続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

10−11 その12 プレミアリーグ第5節 マンチェスター・U−リバプール

 トップディビジョンの優勝回数は、ともに最多の18回。イングランドを代表する2チームによる「ナショナル・ダービー」です。9/19のゲームでした。
マンチェスター・U 3−2 リバプール
得点:42、59、84分 D・ベルバトフ(マン・U)
     64(PK)、70分 S・ジェラード(リバプール
MOM:D・ベルバトフ(マン・U)

ついに大舞台で、しかもナショナル・ダービーでハットトリック達成。その事実だけで十分だろう。ポストワーカーとしてだけではなくスコアラーとしての存在感も日々増しており、いよいよ本領発揮と思わせるパフォーマンスだった。


 立ち上がりから、マン・Uはおなじみのオーソドックスな4−4−2でピッチにバランスよく、コンパクトに配置された11人が適切な距離感でプレーを進め、攻撃では常に複数のパスコースを確保され、守備では常に網を張れている状況を作り出します。それに対して4−2−3−1のリバプールは、攻撃面で言えば(単純に見て)中盤センターで数的優位に立てるはずなのに、2列目のJ・コール、R・メイレレスマキシ・ロドリゲスの細かいポジショニング修正やオフ・ザ・ボールの動きが物足りず、マン・U守備陣の網を広げることができません。合わせて1トップのトーレスもサポートの動きを得られず完全に孤立し、ジェラード、ポウルセンのダブルボランチもパスコースがなく横パスやロングボールを蹴るしかない形が多く、全くと言っていいほど攻撃に迫力が出ませんでした。一方のマン・U攻撃対リバプール守備ですが、前述したとおりマン・Uは常に複数のパスコースを確保できていて、特に中で作って外へという形が効果的だったと思います。しかし、リバプールは外の守備はある程度捨てて(SB+SHのサンドや、SBへのヘルプが少なかったかな?と)、中でしっかりはね返そうというやり方に見え、実際にそれがある程度は奏功していたように思います。
 ただ、完全にリアクション状態となったリバプールに対してマン・Uが主導権を握り続ける展開になったのは当然と言えば当然で、ある程度リバプールが割り切った守備ができていたとはいえ、いつマン・Uにゴールが生まれてもおかしくない空気には包まれていました。で、それが形になったのが42分、CKからベルバトフがヘッドで決めてマン・Uが先制しました。連続のCK2本目がゴールに繋がったんですが、1つ目はややふわっとしたボール、2つ目は低くて早いボールと球足を変えたこともよかったですし、ベルバトフのマーカー(トーレス)に対しての体の使い方は抜群でしたね。完全に前にポジションを取って、トーレスは何もできませんでしたから。前半はこのまま1−0で終了。


 後半。劣勢のリバプールがハーフタイムで何か手を打つかな?と思ってみていましたが、特に選手交代やシステム変更はなく。よって、マン・Uペースの試合の流れは変わることなく時が刻まれます。そして59分、センターサークル付近でボールを持っていたフレッチャーが右ワイドに張っていたナニへ正確なロングボールを送り、これを受けたナニに対してコンチェスキーは右足のキックコースを切る守備体制をとりますが、それを嘲笑うかのようにナニがあっさりと左足でクロスを上げると、これをベルバトフが腿でのトラップからオーバーヘッドシュート。これがゴール右隅に吸い込まれ、マン・Uが2−0と突き放しました。1点目に続いて、ベルバトフの持ち味が存分に活かされたスーパーなゴール。正直に言うと、「あ、これでこの試合は決まったな」とこの瞬間に思いました。
 しかし、今年のマン・Uはリードしてから脆い面を見せていて(フルアムエバートンに勝利目前で追いつかれている)、この日もそれが顔を覗かせます。きっかけは失点直後のマキシ・ロドリゲス→エンゴグの交代。4−2−3−1から4−4−2へとシステムを変え、エンゴグをトーレスの近くでプレーさせることでトーレスの孤立を解消させたいという意図があったと思いますが(ホジソン監督は4−4−2がベースの監督ですし)、実際に、まさに投入直後からトーレスの動きは格段によくなり、64分にはこの試合1度も見られなかった鋭い裏への飛び出しで上手くボールを引き出しエリア内に侵入。その動きを止めに入ったエヴァンスがファウルをとられ、リバプールにPKが与えられます。これをジェラードが落ち着いて決めて2−1。続けて70分にも裏へ抜けようとしたトーレスをヴィディッチ(だったと思う)が倒してしまい、エリアのわずか外(ゴールまで20m弱)でFKのチャンスを得ます。これをジェラードが鮮やかに叩き込んで、2−2の同点に追いつきました。このシーンでは壁の一番外側にいたフレッチャーがR・メイレレスのちょっかいに反応してしまい、壁に隙間を作ってしまったのが痛かったですね。でも、その隙間(ボール1個半か2個分)を狙えるジェラードはさすがの一言でした。
 スコアの上で五分になった試合は、そのままどちらに転ぶかわからない状況(むしろリバプールの逆転まであるぐらいのペース)で進んでいきましたが、決着をつけたのはこの日最も危険な香りを放っていたこの男でした。84分、センターラインやや手前からスコールズが右サイドのオシェイにロングパスを送り、オシェイはクロスを入れます。これをベルバトフがキャラガーに完全に競り勝つ形のヘディングで叩き込みハットトリック!マン・Uが突き放します。その後リバプールも必至の反撃を試みますが、マン・Uが再び脆さを見せることはないままタイムアップ。マン・Uが難敵を叩いて、勝ち点3を積み増しました。


 マン・U。5試合で7失点はらしくないとは思います。しかし、4−4−2における3ラインのブロックの作り方であるとか、個々の誰かが全くダメだということは見受けられず、それだけに余計何で?という疑問が首をもたげるわけですが…(リオの不在だけに原因を押し付けられないし)。ともかく、チェルシーが(相手に恵まれた感はあるも)アンストッパブルなスタートを切った中、勝てる試合はきっちり勝ちきっていかなければあっという間に差をつけられてしまう恐れがあるので、ファーガソン監督がどう微修正するのか、注目ですね。
 リバプール。変革によるチーム作りの遅れを鑑みても、1勝2分け2敗というスタートは予想外。ホジソン監督が、フルアム時代に見せた「4−4−2のリアクションベース」という自分寄りのスタイルとは真逆と言っていい「4−2−3−1のアクションベース」というベニテス監督時代のスタイルを引き継ぐ形でやっていることが、現状は結果として表れていないのかなと。であるならば、アクションかリアクションかはともかく、この日急にチームが蘇ったエンゴグ投入後の(自分が得意な)4−4−2でいくべきか?とも思いますが、少なくとも4−2−3−1でやり続けるのならば、ジェラードをトップ下に固定して、トーレスをいかに孤立させないようにするか(R・メイレレスはもう少し低い位置からスルスルッと上がってくるのが持ち味だし)という点を強調した方が良さそうな気はします。そういった点を含めて、ホジソン監督がどれだけ早くチームの形を固定できるか。その点に注目ですね。カイトの不在は痛いなぁ…。