続々々・メガネのつぶやき

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Jリーグディビジョン1 第13節 東京2−2神戸 雑感

 待ちに待ったJ再開初戦。1学期にさほど目立たなかった子が、夏休みを経ていきなり様変わりした…とはならず。もう一歩でそう思わせることに成功したんだけどなぁ。というよりは、「ポストW杯を担う」とのたまった−それが、例えFC東京というクラブ、城福浩という監督の傲慢であったとしても−からには、この試合は勝たなければいけなかったなと。そういう意味では、すごく残念な気持ちをいまだに引きずっています。以下、試合について短く。


 中断期間中に植えつけたという「攻撃へのスイッチ」と「ショートカウンター」は、その一端以上のものを見せてくれたと思います。主役はリカルジーニョと大黒の新2トップ。リカは宮本に「オフサイドを知らない」と言わしめるほど(苦笑)の積極性で前線をかき回せていて、しかし、中断期間前に見られた悪い意味での「俺が、俺が」感は薄れ、チームの中にしっかり溶け込みながらその異彩さを放てていた印象でした。大黒へ左足でクロスを送ったシーンなんか、それが如実に表れているかと。この日は45分しかその効力を発揮できませんでしたが、それでもここまでアクセントをつけてくれるなら、それで十分な気もしてます(できれば65〜70分まで頑張ってほしいとは思いつつ)。
 そして、大黒。まだチームとして彼の良さを最大限発揮させられるところまではいけていませんが、しかし、大黒自身の良さは存分に出たかなと。1点目に繋がるポストプレーも、相手を背負うだけにとどまらずターンをして前を向くぞ!という強い意志が感じられましたし、DFラインと駆け引きしながら下りて来る時と裏を狙う時の使い分け、タイミングは絶妙ですし、後半羽生さんのクロスに合わせたシーンで見せた少し膨らみながら相手DFの間合いから外れ、けれど自分のシュートレンジ、視野はしっかりと確保しながらクロスに合わせる動きなんかは、今でも日本屈指のそれでしたよ。今後も素直に超期待します。
 しかし、その2人よりももっと、一番好印象だったのが梶山…ではなく、大竹…でもなく羽生さん。去年もいわゆる「リンクマン」として、様々な個性があったあの11人を繋げていましたが、この日は去年以上にそういう仕事をしていたなぁと。それが監督の要求なのか、それとも羽生さんの資質がそうさせるのかは分かりませんが、最終ラインではポジショニングに不安定さを隠せなかった松下を上手く助けながら、中盤では梶山とは違う種類のキープ、タメでポゼッションの一翼を担い、その上でさらに前線へのフリーランニングや決定的なラストパス、クロスを送る仕事までできていて、もうホンマに過労死してしまうんじゃないか!?というレベルのパフォーマンスでした。


 それだけに、羽生さんをいの一番に下げてしまった采配による悪影響が露呈した−羽生交代後にチームの統一感が消えてしまい、松下のサイドがより不安定になった−ことは、例えそれが結果論であったとしても、私はスーパー納得いかないままです。4日経った今もなお、です。私が記者で、試合後の会見に出ることができていたとしたら、絶対「なぜ羽生をあの時間で下げたのか?確かに、運動量のいる仕事をハイレベルにやっていたので疲労の面は考慮すべきかも知れないが、交代直前に立て続けに2つ前へ出てのインターセプトもできていて、まだ十分に動けていたと思うが?」って質問を真顔でするぐらい、理解できません。もっと言えば、2−0とリードしているチームが75分で交代枠を使い切る采配そのものは、多分私は一生理解できないし、しようともしないでしょう。3−0にすれば勝てる。それを間違いだとは言いませんが、2−0で推移している(しかもちょっと押されている)中でそういう交代をして逆に押し込まれたときにバタバタするリスクをあえて背負う必要は全くないはずで、2−1にされてからもう一手打てる状況にしておかなければいけなかったと私は思います。
 ただ、この引き分けは必然の部分もあるのかな?と。それは、今風に言えば「インテンシティ(=強度)」の高いプレーを前半から続けていて、例えそれが意図的な、能動的なものだったとしても、あれだけやればどうしても疲労の色は濃くなる状況の中で「逃げ切る」練習をしていると、中断中ほとんど聞こえていませんでしたから。「んなこと教わらんでも自分らで判断せい!」と言われればそれまでですし、「また、この状況からリスタートするのか…いつになったら理想形が見えるんだ!」という思いは隠せませんが、しかし、これまでのポゼッションとこの試合で見せたショートカウンターのバランスが取れれば…という期待を感じたのも事実。というか、そこを信じるしかないのだ(苦笑)