続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

天皇杯&2012年

 1年でのJ1復帰、J2優勝に留まらず、なんと天皇杯まで制してしまいました。…いや、優勝してほしいとは思っていましたし、浦和に勝ったあたりからはイケる!と感じていたので制して「しまった」という書き方は正しくないですね。


 そんな天皇杯。チームとしての戦いぶりにはもちろん感動しましたが、個々がこの1年多いに成長できたことがしっかり見て取れた大会だったと思っています。権田(2回戦は塩田)、今野&森重、梶山&高橋、ルーカスのセンターラインは着実に骨太さを増し、特に森重、高橋、ルーカスのパフォーマンスは圧巻の一言。森重は恐らく多くのサッカーファンが持っていたであろう、2010年以前の「手癖の悪さ」「独りよがり」「集中がフッと切れる」といったマイナスイメージがもはや過去のものであり、今は国内屈指のDFへ成長を遂げた、有吉弘行風に言うならば、ついに「世の中にバレてしまった」なぁと。ブラジルW杯アジア最終予選では、吉田麻也を差し置いて普通に今野とコンビを組んでプレーしていても、もはや何も驚かないです。高橋はスカパーで解説をしていた秋田豊さんに「(シーズン前の)合宿で見たときとは、天と地ほどの差がある」と言わせるほどの成長を遂げたシーズンを締めくくるにふさわしい内容。守備は十分にJ1でも通用するでしょうね。ルーカスは、開始1分で強引にでも先手を取りに行くシュートを見せる強かさ、安藤を全く寄せ付けなかったポストプレー、巧みに最終ラインの裏を取って奪った2得点、切り替えの早さと尽きない運動量で献身的に行った守備、そのどれをとってもパーフェクト。個人的には8.5をあげたいほどの内容でした。どうやら来年も残ってくれるようで、もう本当に感謝してもしきれないです。
 そして両サイドも徳永&椋原は決勝戦後に大木監督から「FC東京がサイドのスペースを切るのが早かったですね。椋原選手と徳永選手に付いていけなかった。付いていけないといっても、最後の最後で何とかなるかなとも思っていましたが、そこは一つの問題でした」という言葉を引き出すほどのパフォーマンスを見せましたし、谷澤はちょいちょい大熊監督から小言をいただきながらも(苦笑)、準々決勝では見事なアシストを、そして準決勝では値千金のゴラッソを決め、その存在感を見せつけました。羽生はセンターなのかサイドなのか、ってことがどうでもいいことに思えるほどあちこちに、そして頭からフルパワーで顔を出し続け、守備をし続け、大熊監督へ決勝戦後に「その(守備の)部分については羽生を中心に相手のリズムを出させないようにプレッシャーをかけられた」という言葉を引き出させるパフォーマンスでした。極めつけは石川。もうこれでシーズンが終わってしまうのがもったいない(記者からもそういった質問が出ていましたね)、それぐらいキレキレのナオを準々決勝以降は見ることができました。身体が動いているのもそうですが、ボールが来る前にシュートまで、クロスまでどうやってボールを運んで、どうやってフィニッシュさせるのか、そのイメージと実際のプレーが寸分の誤差もなくリンクして全くプレーに無駄がないという、09年のナオにようやく戻ってこれたのかな?と思うと、ホントに涙が出てきそうになります。さらにベンチ陣も、それぞれの試合でそれぞれの役割をきちっと果たしてくれました。
 そんな、個の成長を1年あまり口酸っぱく言い続けた大熊監督。この日もピッチサイドで、主に守備の部分で声を出し続け、選手の足を動かしていました。ただ、試合後のこのやり取りには少なくない驚きがありました。

Q:J2に落ちた昨シーズンに比べ、守備面はどのように良くなったのか?


「“守備”という言葉は、実はあまり使っていません。選手に言っているのは、インターセプト=シュートでもいいし、インターセプト=スルーパスでもいいし、インターセプト=くさびでもいいということです。「ボールの奪い方」を「攻撃の起点」という言い方でずっとやってきていて、それがようやく浸透してきた感じがします。日本代表でもやってきたのですが、切り替え、というのはやはり命であって、そこをベースにマイボールにした後に主導権を握るサッカーをやろうとしてきました。自分には守備的なイメージがあるようですが、練習をやっていても、マイボールになって、オンザボールのポジションばかりをとって、結局それが守備のバランスや切り替えに繋がります。マイボールとした後に、いかにモビリティを活かし主導権を握って、技術やアイデアを活かすか。そしてそれが人とボールが動くサッカーになっていくと思います。言うは易く、ですが勝負事となると、そうでないとなかなか勝てないので、そのあたりが浸透し、今日も多少はできていたかなとは思います」

 今、フットボール界における我が世の春を謳歌するバルセロナ。その巧みなパスワークや目が眩むほどのテクニックにばかり目がいき、そちらばかりを追いかけることが時代の潮流であると言われることがありますが、しかしそれはメッシ、イニエスタ、シャビ、セスク、ダニエウ・アウベスらがいるからこそできる芸当なのであって、そこだけを見ていたのではいつか息切れしてしまいます。ただ、その煌びやかな表面の裏にある、攻撃から守備の切り替えの早さやそこでボールを取りきる力強さ、そして瞬時に守備から攻撃に切り替えられる連続性といった点は多いに真似をするべきだし、また真似しきれるんです。大熊監督はシーズン中からしきりに「本質」という言葉を用いて、内外に自身のイメージを表現してきました。しかし、最後の最後でその「本質の本質」を大熊監督自身の言葉で聞くことができた、そして、理解することができたのは、凄く幸せなことだと感じています。


 来季は監督がランコ・ポポヴィッチに代わり、ヘッドコーチも長澤徹さんが磐田へ旅立ち、代わりに前福岡監督の篠田さんが入ることがほぼ確実となりました。ポポヴィッチさんは言うに及ばず「オシムチルドレン」の1人で、よりパス主体、ポゼッションを大事にするサッカーを標榜することになるでしょう。守備についてはまだ分からない部分もありますが、町田ゼルビアが今季リーグ2位の28失点(1位は長野の27失点)に抑えることができており、かつ篠田アビスパがJ2を勝ち抜いた時もリーグ2位タイの34失点(1位は柏の24失点)に抑えることができており、二人とも事あるごとに「切り替え」の部分を求めるコメントを出していた記憶もあるので、今のベースに上積みをもたらすことができる人選だと今は確信しています。もちろん、始まってみないと分からないし、そもそもこの後どれだけ選手のイン&アウトがあるのかまだ分からない部分もありますが、余計な不安も、過剰な期待も抱かず、穏やかにシーズンオフを過ごせればと思っています。


 そんなわけで(どんな?)、今年も当ブログは「FC東京(下部組織も当然含む)」「(さほど当たらない)競馬予想」「その他日常」の3本をメインに、書きたい時に書きたいことを書きたいだけ書こうと思っております。引き続きご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。