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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

目じゃねぇよ

 去る土曜日は味スタに東京−神戸戦を観に行ったのですが、キックオフの数時間前に北2ゲートに近い方のフットサルコートで、ブラインドサッカー日本代表のワールドカップ壮行試合(ワールドカップは8月にイギリスで開催されます)が行われるという情報を得たので、厳しい日差しのなかではありましたが、重い腰を上げて早めに味スタに向かいました。


 ブラインドサッカーに関してはJBFA(日本視覚障害者サッカー協会)のサイトをご覧ください。といっても、もちろん私も生で見るのは初めて。ルールも知らなければ、どんな試合の流れになるのかも分からず、ある面ではものすごく新鮮な気持ちでシュート練習から見始めましたが、一言で言えば「何でそれでボール蹴れますの!?」という衝撃に近い第一印象を受けました。今回はB1クラス(GK以外アイマスクを装着して、全盲状態でプレーする)の選手たちだったようで、イコール完全に視界が塞がれた状況のなか、足下からボールを離れない細かいタッチでドリブルし、その足の感触、ボールの音(特殊な鈴が中に入っています)、コーラー(ゴール裏にいて選手(主にFW)にゴールまでの距離や状況を伝える役割の人)の声を頼りにシュートまで持っていくわけですが、まずは真っ直ぐゴールに向かってドリブルできていること自体が衝撃的で。実際家に帰って、アイマスクして廊下を真っ直ぐ歩いてみましたが、例え声や手拍子で目的地付近がどこかを把握できたとしても、怖くてなかなか足が出なかったですから。で、そこからさらに足裏を使ったフェイントや簡単な切り替えしなどを挟みつつシュートに持っていくわけですけど、コーラーがいくら位置を伝えてくれているとはいえ、自分がどこを向いているか、ボールが足下からどのぐらいの位置にあるのかを確証できないまま足を振り切るのだって、相当怖いというか、難易度の高いこと。でも、それをさほど難しいことのように見せず、さらに正確にゴールへシュートを飛ばせるわけですから、もうお見逸れしました!としか言葉が出ませんでした。
 シュート練習ですらこんな感じなので、試合が始まったらどうなるんだろう?と思っていたんですが、これまた想像をはるかに超える激しさとテクニックがそこかしこにありました。当然相手もいるわけで、ピッチには10人の選手+それぞれのコーラー+コーチと四方八方から声が飛んでくるなか、それらの声をしっかりと聞き分け、そして決して大きくないボール内の鈴の音を頼りにゴールに向かっていき、状況が許せばパスまで通せて、そしてシュートまで持っていく。対する守備も、GKのコーチングによりしっかりと細かく動いて、もちろんジャストタイミングのチェックは難しいにしても、しっかりとボールや人にぶつかりにいけていることに本当にビックリ。そのぶつかり合いもかなり激しく、ブラインドサッカー特有のサイドフェンス沿いでは思わず声が出てしまうほどで、それこそ普通のフットサルを見ているぐらいの気持ちに最後は自然となっていたように思います。


 障害者スポーツ、というか、障害者自身と接する際にどうしても(無意識に)構えてしまう部分があって…という人は少なからずいると思います。私もそんな1人でした。しかし、仕事の関係で4年ほど障害者の方々と触れ合う機会がある職場に在籍してことがあって、その間にいろんな面で意識を改めさせられた部分がありました。偉そうに言わせてもらえば、やっぱり直に触れあうことでしか分からないこと、感じられないことっていっぱいあると思うんです。障害を持つことは不便であったり、不利であったりするかもしれないけど、各々のバックボーンも知らずに不幸であったり、かわいそうという単語を当てはめるのは間違っているんじゃないか?とも。まあ、あくまで一健常者の目線でしかないですが。
 このブラインドサッカー界もそう。残念ながら、大手メディアに取り上げられる機会は少なく、この試合にはまあまあの数の取材陣が来ていたように思いますが、この様子をテレビで取り上げたところはないと認識しています(毎日新聞は記事がありました)。しかし、実際にプレーしている選手や周りの方々は非常に明るく、そこにはネガティブな空気なんか微塵もありませんでした。見ているこちら側も、この競技とのファーストインパクトという面においてはそういった空気感にはすごく助けられた(入りやすかった)し、そして、当たり前ですがこれもサッカーなんだなとしっかり認識できたことは、すごく有意義でした。皆さんにも、JやFやなでしこだけでなくこんなの形のもあるんだよ(同時期に知的障害者のワールドカップ南アフリカで開催されます)、というのを是非覚えておいてほしいですし、各々ができる範囲で支援・応援していければ嬉しいなぁと、そう強く思った土曜日の昼下がりでした。


P.S 見出しにつけたのは、ブラインドサッカーアジア選手権2009のポスターにつけられたキャッチコピーで、そのポスターはこちらのページで見ることができますが…カッコよすぎやろ、ガマw で、ボールストラップよりこのポスターが欲しかったことは内緒だよ!