続々々・メガネのつぶやき

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Jリーグディビジョン1 第6節 東京1−1鹿島 雑感

 「相手対策はミニマムに」というのが口癖の城福監督が、この日はいなかった、と思っています。監督は「自分たちに機軸を置いてチーム作りをしていく中での判断。相手への対策を優先すると、彼ら(キム、重松)を起用することはリスキーだったかもしれない」と語っていますが、いやいやどうして試合内容を見ればキムも重松も、いや、チーム全体が「対鹿島用」にチューンナップされていたのは明白。「是が非でも開始20分間はわれわれのペースでやりたかった」(城福監督)ために多用したロングボール。引いてブロックを作るのではなく、前からガツンとプレスをかけたその選択。それは確かにハマり、鹿島の攻撃を無力化させる時間帯もありました。失点シーンは前が空いたことで、最終ラインから迷いなくドリブルで持ち上がっていったイ・ジョンスや、躊躇なくシュートを撃った小笠原の判断力にしてやられましたが、それ以外で怖かったのはセットプレーか新井場ぐらいなもんで、前半はほぼプランどおりだったと思います。後半はさすがに疲れがピッチ全体を覆い、そのことによって生まれたスペースをお互いが使い始めてシュート数が増え、互いに1、2度決定機を得ましたが、それをゴールに結び付けられず痛み分け。この試合にフォーカスして、非公開練習を2日連続行ってまで迎えた「勝ちたい1戦」であったが故に、非常に悔しさの残る勝ち点1になりました。
 いつもならここで、「よくやったわ〜」と思いつつ「でも、なぜ勝てなかったのか?」を考えていたといます。鹿島に勝つためにチューンナップしたのに、またしても勝てなかったことに対して、大なり小なりの不満を書きなぐったはず。しかし、試合が終わって日が経ってぼんやり振り返ると、果たしてこれは「対鹿島用」のためだけなのか?ということに考えが及び始めました。城福監督は「中盤のスペースが空いてきたときに自分たちのサッカーをやれれば良かったのだが…」と試合後コメントしましたが、テレビ用のハーフタイムインタビューでは「我々はまだ自分たちで試合を作れるほどの力がない」といったニュアンスの言葉を用いて、つまりは、二重の意味で「攻められない」ことを想定していたのかなぁ?と。そういう見方をすれば、梶山と米本が満足に使えず、昨年見せていたような「いやになるほど」つないで崩すこと「だけ」なゲームコントロール法を一旦見直し、彼らがいないことを逆手にとって「時計の針を12時に戻す」作業にいよいよ着手し始めたのかなと思うわけです。梶山が、米本が戻ってくれば、きっとまた「クアトロボランチ」が巧みなビルドアップを見せてくれるでしょうし、「繋いで崩したい」マインドはベースとしてブレないでしょう。しかし、それだけでは、それしかないのであれば、きっとどこかで先が詰まってしまうという可能性を危惧しているのではないかとも。勝てなかったことは素直に悔しいです。でも、シーズンを終える頃に、この試合が今季のターニングポイントになったと言えるのを信じて、今は城服トーキョーの歩みについていくだけです、私は。