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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

Forward-Looking

 12月11日、深川グランドで行われたU-18プレミアリーグ 東京U-18対札幌U-18を見に行ってきました。
最終節を前に、優勝を勝ち点32で並ぶヴェルディと札幌が(清水も勝ち点で並ぶ可能性はあったが、得失点差を考えれば非現実的)、残留を勝ち点16の東京、15の尚志、14の三菱養和がそれぞれ争う形となり、しかも最終節にヴェルディ三菱養和、東京対札幌という「優勝か、残留か」を争うカードが計ったかのように2つ出来上がるという、とんでもないスケジューリングに(尚志はアウェイで流経大柏戦)。最悪、ヴェルディ流経大柏に頑張ってもらって…という他力を祈りつつも、もちろん勝って残留を決めることがベストなわけで。今季2度戦っていずれも敗れていますが、3度目の正直を信じて、いざキックオフ。


 まずはスタメンから。東京は

――――――18岩田――――――
13福森―――15野沢――― 9冷岡
――― 8山口――― 10橋本―――
34鴨池−4石原―33五勝出−27青木
―――――――1谷―――――――

 前節の三菱養和戦から5小林、25二瓶が怪我で離脱し、代わりに33五勝出、9冷岡が入り、サイドハーフは右が冷岡、左が福森の形でスタートしました。一方の札幌は

――― 9近藤――18下田 ―――
11榊―――――――――14神田
―――10荒野――17中原―――
6堀米 − 3奈良 − 4永井 − 8前
―――――21阿波加―――――

 の11人。前節の浦和戦から2小山内、24内山、5深井が外れ、3奈良、14神田、9近藤が入った様子。トップ昇格5人中4人(榊、荒野、奈良、前。小山内は出場停止とのこと)が顔を揃えました。


 両チームとも序盤のチャンスはセットプレーから。まずは札幌が5分、前のCKを中原が落とし、神田がミドルシュートを放ちます。すぐさま東京は9分、福森のFKを野沢が競り、そのこぼれを石原がシュート。誰かが固いとか試合に入れていないと言った様子は見て取れず、お互い悪くない入り方だったと思います。しかし、試合は1つのビッグプレーで動きます。10分、左サイドでボールを持った堀米が、恐らく誰もが全く想定していなかったであろう距離と間合いからミドルシュートを放つと、ポジションをやや前に取っていた谷をあざ笑うかのようなものすごいドライブシュートがゴールに突き刺さり、札幌が先制しました。土屋さんのレビューによると、「狙った所に打っても入らないが、僕のキックは思い切り蹴ったら無回転になる。GKがよく前に出てくるのはわかってた」とのことですが、この大一番で大胆さと冷静さを兼ね備えたプレーを見せることができるわけですから、これはもう敵ながら天晴れとしか言いようがありませんでした。
 個人的には「こういう失点は忘れるに限る!」という考えの人間ですが、しかし重たい先制点であることもまた事実。実際、札幌はここから一気にペースを自分たちのものにしてしまいましたから。その札幌の攻めですが、夏にクラ選@群馬で戦った時と大きな違いはなく、むしろさらに無駄が省かれて研ぎ澄まされた印象すらありました。特に目立ったのが「FWの役割分担」と「スペースの使い方」。1つ目ですが、夏に戦った時は7鈴木、11榊とスピードタイプを並べていたこともあってか、2人とも裏やサイドのスペースへの抜け出しで東京守備陣を揺さぶってきました。しかし、この日の2トップはもっと役割分担がハッキリしていて、近藤はそのガッチリとした体型よろしく、ある程度ポジションを動かさずに相手を背負った形でのポストプレーをしきって味方の有効な上がりを促がしていました。一方の下田は東京のCBとボランチの間に下りてきてポストプレーをしたかと思えば、別のシーンでは最終ラインからのロングボールに対して東京守備陣の裏を取る動きを見せるなど、あえてポジションを動かすことで揺さぶりをかけてきました。これに対する東京の守備ですが、近藤のポストプレーには主に石原が対応するも、近藤の意図するプレーをされてしまうことの方が多かった印象。また、下田の裏へ抜ける動きには上手く対応していたように思いますが、下りて受けにくるポストプレーに対してはCBが食いついていくのか、それともボランチが見るのかが今一つハッキリせず、上手くそこで起点を作られてしまったのかなと。
 そして2つ目。先ほど書いた下田が下りる動きを見せた際、必ずと言っていいほど神田、榊の両SHのどちらかがその空いたスペースへ飛び出していく動きを見せたり、そもそも両SHが絞り気味のポジションを取っていて、そこに東京のSHが食いつけば札幌の堀米、前の両SBがガンガン上がってきてサイドでの数的優位を生んだり、逆に東京のSHやSBがサイドをケアして開いていれば、荒野、中原の両ボランチがスッと上がっていって中での数的優位を生んだり、とにかく自分たちの優位となるフリースペースの使い方、選手の入ってくる形の良さが目立っていました。こうなると東京の守備がどこを抑えればいいかぼやけてしまうのは仕方のないところですが、それを加味しても行っては叩かれ、行かなければ回され、出し手も受け手もフリーにしてしまうなんてシーンも出るほど圧倒的に支配される時間帯もあり、18分には近藤の折り返しを荒野が、21分には同じく近藤からのスルーパスに鋭く反応した神田が東京ゴールを脅かしました。
 東京も24分、福森と鴨池のコンビプレーで左サイド深くまで侵入し、福森がセンタリングに冷岡が相手ともつれながらもヘディングで合わせて阿波加のファインセーブに強いたり、31分に左サイドからの攻撃で岩田のシュートまで持っていったり、主に左サイドを中心に反撃の兆しは見せましたが、しかし全体的に見れば札幌の攻→守の切り替えの早さ、プレッシャーの強さに屈する形でボールを奪った後の1つ目のパスが味方にほとんどつながらず、その奪われたボールをまたいい形で攻撃につなげられるというシーンが続きます。そして、詳細は土屋さんのブログに頼りますが、なんと前半の後半だけで26、29、30、38、44、45分と都合6度も決定機を作られ、ヒヤリとさせられっ放しのシーンが続いたまま前半を終えることとなりました。


 後半。倉又監督は攻守1点ずつ修正を施してきました。攻撃では、スタートでは1トップ岩田、右SH冷岡だった配置を1トップ冷岡、右SH岩田に入れ替えます。これは、前半岩田が奈良、永井の両CBに対して後手を強いられていた、逆に冷岡がサイドの位置ながら上下のボールに対して有効な起点となれていたことから、その起点を真ん中に持ってくること、岩田の機動力をサイドにあえて逃がすことで活用することを狙いとしていたのかなと。一方の守備では、これは前半途中からすでに行っていたことですが、相手のビルドアップ時にCBと下がって受けることも多かった荒野へはほとんど食いつかせずコンパクトなブロックを敷き、中央ではあえて札幌のボールをブロックの中へ誘い込んでそこで人数をかけて狙う、サイドではSBへボールが入った時に必ず誰かが距離を詰めてワンサイドを切ることでパスコースを限定し、その先をしっかりケアすることを徹底させることで、取りどころを整理させた印象。それが見事に嵌り、攻撃では冷岡が奈良相手にもほぼ互角の勝負を演じたり、サイドに流れても、50分にはタイミングとリーチを生かした冷岡らしいドリブル突破でチャンスを作ったりと今季一番とも言えるパフォーマンスで押し返す要因となれていましたし、守備でも布陣をコンパクトにしたのが奏功して、ボールへの寄りの速さやセカンドボールの拾い合いで札幌に見劣りすることがなくなり、パスコースを消す守備も丁寧にやれていて、札幌の両CBや荒野が出しどころに困るシーンが徐々に増えていきました。
 そして、この良い流れを逃すことなく、ついに札幌守備陣の牙城を崩す瞬間が訪れます。65分、右サイドで冷岡がファウルを受けてFKを獲得。福森のキックはファーサイドへ伸び、これを石原が高い打点で競り勝ち中へ折り返すと、これを岩田が身体を投げ出しながら頭で合わせ、そのボールは吸い寄せられるようにゴール右隅へと転がりゲットゴール!前半から可能性を感じさせていたセットプレーで、ついに東京が同点に追いつきます。ここから試合はさらに東京の時間。得失点差でヴェルディに遅れを取るため、得点を多くあげて勝たなければ…というプレッシャーからなのか札幌にはミスが増え、逆に嫌な空気から開放された押せ押せの東京は、オフィシャルのテキストライブにもあるとおり66、71、75、80分と立て続けにチャンスを掴み、特に75分のシーンではエリアわずか外から完全にフリーで冷岡がミドルシュートを放つなど、崩してチャンスを得る場面も出てきます。しかし、危ない場面の大半では奈良がその実力をいかんなく発揮して芽を摘み続け、永井は常に声を出し続けて味方を鼓舞し、奈良とのチャレンジ&カバーもしっかりと遂行して最後の一線は割らせません。
 残り10分。この時点で他会場は流経大柏1−0尚志、ヴェルディ0−1三菱養和。バーチャルの順位は

1位 33 札幌(+16)
2位 32 ヴェルディ(+15)
(中略)
8位 17 東京(−3)
9位 17 三菱養和(−17)
10位 15 尚志(−27)

 となっていました。つまりは、このまま試合が終われば札幌が優勝、東京が残留といういわゆる「winwin」な結末となるわけです。今思えば少なくとも東京側はもっと現実的な戦い方があったかもしれません。しかし、それは結果論でしかなく、実際あの時80分前後に深川に流れていた空気は、お互いが「勝ちたい」というただそれだけ。試合も、疲れからかややオープンになり(この日の日差しは12月のそれではなかった!)お互いに決定機をうかがい合う展開へともつれたことで、どちらかがそれにブレーキをかけられるシチュエーションにはなかったのかなと。そして、その思いが結実したのは札幌でした。84分、左サイド深くで得たFKを前が蹴ると、これを中原がドンピシャリでヘディングを合わせ、東京からすれば無情にもネットが揺れました。それまでも、東京のセットプレーの守備はマンツーマンを振り切られてニアでフリーとなることを許したり、ニアに釣られてファーが空いたりするシーンが見られてはいましたが、ここではニアに3人ほどが釣られたそのすぐ後ろ、文字通りゴール真正面のスペースが空いてしまって、そこに入られてズドンですから、これはもう言い訳のしようがない失点でした。これで再び1点が必要となった東京は岩田→32岸、福森→26川上の交代を行い、石原と橋本を最前線に上げるパワープレーへと打って出ますが、最後まで奈良、永井の両CBを攻略しきることはできずタイムアップ。その数分後、ヴェルディ三菱養和に0−1のまま敗れたことで札幌の優勝、そして、東京の関東プリンス降格が決定しました。


 初代イースト王者の称号を手にして、喜びに沸く札幌の選手たち。かたや、前節の勝利で一旦は手中に収めかけたプレミア残留がするりとこぼれ、その場で倒れこんだままなかなか起き上がれず涙に暮れる東京の選手たち。今年1年の積み重ねの先に待っていたゴールは、あまりにも両極端なものでした。この試合で優勝、降格という結果が確定したわけですけど、それは4月からの積み重ねの結果であり、降格という事実そのものは割とスンナリと言うか、冷静に受け止めることができました。しかし、運良くシーズン終わりの3試合(11/13鹿島戦@Jユースカップ、12/4三菱養和戦、そしてこの試合)を続けて見ることができて、しかもこの3試合は、私にとっては文句なしに今季のベスト1、2、3のゲームだったと言い切れる中、それだけのゲームをしてくれたのに結果は1勝1分け1敗、その引き分けがJユースカップのグループリーグ敗退を、その敗戦がプレミア降格を決めることになってしまったわけです。ことここに至ってもなお、スタメンを期待されたメンバーが怪我で戦列を離れ、シーズン途中には今季序盤にエースとして活躍していた彼の、チーム自体からの離脱という出来事もありながら、それでも今いるメンバーで自分たちの力をほぼ遺憾なく発揮して、見ている私たちに素晴らしい、よく間に合ったと思わせるゲームを見せてくれたわけです。それなのに、待っていた結末が考えうる最悪のものとなってしまったことがとても、とても悔しくて。「力が及ばなかった」――その一言に尽きるのかもしれませんが、その一言に今季を集約させてしまうことには、もう少し時間が必要な気がしています。なので、ここでシーズン総括をすることはできません。まあ、もともとそれは私よりもっと間断なく、多くの試合を見てこられた方にお願いしたいなぁ…と思っていましたし、おあつらえ向きにkulさんkoさんがなさっていたので、どうぞそちらをお読みください。
 まとめみたいなもの。3年生へ。札幌戦を終え、この1年間チームを引っ張りきれなかったこと、降格してしまったこと、それを自分たちでは取り返すことができないことへの悔しさ、悲しさ、怒り、もどかしさ、歯痒さ、そういった様々な感情を覚えたかもしれません。もちろん、残留できなかったのは「チーム」が1年間やってきた結果なのであって、決して君たちだけのせいではありません。しかし、チームが個人の集合体である以上、等しく全員がその結果を背負う責任はあります。その前提の上で、君たちが自然と湧いてきたであろう様々な感情について、私はそれを止めないでおきたいなと。今年多くの場面で味わった敗北、失敗、挫折というものは、短期的に見ればマイナスしかもたらしません。けれど、その結果から逃げず、事実を真正面から受け止めて、そこで感じた悔しさや痛みをバネにして自分自身と向き合うことができるのであれば、マイナスを成長するための糧とすることができるのであれば、長期的に見てそういった敗北、失敗、挫折をプラスにすることだってできます。そして、君たちはそれができる、そうやって強くなれると信じていますから。最後に、3年間、U-15時代からいる選手は6年間、FC東京の一員としてプレーしてくれて、本当にありがとうございました。橋本はトップチームの一員としてこれからも青赤を身にまとい戦っていくわけですけど、残る谷、下川、石原、小林、村松、山口、冷岡湯浅、そして、途中でチームを離れてしまった彼にも、頭の片隅に、心の奥底に、FC東京というチームを置いてもらえたら嬉しいなぁと思うばかりです。
 1、2年生。来年は舞台をプリンスリーグ関東に移して戦うこととなりました。形の上では、トップカテゴリーからローカルカテゴリーへの降格となり、全国の強豪と腕を(足を?)競う場は減ることになります。しかし、一昨日のプレミアリーグ参入決定戦、残留決定戦を経て決まった来季のプリンス関東参加チーム―桐蔭学園前橋育英、千葉U-18、横浜FMユース市立船橋桐光学園山梨学院大付属、柏U-18、川崎U-18―を見ると、そして、プレミア昇格の椅子が1つしかないことを考えると、来季も大変な戦いが待っていることは言うまでもないでしょう。今季、メンバーを固定して戦えなかったことの弊害は至るところに見て取れましたが、そのことが唯一、そして逆説的にプラスだったと言えるのが、下級生の経験値上昇。多くの選手が公式戦の舞台を踏み…どころか、公式戦の場を経験できなかった選手の方が少ないと言えるほどで、それぞれが場数を踏むことに成長を見せてくれたことは、暗闇の中に射す一筋の光と言えるのかなと思っています。
 そして、新チームとしての最初の大会となるGo for 2018 CUPが、早くも年末に開催されます。35分ハーフとはいえ3日連続して1日2試合行う戦う強行スケジュールなので、今季出番を得ていた、得ていないに関わらず、すべての選手が試合に出てくることが想像でき、あの時味わった悔しさを各選手がどう咀嚼できているのか? 新チームの形はどうなるのか? またいろんなコンバートがあったりするのか?などなど、新チーム1発目だからこその楽しみも散らばっております。年末ご多忙の折、また、2日目以降は平日が故になかなか足を運びづらいところではございますが、ぜひとも会場に足を運んで、また選手たちの背中を押してあげてほしいなと思います。私も、クリスマス当日ですけど相方さんからお許しを得たので(笑) 25日は見に行こうと思っています。


 時には躓きながら、時には回り道をしながら、時にはどうしようもないくらいの落とし穴に嵌りながら、それでもその躓きから立ち上がって、その回り道から何かを得つつ本道に戻って、その落とし穴から歯を食いしばりながら這い上がって、前向きに進んでいく。また来季も、FC東京U−18と(U−15深川、むさしも)一緒に、そんな一喜一憂、喜怒哀楽を多分に含んだシーズンを体感できたら…という一言で、なんとなく締めたいと思います。