続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

馬鹿みたいに気が早く、阿呆みたい主観的な妄想

 天皇杯の頂を見た翌日から、堰を切ったように続々と発表されたIN&OUT。まだ実は良く分かっていないA契約枠絡みの動きや空いている外国人枠をどうするかなど、まだ動く可能性はあると思いますが、それでも大枠はこれで決まったと思うので、ここで妄想をぶっ放してみようかと。こういうのは先取りして言ったもん勝ちなところもあるのでw


 まずは、ポジション別の状況から。それぞれ以下のとおりです。

GK…塩田、権田、廣永、常澤
CB…森重、平松、吉本、加賀、チャン、丸山
右SB…徳永、中村
左SB…椋原、太田
ボランチ…高橋、米本、梶山、下田、幸野、橋本
右SH…石川、河野
左SH…田邉、谷澤
トップ下…羽生、大竹、アーリア
FW…セザー、平山、ルーカス、重松、渡邉、林

 GKは権田がU-23で不在となることが今年より増えると想定されますが、塩田が代役以上のプレーを見せてくれるでしょうし、廣永、常澤も虎視眈々と出番を伺いながら日々研鑽してくれるはずで、質・量ともに十分。ここは他チームが否応なしに羨むべきポジションとなりそうです。
 DF。まずはやはり今野、ノースの移籍による森重の相棒CBは誰に?という点に注目が集まるでしょう。実績で言えば当然ファーストチョイスは加賀。2010年には練習試合で頚椎骨折という選手生命すら脅かす大怪我を負いましたが、昨季は完全復活。瞬間のスピードで相手へのアタックやカバーリングができ、元FWということで攻撃的なメンタリティーも十分なので、ポポヴィッチ監督が標榜するであろうサッカーや森重との相性は悪くないと思いますが、問題は彼の本職が森重と同じ右ストッパーだという点。同じCBだから右も左も関係なくね?と思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、利き足や視野によって一瞬の判断を求められる際の体の使い方やプレー選択−例えば、相手選手の初速で振り切られそうになった場合にどちらの足がスッと出るのか−が異なり、レベルが高い舞台になればなるほどごまかしが利かなくなって、結局ピンチを招いたりファウルになったりすることが往々にしてあるんですよ。その点で言えば、もしチャンの本職が左ストッパーなのであれば(チャンのことよく知らない(苦笑))加賀より重宝される可能性が高いですし、左利きの丸山がいきなりポジションを奪う可能性だって多いにあるでしょう。また、器用な森重が左ストッパーに…ということになれば、岐阜では右ストッパーをしていた吉本にもチャンスが巡ってくるかも。そうでなくとも、今年吉本は勝負の年になるでしょうね。平松は…まずは怪我の完治目指して。というか、一番の期待でもあり懸念でもあるのが「森重代表招集」。まあ、東京ファンの多くは今年こそザッケローニ監督の目に留まる(留まってしまう)と思っているでしょうし、私も選ばれて当然ぐらいに思っていて、いつその日が来るのか楽しみにしているところですが、しかし基本的には代表戦とJ1の試合が重なって…ということはないものの、J1、カップ戦、代表の掛け持ちは当然ながら容易ではなく、蓄積疲労や怪我が心配されます。今季森重が不在となることは、昨季のそれとは比較できないほどの大ダメージ。しかも、森重の相棒がしっかりと確立されてない上でそれが起こってしまってはさぁ大変。スクランブルになれば徳永や高橋のCB起用も仕方ないとは言いながら、できればそれは避けたい(それぞれ本職でフルに戦って欲しい)と思っているので、まずは一刻も早く相棒が決まることを期待したいです。
 SBは右徳永がまず不動。守備力がJ1でも通用するのは証明済みだと思いますが、昨季J2で見せた攻撃面での積極性やシュート・クロスの精度がJ1でも通用するようであれば、森重同様代表召集まであるかと。かたや左は太田と椋原の鍔迫り合いとなるでしょう。阿部(横浜FCへ再度レンタル移籍)に残ってもらって椋原と切磋琢磨して欲しかったところですが、しかしJ1でもすぐに名が上がるレベルの本職を獲得できたのは大きな戦力アップで、「左SB(とできれば左CB)は左利き」が私の数少ないサッカーポリシーとしてあるので、個人的には迷うことなく太田がファーストチョイス。昨季は警告ゼロでフェアプレー個人賞も受賞し、2007年にはCBとしてプレーしていたこともあって対人プレーも○。もちろん攻め上がってのクロスには鋭さがあり、この点では椋原を圧倒しています(当たり前だけど)。とはいえ、椋原も守備力では太田に勝るぐらいの実力を持っていますし、攻撃面でも試行錯誤しながら自分らしい左SBになってきつつあるので、ここの争いは密かなホットスポットになりそうですね。中村は現状どちらのサイドもできるバックアッパーという立ち位置だと思いますが、それでよしとするはずがないわけで、その反発に期待します。


 MF。幸野のレンタルバック、米本の復帰(予定)である程度層の厚さが増すのがボランチ。梶山がアンタッチャブルなのは監督が代わっても揺るがないと思いますが、CB同様相棒に誰を置くかは見どころの1つ。高橋は天皇杯において、主に守備面でJ1相手に通用することを見せつけました。攻撃面でもセットプレーではチームの大きな武器になっていますし、CBに加担して的確にビルドアップをする点においては及第点以上のプレーができるはず。しかし、相手を外しながら自分の次のプレーがしやすいところへのファーストトラップや、1列飛ばす楔のパスの精度についてはまだまだ向上の余地があり、J1相手では不安なところもあります。その点においては、完全復活が叶うのならば米本のポテンシャルはJ屈指。特にファーストトラップとボールを強く蹴れる、あるいはそこまで足伸びるかよ!っていう日本人離れした股関節回りはなかなかお目にかかれないレベルで、そのスペシャリティーはそこにいるだけでアドバンテージを握れると言っていいほどだと思います。まあ、多くの東京ファンが寄せる米本への期待があまりにも過度なものになってないかい?と自問するところがあり、それが米本にとって好ましいことなのかどうかは悩んでしまうところもあります。それでもやっぱりもう一度梶山と米本が並んでプレーするところを見たいのは疑いようのない事実。コンビとして序列をつけきるのか、それとも調子のいい方、あるいは相手との相性などで上手く入れ替えながら使うのか。まだ東京では見せられていない中距離のパスセンスがハマると一気に楽しみが増える下田、大分で経験を積んで攻撃力が増し、守備面での安定が図られればこちらも楽しみな幸野、久々のU-18からの昇格となる橋本を含めて、ポポヴィッチ監督のお眼鏡に適うのは誰になるか。楽しみです。
 サイドハーフですが、河野の加入でイメージは完全に「右は中にも入れるけど縦に強く仕掛けられる、左は縦にも仕掛けられるけど中に入っていって勝負できる」という形。ですが、監督が代わるということはどのポジション争いも一旦フラットになるわけで、かつポポヴィッチ監督がサイドアタックにどういうポリシーを持っている、どういう手段を用いるのかがまだはっきり分からないこともあって、現時点ではこのポジションは特にフラットと言うほかありません。その中で、あえて今スタメンとベンチの差を分けるポイントを挙げるとすれば「攻守の切り替え」。ポポヴィッチ監督は昨季のJFL最終節後に、

自分たちの攻撃的なスタイルを表現で来たシーズンになりました。私たちのチームには、試合を一人で終わらせるようなタレントはいませんが、チーム一丸となって戦うことで結果を掴むことができました。得点はリーグ1位。失点は2位。攻守にバランスの良いチームを作ることができました。攻撃をしながら守備をすることを心がけて来ました

 とコメントしましたが、その他でも「攻撃をしながら守備をする」という点はことあるごとに協調していたイメージがあります。それを東京でも強調するのであれば、一番ボールロストが多くなる2列目の選手には攻守の切り替え(特に攻→守の切り替え)を素早く行えて、献身的な動きができる選手をチョイスすることになるはず。その点から言えば、谷澤はファウルをアピールしてしまう場面を除けば瞬時に切り替えができ、サイド深くまで戻れる献身性を持っているので意外とファーストチョイスになれそうな気がします。田邉も昨季は大熊前監督に口酸っぱく言われ続けたことで大きく守備面が改善されました。逆に石川はパッと切り替えてプレスに行くことはできますが、ある程度は追いかけるものの守備陣に仕事を残したまま止まってしまうことが見られがちで、河野も昨季を見る限りはだいぶ守備に協力的になった感があり、脚力を活かして深くまで追いかけることはできるものの、やらない時はパッタリやらないイメージがまだ強くて、本当はどうなのか分からないところがあります。そう考えれば、谷澤、田邉をスタートで使い、選手間の距離を狭めて局面で数的優位を作り続ける戦術を取りながら、勝負どころで石川、河野のタッチライン沿いでも中でも仕掛けられる選手を入れて…という形をここでは妄想しておきます。トップ下も、これまでのポポヴィッチ監督を見る限りはオーソドックスな4−4−2を採用することが多く、かつ今季のFWの顔ぶれを見れば2トップを採用する方が自然なくらい。そうなればここはポジションそのものがなくなるわけで、羽生、大竹はサイドハーフ、アーリアはボランチの争いに加わる形となります。私は羽生のトップ下が昨季の肝だったと思っていて、先に書いた攻守の切り替えにおいては羽生の右に出るものがいないことを考えれば、それを崩してしまうとするのならば一抹の不安がよぎるところもありますが、ポポヴィッチ監督がどういう選択をしてくるのか、楽しみに待ちたいと思います。


 FW。平山が怪我から復活し、加入した渡邉が役割を整理されてかつての輝きを取り戻せば、相当楽しみが増えますが、現時点で私はルーカスがファーストチョイス、その相棒に平山か渡邉、セザーと重松はスーパーサブで、そこに大卒新人の林がどれだけ食い込めるかという見立てでいます。ルーカスはすべてのプレーがアベレージ以上で、1トップでも2トップでも、トップ下でもサイドハーフでも計算が立つ選手。こういう選手は、監督からすれば本当にありがたい存在なはずで、軸にするにはもってこいでしょう。2トップと仮定してその相棒ですが、平山ならルーカスがセカンドトップ的な立ち回りをして、渡邉なら逆にルーカスがポストワークを主に担ってというコンビがしっくりくる印象。で、非常に色が異なる、しかしどちらもハマれば魅力にあふれたコンビになると思うので、ここは相手によって変えるという形でもいいのかなと思っています。その中で、活動量を増やして攻守両面でピッチを活性化させたいのであれば重松を入れる、同点やビハインドでどうしても1点が欲しい場面ではセザーを入れるという流れになればベストかなと。林は1度もプレーを見たことがないので何とも言えませんが、オフィシャルサイトのアピールポイントを見ると重松に近い印象。まずは重松、セザーらとベンチ入りを目指してというところになるかなと。で、以上をまとめた、現時点での妄想スタメンは以下の通り。

1トップ
―――――ルーカス―――――
谷澤――――羽生――――石川
――――梶山――米本――――
太田― チャン ― 森重 ――徳永
――――――権田――――――
SUB:塩田、加賀、高橋、河野(田邉)、平山(渡邉)、セザー(重松)


2トップ
―――ルーカス――平山―――
−田邉――――――――谷澤−
――――梶山――米本――――
太田― チャン ― 森重 ――徳永
――――――権田――――――
SUB:塩田、加賀、高橋、石川(河野)、渡邉、セザー(重松)

 CBにはチャンを使ってみたいなと。4−2−3−1の場合、羽生がある程度守備を広く見てくれるので、右SHに石川や河野を使っても問題ないかと。4−4−2の場合はしぼり目に中盤を作って、両SHには切り替えられる2人を。


 最後にポポヴィッチ監督。よくある枕詞としては「パスサッカーを標榜」「攻撃的なスタイル」というものが挙げられると思いますが、しかし、上でも少し書いた通り「攻守の切り替え」「いい攻撃はいい守備から」というところもしっかりと押さえていて、昨季終盤に大熊前監督がたどり着いた「本質」をもう一回り成長させてくれるという期待は当然あります。もちろん、昇格を成し遂げた監督を代えるというのは丁半博打かもしれませんが、今は好転すると信じるだけ。3/3のゼロックススーパーカップを皮切りに、柏、ブリズベン、大宮、名古屋、蔚山、J第3節といきなり気が抜けないスケジュールとなりますが、それを心の底から楽しみたいし、楽しめるようなプレシーズンの調整をしてくれたらこれ幸いかと。