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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

10−11 その1 プレミアリーグ第1節 リバプール−アーセナル

 欧州は続々と新シーズン開幕の時期になりましたが、先週末はプレミアが開幕。Jスポーツ様からなかなか放映権獲得の知らせが届かずやきもきしましたが、13日(金)にようやくその知らせが届き、ほっと胸をなでおろしているところです。で、第1節一番の注目カードだったリバプールアーセナルの試合を、今日再放送で見ることができたので雑感をば。今シーズンも、見た試合の雑感を(だいぶ遅れることもあるでしょうけど)まったりと書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
リバプール1−1アーセナル
得点:47分 D・エンゴグ(リバプール
     90分 オウンゴール(P・レイナ)(アーセナル
MOM:ハビエル・マスチェラーノリバプール


 シーズン開幕戦で、さらにワールドカップの影響でコンディションにばらつきがあり、両チームとも主力の数名が怪我などによりスタメンを外れた(リバプールはトーレス、アーセナルはセスク、ファン・ペルシーなど)ことで、どこまでゲームの質が高まるか疑問な部分もありながら試合を見始めましたが、攻撃面については案の定低調な前半となりました。要因としては「トップに収まらなかった」ことと、「両チームの守備がある程度機能していた」ことの2つが挙げられるのかなと。
 1つ目。昨季の両チームの1トップファーストチョイス(リバプールはトーレス、アーセナルファン・ペルシー)がともにコンディション不良でベンチに座り、代役はリバプールがエンゴグ、アーセナルが新加入となるシャマフでした。しかし、彼らのところで全くと言っていいほどボールが収まりません。そもそもピシッとした楔の縦パス自体が少なく(リバプールはむしろDFラインの裏へのロングボールを多用した)、不満を彼らに全てを押し付けるのは酷だと思いますが、それでもポジショニングやオフ・ザ・ボールの動きの工夫でもう少しどうにかなっただろう、というレベルだったことは事実。特にシャマフは相手を背にしたときのプレーでファン・ペルシーとの違いをアピールしないとポジションを奪うまでには至らないはずで、サイドからのクロスの少なさや、セットプレーでターゲットにならなかった(ほとんどの狙いがヴェルマーレン、コシエルニーのCBコンビに対してだった)ことなど、まだまだコンビネーションの未熟さ(シャマフの使い方、使われ方の共有がなされていないこと)はあるにせよ、全体的にはやや不満だったかなというのが正直なところです。エンゴグは…後述。
 2つ目。互いに守備のやり方は対照的でした。リバプールはDF−MFの2ラインを比較的低い位置に置いて自陣にしっかりとしたブロックを作ることで、アーセナルの各選手にスペースと時間を与えず、横や外にパスを「回させている」状況を生ませればOK。一方のアーセナルはハイプレス、とまでは言いませんが、DFラインからのビルドアップにやや不安を持つ相手に対し、早めにボールホルダーへと積極的にチェックをかけてパスミスを誘発したりロングボールを蹴らせたりすることで、ジェラードやジョー・コールのボールスキルを出させる回数(そもそもボールを持たせる回数)を減らせればOK。で、結果的に前半はそのお互いの意図が完全に嵌った感じで、アーセナルシャマフのところで収まらず、2列目の選手も狭いところでのプレーを余儀なくされた(ラインブレイクの動きも少なかった)ことでアタッキングサードでは不完全燃焼。方やリバプールは、両サイドからの攻撃(左はヨバノビッチのドリブル、右はカイトとジョンソンのコンビネーション)で崩したい意図はあるものの、アーセナルのプレスに押されて15分あたりからDFラインの裏を狙うロングボールが増え(意図的な部分が全くなかったとは言い切れないが)、しかしエンゴグを中心に裏へ抜ける動きがオフサイドになるシーン連発で攻撃にならず。結果的に前半ビシッと枠を捉えたシュートは、リバプールが終了間際のCKからのエンゴグのヘッド、アーセナルが立ち上がりのヴェルマーレンミドルシュートとそれぞれ1本ずつ。しかも、前半のアディショナルタイムジョー・コールがコシエルニーに対してのカニ挟みタックルで(悪質さはそれほど感じなかったが)1発退場となり、後半さらに膠着するかなぁ…という残念にも似た気持ちで前半が終わりました。


 しかし、サッカーとは分からないもので、試合は後半開始直後の46分にいきなり動きます。リバプールがキックオフボールからの展開でアーセナルの右サイド深くに侵入。一旦はアーセナルにボールを奪われますがクリアが甘く、再度ボールを持ったマスチェラーノが、切り替えのところで崩れていたリバプールDFラインの裏を突くダッシュを見せたエンゴグへスルーパス。これを受けたエンゴグは迷わずニアサイドめがけてシュートを放つと、これが見事に天井に突き刺さってゴール!1人少ないリバプールが先制しました。アーセナルからすればクリアが甘くなったことが運の尽きでしたが、しかし、前半ほとんど見せ場を作れなかったエンゴグがいきなり一仕事するとは思っていなかったのでビックリが強いゴールでした。
 このゴールを境に、試合は「4−4−1でさらにブロックを厚くして守り、あわよくばカウンターを狙うリバプール」と「攻めの勢いを増してブロックの穴を突きたいアーセナル」という分かりやすい図式に。で、主導権を奪ったのはリバプール。前半から守れていたやり方を続ければいいだけだったので無理やり「守ってます!」という感じは全くなく、アーセナルはますますブロックの外で回すだけになり手詰まっていく一方。特にマスチェラーノの動きは秀逸そのもので、彼がいたからこそバイタルへいいボールが入らなかったと言い切っていいパフォーマンスでした。また、カウンターもエンゴグ、カイトを中心にチクチクやり続けていて、気づけば1人少ないことを全く感じさせない試合運びを見せていたかなと。ホジソン監督の選手交代も、65分にはヨバノビッチマキシ・ロドリゲスでサイドの守備を担保しつつ74分にはエンゴグ→F・トーレスでカウンターの脅威も残し、78分には足の痛みを見せたマスチェラーノ→ルーカスで守りきるぞ!というメッセージをピッチへ伝える完璧な内容。方やベンゲル監督は60分に2枚代えでウォルコットロシツキーを投入して縦へのスピードと中盤でのアクセントをピッチ内に注入し、その効果が見えたシーンはあったものの単発。76分にはファン・ペルシーを入れさらに攻撃の圧力をかけたい意図を見せるも、そもそも混雑しているバイタルエリアに、しかもリバプールに支配されている中にファン・ペルシーを入れたところでその混雑さがただ増しただけで、局面の打開には至らず。攻めては引っかかり、攻めては引っ掛かりを続けて、時間だけが過ぎていく展開になりました。
 試合はこのまま終わったな…と個人的には思っていたんですが(多くの方がそう思ったはず)、サッカーとは分からないもので(2回目)。90分、ジョンソンがやや理解に苦しむキック(前にクリアできるぐらい余裕があったのに、タッチラインに蹴りだした。相手に当ててマイボールにしたかったのか?)でアーセナルスローインを得ると、サニャが素早く誰か(メモ取り忘れ(苦笑)多分アルシャヴィンロシツキーだと思う)にスロー。誰かが上げたクロスはいいボールで、シャマフとDFとレイナが空中で競り合い、ボールはゴール方向へ。これは(アーセナル側から見て)無情にもポストに当たり、しかも運悪く跳ね返りがレイナの元へと転がって事無きを得た…かと思ったら、これをレイナがキャッチしきれずファンブルしてしまい、ボールはゴールイン!なんとオウンゴールアーセナルが同点に追いつきました。というところで、試合終了。ビッグクラブ同士の開幕戦は、何とも言えない余韻を残して痛み分けに終わりました。


 リバプールが勝って然るべき、とまでは言いませんが、ドローという結果はリバプールからすれば不運だったかなと。ただ、攻撃に関してはこれからもいいところな低調さでしたが、フルアムでのホジソン監督のゲームスタイルやチーム戦術を鑑みれば、まずは守備を作ってからなのかな?という気もするので、勝ち点2を落とした形かもしれませんが、悲観することはないと思います。攻撃についてはヨバノビッチ、コールがもっと馴染み、トーレスのフィットネスが完璧になる(と思われる)9月中〜下旬まで長い目で見るつもりです。で、エンゴグが後半のプレーを常時できるようになれば、トーレスを焦らせる必要がなくなるので、彼の頑張りは序盤戦のキーになるかと。あとは、マスチェラーノが報道されているとおりインテルへ行くのかどうか。この試合を見る限り、やはり彼は巻き返しに絶対必要な戦力ですから、当たり前ですけど売るべきではないと思いますが、果たして。
 アーセナルもセスク、ファン・ペルシー、ベントナーらのコンディションが戻るまである程度の我慢が強いられそう。シャマフはこんなもんではないと思いますけど、この試合を見る限りプレミア独特の激しさに慣れるまでちょっと時間がかかる印象を受けましたし、ウィルシャーも使いながらだと思うので。守備も、この日はリバプールの攻撃圧力がそれほどでもなかったのでまだ何とも。個々で見れば、ヴェルメーレンはさすがでしたし、コシエルニーは十分やれると思いますが(ビルドアップの上手さ以上に、ショートダッシュのスピードに驚いた)、中盤含めてやっぱりどうしても「軽量感」は否めないので。
 最後に、今季から個人的な趣味嗜好に基づくマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)とその理由を毎試合書きたいと思います。で、この試合はマスチェラーノで。理由を短評風に書けば、

「勘所」の良さで攻守両面に活躍。アシストのシーンでは取った後の判断が早く、DFラインにズレを生じさせた。守備でもバイタルエリアを制圧し、巧みなポジショニングで縦パスを出させなかった。

 といったところしょうか。こんな感じで毎試合やっていきますので、よろしくお願いします。