続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

プリンスリーグ関東2010 第1節 東京U−18 3−1 武南高校 雑感

 いよいよプリンスリーグ関東が開幕。大宮戦を見ることが出来ないので、心置きなくこちらのネタを(笑) 試合の大まかな流れは、リンク先のオフィシャルレポをご参照あれ。


 それにしても、武南の守備は非常に素晴らしかったなぁというのが率直な印象です。中央では9前岡が4石田、5橋本のCBコンビに手を焼き、エアバトルでは互角か前岡がやや劣勢だったぐらい。石田は186cmという上背で、これにはさすがに手を焼くだろうなぁと思っていましたが、むしろDFがマークマンを選べる局面では橋本が前岡を見ることが多く、この橋本がまた強いのなんの。それこそ(この日は出場機会がありませんでしたが)3松藤のようなタイプの選手で、要は「落下点をいち早く読みきり、一足早く飛ぶことで競り勝てる」感じ。じゃあ、頭がダメなら足元で…ってところも厳しい戦いに。CBがビッタリ体をくっつけ、かつダブルボランチ(8平野、18小川)と協力してしつこくサンドすることで正確なポストプレーやターンをさせてもらえずじまい。加えて11秋岡がシンゴを上手くフォローできなかったため、前線でタメが生まれない展開を強いられた印象です。また、ボランチで起用された10佐々木が、攻撃時にはトップ下のようなポジショニングで攻撃のアクセントになろうという姿勢は窺えましたが、ここも武南のダブルボランチにしっかりとケアされてしまい、奪われて逆にショートカウンターを浴びることも。そうなった際の15橋本のスペースケアはやや不満の出来で、また、ボールに行くのか、スペースを消すのかの判断も甘く、「防波堤」としての役割を果たすまでにはいたっていなかった印象で、そこを武南は18小川のシンプルながら非常に実効的なプレーや、10山田のキープ力を生かして東京の守備陣を慌てさせていた感じかなぁと。
 一方サイドの攻防ですが、東京側が7武藤と18江口の個人技でそこそこえぐれるシーンはありましたが、ここでも武南の「ボールに食いつく守備」が全開。よほどの事がない限りはSB+ボランチorSHの複数人で対応してきて、逆に東京の各選手のサポートが遅かったことで、とにかく孤立、孤立の連続。時にはオーバーラップしてきた4廣木をCB、SB、ボランチ、SHの4人がワーッと囲んでサイドに追い込むなんてシーンもあったほどで、これには多数の東京ファンも苦笑い。ただ、数的優位を作り続けることは運動量的にしんどいことで、この日は春うららどころではない気温になっていて、そのなかで各選手が全くサボらなかったことには素直に拍手でした。方や東京側の守備は両サイドで長短ハッキリ。右サイドは廣木1人でも十分なくらいで、そこに江口がしっかりと絡むことでほぼ守れていましたが、左サイドは武藤が攻撃に比重を置いていたこと+橋本のフォローが鈍かったことも相俟って22村松が孤立してしまい、このサイドを突かれまくる展開に。先日の対横浜FMユース@マリノスカップでもチンチンにやられてしまったのを見ていたので、なんともヒヤヒヤする形でした。
 そんな、武南がやや押し気味の中で先制したのは東京。中盤でいい形でボールを奪ってからのショートカウンターで、さすがにこのときは秋岡と21毛利(だったと思います)の1対1になり、秋岡が一度は引っ張られて倒れそうになりながらも踏ん張って(ここで倒れなかったのが素晴らしい!)エリア内に侵入し、結局倒される形でPKをゲット。これを秋岡自らが決め、これで少し試合が落ち着くかな?と思っていましたが、いやいやどうして、武南は落ちませんでしたね。下を向くことなくアグレッシブに試合に挑み続け、先制してある程度楽になったはずの東京が依然苦しむ流れが止まらず。で、それが実ったのが38分。ここまでほぼ完璧にプレーしていた廣木が、若干アンラッキーな部分はあったものの自陣深いところでまさかのボールロスト。このボールを17河野が短いドリブルを挟んで思いっきりシュート。あの場にいたほとんどの人が予測しないタイミングのシュートで、16三浦も反応が遅れて手に当てるのが精一杯。この失点は相手を褒めるしかないでしょう。その後東京が1つ決定機を得るもゴールにはつながらず、前半終了。


 後半。まあ、「膠着状態」という言葉がピッタリ当てはまる、焦れる展開がしばらく続きましたが、先に足が止まり始めたのは武南。さすがに20度を超える気温の中、あれだけのプレスが90分持つとは思えず、どこかで東京の時間帯が来るとは思っていましたが、60分ぐらいでそれが来た感じで、武南は徐々に前からのプレスをやや弱め、ブロックを作って耐える格好に。そこで倉又監督は機を逃さず縦へ勝負できる18岩木、ややプレッシャーが弱まった中盤低い位置でのゲームメイクに期待しての24野沢を立て続けに投入しましたが、これが大正解。岩木は小気味いいドリブルで左サイドを活性化させて24吉永を押し下げる格好となり、野沢も入っていきなりシュートを放ったかと思えば、ケントが担いきれなかったボールの散らしを飄々とやり、リズムを東京に引き寄せよせることに成功。
 そして、ついに待望の勝ち越しゴールが生まれます。77分、野沢の素早いリスタートから村松がボールを受けましたが、吉永が岩木に下げられたことでチェックにこれず、村松はフリーの状態で短いドリブルを挟んで中へクロス。弾道を予測する限りは「あー、GKに一直線やんけ!」という感じでしたが、これがなんと俗に言う「シュータリング」となり、ゴールへふわっと吸い込まれます。誰もが「うわー、入っちゃったよ(笑)」みたいな感じにはなりましたが、なんであれゴールはゴール。このプレーを境に村松がどえらいことになるんですが、それは後述するとして、85分にはカウンターから野沢→村松→武藤とボールがつながり、最後は武藤のフェザークロスをもろもろの交代で最前線に上がっていた橋本がヘディングで押し込み3−1。その後の反撃をしっかり食い止め、プリンス初戦を勝利で飾りました。


 正直、苦しい試合でした。各選手の一長一短はっきり出てしまった印象で、いいところが出れば押し込めるけど、悪いところが出てしまうとたちまちピンチになる、そんな試合だったかと。ただ、今はまだそれでいいのかなと。流経大柏の本田監督は、浦和ユースに0−3と乾杯を喫した初戦を終えた後「この時期の公式戦は、すごくいい。練習で見ていた選手が、試合でどのように変わるタイプなのかを試し、順を追って確かめることができる」「春は基礎体力を作りながら、個性を見極め、組み合わせを試す。できるだけメンバーを固定せず、多くの選手をいろいろなポジションで試す。」とコメントしたようですが、東京もまさにその段階。クラブユースと高校では多少の違いはあるでしょうけど、例えば(怪我かもしれませんが)松藤ではなく2永井を使うこともそうだし、佐々木をボランチの位置で使うこともそう。起用された選手は勝つことを目指して、余計な事を考えずに戦って欲しいですけど、倉又監督以下スタッフ陣は「試行錯誤しがいのある」時期。今後も1、2ヶ月はいろいろな起用があると思いますが、いろいろな選択肢の中から最適を見極め、最良の結果を得られることを期待するのみです。
 あと、触れざるを得ないのが、村松。上でも書きましたが、後半のある時までは守備に追われて、その守備もポジショニングが良くなく、当たりも弱いために集中砲火を浴びる時間帯もありました。15小林から何度もコーチングが飛んだり、適当に蹴った(要に見えた)フィードに対して、前線の誰かから「ちゃんと(状況を)見ろよ!」って怒られたりしてたし。しかし、2点目となった「シュータリング」が彼を変えました。まあ、はっきり言ってキックミス。あのゴールはラッキー以外の何物でもありませんでした。しかし、結果的にチームを助けるゴールとなり、選手達の手洗い祝福と、ファンからの喝采が村松を包みました。そして、村松はこのミス、ラッキーを即座に自信に繋げました。そこまでただ蹴っていた時もあったフィードには全て「意図」が込められ、おのずと精度も上がっていましたし、前線に顔を出すタイミングも抜群に良くなりましたし、挙げ句には(って言い方は失礼かw)サイドを完全に崩されたシーンで絶好のカバーリングを見せるまでに。ゴールを上げたのは77分。そこからわずか15分程度で、トモキは覚醒しました。人が覚醒する瞬間って、ホントにあるんだなぁとしみじみ思いましたし、それを目の当たりにできたのはほんとに幸運だし、嬉しい限り。でも、ここからが大事。更なる成長のためにはこの日の残り15分のプレーをベーシックにまで引き上げる必要がありますし、村松ならそれが出来るはず。出来たことと出来なかったことをしっかりと自己分析して、次に見るときはもっと安心させてほしいなぁと思います。