今日は独断と偏見で、「上手いのは知ってたけど、それでもなお、こいつには驚かされたわー」とか「あまりよく知らなかったけど、こいつ凄いわー」という印象をもった「サプライズな選手」で構成するチームを作ってみました。もちろん、異論反論はあると思いますが、そこはグッと押さえていただけたら幸いw なお、日本の各選手は全員がポジティブなサプライズを与えてくれたので除外しますw
では、早速発表です!ワールドカップ同様、23人選んでみました。最初の11人がスタメンです。
POS | 氏名 | 国籍 |
---|---|---|
GK | ビンセント・エニェアマ | ナイジェリア |
右SB | ホルヘ・フシレ | ウルグアイ |
CB | ディエゴ・ルガーノ | ウルグアイ |
CB | ウェスティン・リード | ニュージーランド |
左SB | ファビオ・コエントラオン | ポルトガル |
ボランチ | バシュティアン・シュヴァインシュタイガー | ドイツ |
ボランチ | ディエゴ・ペレス | ウルグアイ |
右SH | アレクシス・サンチェス | チリ |
左SH | トーマス・ミュラー | ドイツ |
トップ下 | ディエゴ・フォルラン | ウルグアイ |
CF | アサモア・ギャン | ガーナ |
GK | エドゥアルド | ポルトガル |
GK | マーク・パストン | ニュージーランド |
DF | シュテファン・グリヒティング | スイス |
DF | マウリシオ・イスラ | チリ |
MF | サミー・ケディラ | ドイツ |
MF | アンソニー・アナン | ガーナ |
MF | エンリケ・ダニエル・ベラ | パラグアイ |
MF | イ・チョンヨン | 韓国 |
MF | デニス・ロンメダール | デンマーク |
MF | ハビエル・エルナンデス | メキシコ |
MF | ケビン・プリンツェ・ボアテンク | ガーナ |
FW | ロベルト・ヴィッテク | スロバキア |
―――――――ギャン―――――――
―ミュラー――――フォルラン―――サンチェス―
――――シュバイニー――ペレス―――――
コエントラオン――ルガーノ――リード―――フシレ
―――――――エニェアマ―――――――
スタメン11人の選出理由から簡単に。GKのビンセント・エニェアマにはたくさんの人が驚かされたでしょう。アルゼンチン戦でメッシを止めまくったのを筆頭に、少なく見積もっても3試合で10点は防いだんではないでしょうか?典型的なアスレティック型GK(反射神経や横っ飛びの距離で勝負する)で、それ故にギリシャ戦の2失点目のように時には「なんじゃそりゃ?」ってこともありましたが、それでもこんなレベルのGKがイスラエルリーグに眠っていたわけで、世界は広いなぁと改めて感じさせられました。このオフ、引く手数多じゃないですかね。
DF。ディエゴ・ルガーノ、ホルヘ・フシレのウルグアイ勢(ホントはゴンサロ・ゴディンも入れたかった)は、堅守速攻で勝ちあがったウルグアイの屋台骨として大活躍。ルガーノはキャプテンシーが大爆発し、それこそ「闘将」としてピッチでもベンチでも(準決勝は怪我で出れなかった)チームを鼓舞し、引っ張り続けた姿が非常に印象的でしたし、逆にフシレは感情を余り表に出さない淡々としたプレーぶりながら、しっかりと対面の選手を食い止める必殺仕事人的なパフォーマンスは目を引きました。私は戦前ウルグアイを「堅守速攻なんだけど守備が耐え切れずにグループリーグ敗退も…」と予想していただけに、それをいい意味で裏切られることとなりました。ごめんなさい。
CBのもう1人ウェスティン・リードはニュージーランド生まれながらデンマークの市民権を持ち、アンダーではデンマーク代表の経験がありながらも、大会直前にハーバート監督に説得されニュージーランド代表を選択する決断を下した選手ですが、その甲斐あってといいますか、素晴らしい活躍を見せることが出来たと思います。スロバキア戦での値千金の同点ゴールは見事でしたし、本職の守備面でもネルセンらとともに、非常に屈強なところを見せてくれました。左SBのファビオ・コエントラオンは元はMFの選手でしたが、昨シーズン後半にSBとして一躍注目を集め、大会前はキャップ数2ながら今大会でもレギュラーとして起用されましたが、見事にその期待に応えたかなと。1列前でプレーしていた選手なので、オーバーラップした際にこそ本領を発揮できるわけですけど、むしろ守備でマイコン、イニエスタ、セルヒオ・ラモスらを相手に球際で厳しくやれていたのが印象に残っています。ルックスもなかなかいいので、女性ファンは覚えておくといいかも知れませんよw
MF。ボランチはドイツコンビで…と思いましたが、そこに割って入ったのがディエゴ・ペレス。相棒だったエヒディオ・アレバロも良かったんですが(7試合フルタイム出場!)、アレバロが守備面に比重を傾けていた一方、ペレスは攻撃面でも目立っていた分こちらを取った感じです。3位決定戦の1点目に繋がったプレー(中盤でシュバインシュタイガーからボールを奪い切り、倒れたままながらカウンターの基点となるパスを出した)が一番そのことをよく表していたかなと。しかし、モナコはペレス、パク・チュヨン(韓国)、ニコラス・ヌクル(カメルーン)、ルクマン・ハルナ(ナイジェリア)と結構代表選手いたんですねぇ。そして、バシュティアン・シュバインシュタイガー。昨シーズン途中からファンハール監督の肝いりでボランチとして起用され、自然と代表でもバラックとコンビを組むことが増え、それなりに格好はつけていました。しかし、バイエルンではファン・ボメルが、代表ではバラックがいるからこそ…という疑念は拭えず、バラックリタイアの一方を聞いた時には「ドイツ、やばいかも」と正直思いました。しかし、蓋を開ければどうでしょう、文字通りピッチの中央で存在感を放ちまくり、自然とチームを束ねるリーダーとしての振る舞いをしているじゃないですか。攻撃も、守備も、ドイツを引っ張っていたのは彼。ケディラが自分の色を存分に出せたのも、ミュラーやエジルが自由にやれたのも、彼のおかげ。そういって過言ではないでしょう。まさに「一皮も二皮も剥けた」印象で、しかしまだ25歳と伸びしろがあるであろう現状を考えると、これからが楽しみで仕方ないですね。
2列目は右にアレクシス・サンチェス、左にトーマス・ミュラーをチョイス。サンチェスはイケイケだったチリを象徴する存在で、とにかく前を向かせたら厄介極まりない選手でしたね。初速がとんでもなく速く、2、3歩でマーカーを出し抜けるスピードを持ちながら、それでいてボールが足元から離れずに切り返しも深く取れるため、縦を切るべきか中を切るべきか相当考えさせることが出来る選手。サイドハーフというか、ウインガーとしてはもってこいのタイプで、まだ21歳。これからが楽しみです。そして20歳のミュラー。バイエルンでも中盤以降はスタメンを確保し、世界を相手にしても伍して戦えることは期待できましたが、しかし「大事なところでポカる」というイメージがびっちり染み付いていたので、過度な期待はどうか…とも思っていました。しかし、終わってみれば5得点3アシストでゴールデンブーツ&ベストヤングプレーヤー賞の2冠をゲット。そして、勝負弱いイメージ(あくまで当社比)も完全に払拭、でした。大胆さと繊細さ、パワーとテクニック、前への推進力と横への流動性、とにかく硬軟兼ね備えたいい選手ですよ。個人的には「羽生さん」ことメスト・エジルより何倍もサプライズ感を浴びせられたところです。
FW。横並びの2トップでもいいんですが、ディエゴ・フォルランを下がり目において、いろいろやってもらおうかなと。ってくらい、今大会のフォルランはキャプテンとして、ストライカーとして、チャンスメーカーとして、プレイスキッカーとして、ファーストディフェンダーとして、実にオールラウンドな仕事をハイレベルにこなしたと思います。守備陣の奮闘が目立ったウルグアイでしたが、しかし、点を取らなければ勝てないわけで。逆に言えば、フォルランやルイス・スアレス、エディソン・カバーニがいたからこそはっきりとした堅守速攻を浸透させられたといってもいいのかなと。3位決定戦でのスーパーボレーはオレ的ボレー歴代ベスト3に入るエモーショナルなゴールでした(そのほか2つは、マルコ・ファン・バステン@EURO88とジネディーヌ・ジダン@01−02チャンピオンズリーグ決勝)。代表で彼の雄姿を見ることが出来るのは、来年のコパアメリカが最後かなぁ?惜しいぜ。そして、アサモア・ギャン。エッシェン不在のガーナを救ったのは、間違いなく彼と(泣く泣くベンチに置いた)アンソニー・アナンだったと言っていいでしょう。尽きることのない運動量と、黒人選手らしいフィジカルの強さは今大会のFWの中でも異彩を放つ存在で、ベスト16のアメリカ戦で見せたゴールはがそれを物語っているトイっていいでしょう。ベスト8でのウルグアイ戦でPKをはずしてしまったことでスーパースターにはなり損ねましたが、それでも今大会で彼の名を覚えた人は世界中で億は下らないはず。まだ24歳。このまま中堅クラブであるレンヌで終わるはずもなく、近い将来メガクラブで躍動する彼の姿が見られるのは間違いないと思います。ドログバの後釜として、チェルシーあたりでどうよ?
以下、ベンチ陣は短く。GKエドゥアルドは、イケル・カシージャス(スペイン)と並んで今大会最も安定感のあったGKと言っていいでしょう。GKマーク・パストンはエニェアマにも劣らない、まさにサプライズを与えてくれた選手。特にイタリア戦のパフォーマンスは凄かったです。DFシュテファン・グリヒティングはベテランらしい巧みなポジショニングと危機察知能力で活躍。スペイン戦の終盤は目立ちに目立ちまくってました。DFマウリシオ・イスラは3バックのストッパー、SB、CBとポリバレントさをフルに活かしてチームに貢献。しかも、守備だけでなくしっかり攻撃にも寄与できるのが凄い。
MFサミー・ケディラは突然の出番ながら、それを全く感じさせないプレーぶり。3列目からの飛び出し、持ち上がりは見事でした。MFアンソニー・アナンは今大会トップクラスのパスチームだったガーナの中盤でのバランスを取ることを一手に担いながら、それをほぼパーフェクトにこなしてしまったことに驚きました。これぞ「アンカー」のお手本ですよ。MFカルロス・エンリケ・ベラは「こういうサッカーを知ってる選手が、チームに1人は欲しいわぁ」という印象を受けました。31歳ながら中南米のクラブばかりを歩いてきた選手なので知らなかったんですが、こういう選手をJのクラブが呼べたらカッコいいなぁと。
MFイ・チョンヨンはボルトンでの活躍そのままに、個人的な印象ではパク・チソン以上にこのチームの攻撃面を担っていたかなぁと。とにかくプレーが柔らかく、しなやかで、センシティブ。日本のおば様方に受けそうな「韓流」って感じのプレースタイルで、韓国からもこういう選手が出てくるようになったんだなぁと素直に思いました。MFデニス・ロンメダールはまだ全く終わっちゃいませんでした。日本戦では(主に)長友に封殺されましたけど、オランダ戦、カメルーン戦では間違いなくチームナンバー1の存在感があったなと。MFハビエル・エルナンデスはマンチェスター・Uへの移籍が大会前に決まっていた、という事実が大袈裟ではなかったなと。同年代でやや伸び悩むカルロス・ベラやジオバニ・ドス・サントスを差し置いて、近い将来メキシコの攻撃を背負って立つのは彼かなと。MFケビン・プリンツェ・ボアテンクは、大会前は「バラックを壊した男」という嬉しくない形で有名になりましたが、今大会ではしっかりとプレーで名を上げたかなと。FWロベルト・ヴィッテクは今になってWikiなどで経歴を調べると、「あぁ、これだけやれてもおかしくなかったんだな」と思いますが、大会の最中はそんなことは露知らず。それだけに、この活躍ぶりには驚かされました。
ってなわけで、以上23人。いかがでしたでしょうか?もちろん、漏れた選手もたくさんいます。一部挙げれば、GKライス・エムボリ(アルジェリア)、DFボンガニ・クマロ(南アフリカ)、マルコ・シュレル(スロベニア)、アルトゥーロ・ビダル(チリ)、MFエヒディオ・アレバロ(ウルグアイ)、マイケル・ブラッドリー(アメリカ)、バルテル・ビルサ(スロベニア)、ユライ・クチュカ(スロバキア)、アンドレ・アユー(ガーナ)、ラウール・メイレレス(ポルトガル)、ジャン・ボーセジュール(チリ)、ブレッド・ホルマン(オーストラリア)、FWカトレゴ・ムフェラ(南アフリカ)、ってな感じで。スーパースターのプレーに酔いしれるのも楽しみの1つですが、フラットな目線で、自分の価値観で、こういった驚きを与えてくれる選手を見つけるのも、ワールドカップの楽しみの1つではないでしょうか?終わってから言うなって話ですがw