続々々・メガネのつぶやき

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10−11 その14 ブンデスリーガ第5節 ドルトムント−カイザースラウテルン

 ともに好調なスタートを切ったと言っていい両チーム。若さの勢いか、昇格の勢いか。9/22のゲームでした。
ドルトムント 5−0 カイザースラウテルン
得点:31、88分 L・バリオスドルトムント
     38分 K・グロスクロイツドルトムント
     65分 M・フンメルスドルトムント
     75分 R・レヴァンドフスキドルトムント
MOM:N・シャヒン(ドルトムント

巧みなポジショニングとオフ・ザ・ボールの動き、長短織り交ぜたパス、広い視野で攻撃陣を完全にコンダクト。文字通り、90分間中盤に君臨しきった。


 立ち上がりは両チームとも攻守の切り替えが早く、その攻撃も手数をかけずに縦に早く責め合う形になったことで、非常にスピーディーなやり合いが見られました。ドルトムントはそれをやや嫌ってか、10分過ぎからショートパスを主体にゲームをコントロールしようと試みますが、カイザースラウテルンの4−4−2による3ラインが非常にコンパクトで選手の距離感も良かったため、その網にパスを引っ掛けてしまうシーンが連発。ラウテルンのDF−MFのライン間に狙えるようなスペースが生まれないために、ドルトムントの持ち味である2列目3人の流動的な動きも出ず、香川はボールタッチのフィーリングが合わないのか、らしくないボールロストを何度か見せてしまいます。一方のラウテルンも、立ち上がりこそ早めにラキッチに当てるだとか、サイドから割とシンプルにクロスを入れるなど攻撃の手は見えていましたが、ボランチのところで全くボールが収まらず、狭い攻撃が続いているうちにリズムを失っていきました。
 そんな落ち着かない展開の中、突然試合が動きます。31分、中盤での相手のパスミスを拾ったシャヒンは即座に前線を見渡し、DFラインの裏をめがけてスルーパス。これに反応してラインブレイクしたバリオスは、DFを引き連れながらも冷静にGKとの1対1を制してボールを流し込み、ドルトムントが先制しました。これでラウテルンはやや意気消沈。シャヒン、ベンダーのダブルボランチの積極的な前線への関与に対して効果的な策を見出せず、徐々にリアクションに傾いてDFラインが下がってしまい、中盤が間延びしてしまいます。そうなると攻守の切り替えも鈍くなりわけで、それが出てしまったのが38分。中盤でボールを奪ったドルトムントショートカウンター発動。ブワシュチコフスキ→シャヒン→グロスクロイツと綺麗にボールが繋がり、最後はグロスクロイツがDFを外して右足でシュート。これがジッペルの手を掠めながらゴール右隅に吸い込まれ、ドルトムントが早い時間に追加点を奪いました。前半はこのまま2−0で終了。


 後半も主導権はドルトムントが握ります。前半の終盤同様シャヒン、ベンダーがラウテルン守備陣に混乱をもたらし、ラウテルンはより受け身に。特にシャヒンは前後左右自在に動き、常に相手の嫌がるポジションから長短のパスを配給し続け、まさに脅威の存在になっていました。また、ボールの奪う位置も低くなり、攻撃に転じても前線に残っている選手が少ないためパスコースがなく、3本繋がるシーンがしばらく見られないまでになりました。で、ドルトムントは3点目を奪えば勝負を決められることもあって攻勢を強め、53分にはグロスクロイツのクロスを受けた香川がトラップで上手くDFを外してシュートを放つも、ジッペルの好セーブに合い残念…というシーンもありながら迎えた65分、FKのボールにフンメルスが見事にヘッドで合わせて3−0にしました。勝負自体はこれで決着。その後も3ラインが完全に間延びして守備の体をなさなくなったラウテルンに対してドルトムントが攻撃をし続け、75分には再びショートカウンターからレヴァンドフスキが、88分にはピシュチャクのクロスをバリオスが合わせてゴールを挙げ、終わってみれば5−0という内容も、スコアもドルトムントが圧倒してタイムアップのホイッスルを聞くこととなりました。


 ドルトムント。クロップ監督が課題とするポゼッションによるゲームコントロールという面については、確かにまだまだ改善の余地があるような印象は受けましたが、しかし若手主体ということもあり、一度勢いに乗せると止まらない強さは感じました。その中で、開幕戦を見たときには大丈夫か?と正直思ったシャヒンが、ここに来て本領を発揮し始めているのは大きいのかなと。ここで時間を作れれば、前線の4枚+SBが自由自在に動けて、相手にとっては嫌でしょうから。ケールの離脱も現状はS・ベンダーがしっかり埋められていますし、いい流れであることは間違いないですね。
 カイザースラウテルン。この試合前までは2勝1分1敗といいスタートを切れていたので期待していたんですが、この試合に関しては期待ハズレ。とはいえ、立ち上がり15分ぐらいは好調の一端が窺えたのも事実で、そこを強調してやれればいいのかなと。