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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

経営素人の斜め読み

Jリーグ公式サイト:ニュースリリース:2010年度Jクラブ経営情報開示
Jリーグ公式サイト:ニュースリリース:2009年度Jクラブ経営情報開示


 昨日、2010年度の情報開示がありました(参考までに09年度分もリンク貼ります)。以下、気になったところを斜め読み。


・J2の広告料アップ率スゲー!
 …と単純に言いたかったところですが、正解は経営規模がJ1クラスである千葉、柏の降格があったから。実際、当該年度収入トップ3の合計額を見ると、09年(C大阪、札幌、横浜FC)が23億4500万だったのに対し、10年(柏、千葉、徳島)は39億4500万と約1.7倍になっていますし、千葉、柏の2チームだけで、10年J2全体の広告料収入の約39%をシェアしていましたから。まあでも、その上位3チームを除いての平均も09年が約2億8700万、10年が約2億9300万と微増していますから、各クラブによっての多寡、増減はもちろんありますが、フロントの努力がある程度実を結んでいると言えなくもないのかなと。
 で、営業収入全体に目を移すと、これまた千葉、柏のおかげで単純な数字は前年比増になっていますが、同様に上位3チーム(09年はC大阪、札幌、仙台、10年は柏、千葉、札幌)を除いた平均は、09年が7億1800万、10年が約7億1300万とこちらは微減。これはリンク先にもありますが、レギュレーション変更によるホームゲーム数の減少が響いてのものでしょうから、こちらもマイナスだと嘆く必要はないかなと。


・黒字最高額はなんと…
 FC東京でしたー!まあ、営業収入が09年37億6300万→10年36億7100万と9200万も減っているにも関わらずこの結果というのは、ひとえに費用減のおかげ。人件費が09年17億6800万→10年13億7000万で3億9800万の減になっていますが、長友マネーはここに繰り入れられているのかな?と。あと、09年にいて10年にいなくなったあの選手が結構もらっていた(違約金かかった)のかなぁ…とか、09年にいなくて10年に来た選手はあまりもらえてない(違約金かかってない)のかなぁ…とか、まあいらぬ妄想をしてみたり(笑) しかし、話は戻りますが営業収入が1億円近く減っているのはやはり寂しい限り。分配金収入は順位などによるので仕方ない(09年5位→10年16位)としても、入場料収入が4900万減ですからねぇ…。それでいて、J2落ちちゃいましたしねぇ…。
 その他のクラブを見ると、J1では仙台(09年▲9500万→10年1億9300万)、C大阪(09年▲8100万→10年2400万)、J2では栃木(09年▲4800万→10年200万)、柏(09年▲5500万→10年3200万)、岐阜(09年▲5600万→10年300万、確かこれが初の単年度黒字だったかと)、福岡(09年▲1億800万→10年3400万)、鳥栖(09年▲6600万→10年400万)、大分(09年▲3億2400万→10年1億1200万)が黒字転換。特に仙台、福岡、大分のジャンプアップぶりはなかなかのレベル。仙台は収入が前年比133%。J1昇格により費用も増しましたが、それを上回る収入・成果を挙げたクラブでした。逆に福岡は広告料収入が前年比89%と厳しい数字になりましたが、それを上回る費用削減により黒字転換。それでいてシーズン終了時にはJ1昇格で泣き笑いできたわけですから、ポジティブな1年だったんだなぁと。で、大分は多くの方がご存知のとおり、胸突き八丁のクラブ運営。収入、費用ともに10年はほぼ半減しており、人件費にいたっては09年13億4500万→10年4億7300万円という、ゲームでもありえないレベルの削減をしています。まあ、1つ間違えばクラブ消滅というところまで言ったわけですから、これぐらいドラスティックにやらないとダメでしょう。
 また、継続黒字でも磐田が09年4200万→10年2億6300万とジャンプアップしたかと思えば、G大阪は09年1億3200万→10年1100万と1/10以下に目減り。鹿島、新潟も結構目減りしてますね。

・赤字はJ1 9クラブ、J2 8クラブ
 一方赤字はこんな感じ。ちなみに、09年はJ1が5クラブ、J2が10クラブでした。個別に見ると、まず目に付くのが浦和の赤字転落(09年6800万→10年▲2億5900万)。費用を抑える努力は見えますが、しかし収入が8億700万も減ってしまっては、さすがにどうしようもないですかね。で、赤字最高額は横浜FMの▲3億3900万(09年はプラマイゼロ)。収入が微増の中、人件費、運営費ともに2億円前後の増なので、そりゃそうだ。
 その他のクラブを見ると、J1では山形(09年2700万→10年▲7300万)、清水(09年1億4300万→10年▲7900万)、名古屋(09年3900万→10年▲1億5300万)、広島(09年2400万→10年▲2億5900万)、J2では富山(09年2400万→10年▲2000万)、岡山(09年2100万→10年▲3600万)、愛媛(09年200万→10年▲2200万)が残念ながら赤字転落。山形、岡山は収入増も、費用増がそれを上回ってしまい赤字。名古屋、広島、富山、愛媛は費用減なるも、収入減がそれを上回ってしまい赤字。まあこれはしょうがないんですけど、清水は収入減で費用増という残念な状況。内実は知る由もないですが、今年は取締役社長が変わり、大規模な選手入れ替えがありましたから、さぁどうなっているか。ある意味2011年版が楽しみです。
 継続して赤字の中では、神戸(09年▲5億3600万→10年▲5400万)と東京V(09年▲14億5700万→10年▲3億6400万)の減り具合が見た目のインパクト大。ともに事業費の大幅削減によりこの数字が弾き出されたわけですが、東京Vは何がどうなればそうなるのかサッパリ(苦笑) まあ、こちらもクラブ消滅の危機が囁かれ、Jリーグから羽生事務局長(当時。現社長…だったはず)が出向してとにかく歳出をカットすることに精を出したとは聞いていましたが、いざこうやって数字になって出てくるとさすがにおっ、という感じにはなります。


・でも、単年度赤字より憂慮すべきは…
 ズバリ純資産と繰越利益剰余金。財務状態に5つの項目がありますが、それを用いて本当にザックリと財務状況を説明するならば、第3者(主に金融機関)から借り入れ、返済する義務がある現金や手形などの合計である「総負債」+(プロスポーツの場合)クラブ立ち上げの際の元手となる「資本金」と、前決算期の繰越利益に当決算期中の利益などを足した額のうち、税金や配当など必要な支払いを行ったうえで、処分内容が決まっていない「繰越利益剰余金」を足した「純資産」=利益を生むために必要な現金やモノなどの合計である「総資産」となります。よく分からない方は(私もよく分かってないけどw)各自ググッてみてください。それで、これまた簡単に言えば、繰越利益剰余金がマイナスということは企業活動による利益が生まれていない状況であり*1、仮に繰越利益剰余金額が資本金を上回ってしまい純資産額がマイナスになるということは、次期決算期の際に資金が回せない状態になります。これがいわゆる「債務超過」状態。こうなると、次期決算期のクラブ運営が逼迫してしまい、マイナス分を補填するために新たな借入を行う=負債が増えることにもなり、厳しい経営を強いられるという流れになります。
 ここからが本題。すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、Jリーグは12年度から新たに「クラブライセンス制度」を開始するとのこと。漏れ伝わる情報では、「債務超過・3年連続の単年度決算赤字を出した場合、クラブライセンスを付与しない」ということですが、債務超過の方は3年連続とか悠長なことではなく、決算時そうなってしまったら即ライセンスが交付されないと読み取れなくもないの で(この解釈が間違っている可能性があることは記しておきます)、仮にそうだとすればクラブ運営的にまずいのは「債務超過>>>>>>単年度赤字」と言えるのかなと。で、2010年度、繰越利益剰余金がマイナスだったのはJ1では山形、大宮、東京、横浜FM、湘南、新潟、清水、磐田、京都、C大阪、神戸、広島、そしてJ2ではなんと徳島以外は全てマイナスという状況。そして、純資産もマイナスだったのが、J1では山形(▲2300万)、横浜FM(▲4億6200万)、京都(▲2億2800万)、神戸(▲8億6100万)、J2では札幌(▲9700万)、水戸(▲3500万)、草津(▲7600万)、岐阜(▲9500万)、熊本(▲3800万)、大分(▲10億5200万)と計10クラブ。このマイナスを解消する手立ては複数ありますが(ex:当期純利益を上げる、増資)、果たしてこの10クラブがどうするのか。他所様のことではありながら、すごく気になるところです。

*1:ただし、投資の意味合いも込めて設備投資をした場合など「前向きなマイナス」もあります。