 湘南戦と同じ2−3。かつ、リードを奪った展開をひっくり返され、その要因は「ミス」によるもの。これだけを取れば似たような敗戦に見えます。しかし、湘南戦のような、あるいは鹿島戦でも3失点目のような「勉強できる人が時折やらかすチョンボ」は、単純に次はやらないように努力してもらう、あるいは次に違う判断をしてもらうというお話しで済み、ある意味でスパッと割り切れる、諦めがつく面もあります。けれど、鹿島戦の後半の入り方、あるいは磐田戦の前半、鳥栖戦の最終盤、仙台戦の後半のような、無為無策のまま攻め込まれ、全く耐え切れずに短時間で複数失点を喫してしまう「勉強はできるけど、応用が全く利かない」シーンを繰り返し見せられるのはあまりにも後味が悪いし、正直もうたくさんです。懲り懲りです。お腹一杯です。じゃあ、何でいつまでFC東京というチームは「頭の良いチーム」になれないのか?それは…また別の機会に、もう少し深く考えてみたいと思っています。意見がある程度まとまった形でここにアップできるかは分かりませんけど。では、本分である採点です。