続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

強烈な危機感

 今日は2本立て。もう、書ける気力や時間のあるときに書いてしまわないと!という勢い任せなのだ(笑) それと、おそらく今シーズンはU−18のゲームを見に行くのが精一杯だと思います。もちろん、万難排せれば関東リーグを戦うU−15深川、東京都全都リーグを戦うU−15むさしの試合を見に行きたいとは思っていますが、それでもU−18などとうまくハシゴできる場合とか、このカードだけはマスト!という試合に限られるのかなと。本来はたくさん試合を見させてもらって、たくさん紹介したいと思っていますが、事情(体力とも言うw)がそれを許さないことがあるのも大人の世界。そのあたりは皆さんにお任せ〜。


 というわけで去る日曜日、日立柏総合グラウンドへ柏U−18対東京U−18を見に行ってきました。東京U−18の動く姿を見るのは、2/16に行われた東京都クラブユース新人戦以来。「リニューアルオープン」となる今シーズンのスタートとも言える1週前の関東プリンスリーグ開幕戦、対川崎U−18戦は4−1と快勝しており、世代別代表クラスを複数抱え、満を持して関東プリンス1部まで昇格してきた柏U−18を相手にどこまでやれるのか、期待と不安を等しく抱きながらキックオフ。まずはスタメンから。なお、柏の方がしっかりとしたメモを取らずに書いているので、間違いがありましたら即座にご指摘ください。ってか、きっと間違えてます(苦笑

東京U−18



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柏U−18



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 東京は前節体調不良者続出でベンチ含めてかなりフレッシュなメンバーを起用していましたが、この試合は現状のほぼベストメンバーっぽい感じ(アバウトすぎてごめんw)。一方の柏は世代別代表でもある8中川がベンチスタート(小さい怪我があったそうです)。コリャびっくりでございました。


 試合の立ち上がり、主導権を握ったのは東京でした。CBが大きくサイドに開いてSBを押し上げ、CB+アンカーの秋野でゆったりと、しかし常に前向きにボールを回しながら、空いている選手が入れば見逃さずにしっかりと足下にボールを入れ、また受けた選手はスッと前を向いて空いている選手を探して足下に入れて…を丁寧に、ハイレベルに繰り返す柏に対して、岩田と斎藤の2トップのコース限定、中盤4枚の連動、そして、相手の3トップに対するマークをハッキリさせるといったゾーンではなく人を守るやり方がバッチリはまり、攻撃も今シーズンから標榜するポゼッション主体ではなく、奪ったらとにかく前を見て、縦に早く鋭く攻める伝統の形で柏守備陣を慌てさせることに成功。常に相手陣でプレーすることがでたことでコンパクトさも保てていましたし、二瓶のドリブル、川上の「レーザービーム」(これを書きたかった!)、岩田のポストプレーなど個でも全く見劣りすることなく戦えていたと思います。
 ただ、ここでゴールを取りきれなかったのが…というのがサッカーあるある。25分を迎えるあたりから東京がプレッシングの勢いを(「あえて」と「ハイペースがたたって」の両面あると思いますが)減退させてやや受ける守備を始めたことと、柏が東京の人に対して当たる守り方に慣れ始め、あえて誰かがおとりの走りをして空けたスペースに別の誰かが入っていくことによりフリーでボールを受ける回数が増え始め、なかなか中盤でボールを止めきれないシーンが増えていきました。そして、柏から見てそれが実ったのが33分。最終ラインから割とあっさり秋野にボールが入り、秋野は一つも澱みのないトラップ&ターンから縦パスを吉川へ。これを受けた吉川も流れを止めることなく瞬時にトップの川島にボールを送ると、川島は冷静に馬場との1対1を制してゲットゴール。起点のパス含めてわずか3本、カウンターではなかったのにたった10秒あまりで挙げたゴールでしたが、その一閃ぶりがこのシーンにおけるチーム全体のイメージ共有を物語っている、敵ながら天晴れの流れでした。このゴール後からさらに東京は「どこで取るのか?」というイメージがチーム内でぼやけてしまい、後追いの守備を強いられることに。仮に低い位置で人数をかけて奪えても、柏の切り替えの早さ、奪われた直後からのディフェンスによりボールを繋ぐことができず。何とか吉田、青木の献身的なオーバーラップとそこに対する川上のパスで局面の打開を図ろうとしますが、相手を怖がらせるにまでは至らず。かなり苦しい印象を持ったまま前半は終了しました。


 後半。いきなりキックオフからのファーストプレーでシュートまで持ち込まれますが、それでも守備面は前から仕掛けるところと仕掛けずに我慢するところの判断がハーフタイムで整理され、立ち上がりから十数分は「回させている」時間帯を強いることもできていました。しかし、攻撃では低い位置からの繋ぎが不発。柏の高い位置からのプレッシャーに負けて短いパスがずれる、あるいはトラップがずれるなどして間合いを詰められ、苦しい体勢で次のプレーに向かわなければならないために常にどこかで引っかかってしまい、クリーンな攻撃でシュートまで持ち込むことができません。そんな停滞を先に嫌ったのは柏の下平監督。スタメンを外れていた中川をピッチに送り込み、フラフラしていた主導権を握りにかかります。一方の本吉監督も直後に伊藤→小泉、斎藤→矢島と2枚替え。前線からのプレッシングに必要な運動量を回復させるとともに、ある程度中盤は省略してでも矢島に当てて…という意図を私は感じました。
 こうなると大事なのは次の1点。それをものにしたのは柏でした。中川投入でさらに中盤に流動性が生まれ、じわじわと東京を後ろに追いやると、72分にコーナーキックの流れから生まれたフワッとしたクロスを中谷が強引に頭でねじ込みました。ニアサイドに上手く寄せられてしまい、ファーサイドで相手を1人フリーにしてしまったことで生まれたクロスからのヘディングで、こういう試合展開の中ではもったいないと言わざるを得ない、やや残念な失点でした。そして直後の73分、五勝出と柳澤の間でのパスミスを見逃さなかった吉川が高い位置でボールを奪うと、そのままドリブルで馬場も交わして無人のゴールへ流し込み0−3。電光石火の追加点で勝負をほぼ決めました。東京もアディショナルタイムに岸が中村との1対1の場面を迎えますが、中村が完璧な対応でこれをストップし、ここで試合終了。柏にとっては新しいカテゴリーでの初戦となる試合を、持ち味を存分に出し切ってモノにしました。


 私は2/16以降練習も試合も見に行っておらず、丸々2ヶ月ぶりに見たので何とも言えないところはありますが、この試合における「完成度の違い」だけは、誰が見ても異論の余地がないのかなと。東京はまだまだ攻撃面での狙いをチームで共有し切れておらず、3、4人が絡んで崩すシーンがほぼなかったのに対し、柏は1点目に象徴されるように常に複数人が絡んで攻撃の勢いを出すことができていましたから。確かに、東京が主導権を握る時間帯はありました。しかし、それの源となったのは昨シーズン以前までに選手の血肉となった戦い方やスキルによるもので、それを失ってはいけないと思いつつ、ビルドアップのところで引っかかり続ける攻撃を見ていて、歯がゆい思いは相当積もりました。
 今は、相当キツイ時期にあることは理解しています。トップチームとスタイルを一にし、トップチームで通用する選手を育てていきたいという方針の下で、昨シーズンとまでは180度真逆といっていいことに挑んでいるわけですし、そもそも、スタイルを一にすべきトップチームが現在進行形でチームをバージョンアップさせている段階にあって、じゃあU−18はどのように色を出していけばいいのか、正直絵を描きづらいと思っているので。それでも、トップチームとは異なり、立ち上げから約3ヶ月経った段階でまだこの完成度に留まっていること、誰が中心で、どこがメインで攻撃を組み立てていくのかがおぼろげなイメージにとどまっていることは、今後に向けて不安を強く持たざるを得ないところ。もちろん、そうは見てない方もいるでしょうし、川崎戦や前半の立ち上がりのようなシーンからいい所をしっかりと見つけ、明るさを感じている方もいるでしょう。それを否定するつもりは全くありませんが、久々に見ることとなった私にとって、この試合は課題をもらったという前向きな言葉で締めることができない、やや厳しい目線で評するしかないものだったと感じています。