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続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

スポーツナビ|試合速報/詳報|日本 対 バーレーン−アジアカップ最終予選−

 相手がどうだとか、シチュエーションがどうだとかといった要因はありますし、「これでイケる!」とまでのたまうつもりはないですけど、それでも十分に満足できる試合だったという感想です。何より、「勝ちに勝る良薬はなし」を地でいくような試合になったのが嬉しかったなぁ。(もちろん監督、選手、協会のせいなんだけど)ここのところ殺伐としすぎて、「どこができていて、どこができていないのか?」「どこを伸ばして、どこを正すべきなのか?」といった部分を、冷静に議論できないような空気になっていたので。というか、それぞれ腹の中に持つ意見はあるでしょうけど、不慮のアクシデント以外はもう解任という選択肢がないわけですから(これは言い切って…いいよね?)、残りの期間は戦術、起用法などについての批評をしあいましょうよ。過程がないのにただ「岡田嫌い!」とか「岡田辞めろ!」とか「犬飼ボケ!」としか言えないのであれば、それは自分の中で処理してくださいよ、と。以下、畳んで感想を。


 まずは好印象だった点(というか個について)をいくつか。個で一番目だったのは、やはり本田圭佑。立ち上がりからセカンドトップというかトップ下というか、岡崎と縦の関係になった感じのポジションをとりましたが、決して下がりすぎず開きすぎず(選手のコメントを見ると、そういうオーダーだった感じ)、いわゆる相手の2ラインの間で積極的にボールを引き出す動きが見られました。そのエリアは、攻める側から見れば相手の守備陣が密集するタフなゾーンだけど、守る側にとっては誰が食いついていいか曖昧になりかねない嫌なゾーンで、実際囲まれて奪われるシーンもありましたが、同じぐらいかそれ以上にポイントとして、攻撃の推進力として機能していたように見えました。それだけなら本田じゃなくてもこなせる選手はいると思いますが、本田はそこから相手を背負ってもプレーの質がさほど落ちないだとか、ターンして前を向けるのがいい感じ。この日10番を背負った彼より、よっぽど「10番」っぽいプレーや立ち居振る舞いを見せていた(周りとのコミュニケーション含め)のが、何とも心強かったです。
 また、遠藤やCBの2人からも「そこで受けてくれるんなら」と言わんばかりの楔のパスが数多く出ていた(それをしっかり収めて次へ繋げた)のも妙にフレッシュに見えましたし、思っていた以上にヘディング・空中戦が強かったのもサプライズ。この辺は体幹の強さがなせる業なんでしょうけど、オランダ(しかも2部)で培われてきたものが結果として、成果として現れたのは頼もしい限り。岡田監督も試合後には「本田自身が、今回集まってびっくりしたんですが、プレースタイルがかなり変わっていて、シンプルにプレーして動いてディフェンスもすると。体もかなりキレている状態だったので、今日は非常に、今までになく良かったと思っています」と好評価。もちろんまだまだ噛み合わない部分はあるし、「シンプルにプレーして動いてディフェンスもする」という部分に関しては、平山もそうなんですよ!と東京ファンなら強く声を上げたいところなんですが(苦笑)、ともかく、本田の使いどころ、使い道にある程度目処がついたのは、大きな収穫と言っていいと思います。褒めすぎなのは、自覚しています(笑)


 続いで目立ったのが松井大輔。本田がセンターでポイントとなり、バーレーン守備陣を中へ収縮させることである程度サイドの選手が自由を得ることができたわけですけど、それでもテクニックの使いどころ、出しどころにこれまでの「独りよがり」さが全く感じられず、いい意味でアクセントになれていたのが良かったのかなと。また、松井自身が「(長友と)かなり話し合ってやった」と言っていた通り、(特に前半は)長友とのコンビでの崩しが面白いようにハマっていて、左サイドから何度もチャンスメイクできていました。キープ力という点では、このポジションを争う憲剛や大久保よりも上。そして、長友が「前線でポイントを作ってくれているうちに、低いところから全速でギュイーン!と上がっていく」タイプのSBである点を考慮すると、このコンビは面白いことになる可能性を秘めている気もします。攻撃だけではなく、守備もしっかりやってくれましたしね。むしろ松井の真骨頂は「奪われた(相手ボールになった)瞬間の切り替えの早さ」なのかも、というぐらいいい守備をしていたという印象。みんな攻撃ばかりに目がいくかもしれないですけど、「費用対効果」という目線で見れば、この日出場した選手の中ではもっとも効率の高い守備をしていたんじゃないかとさえ思いましたね。
 そして、中村俊輔。前半のある時間帯では、左サイドでの攻撃が決まりまくっていたので消えてしまった場面もありましたが、まあ、彼らしいプレーは見せてくれたのかなと。特に前半30分に見せたストレートボールでの岡崎へのクロスは極上の一品でした。あと、なんだかんだ言っても一番ハードにマークされていた=相手をひきつけることができる選手なんだなぁと。セルティックでの活躍で「ナカムラ」の名は世界的なものになった部分があって、おそらくグループリーグで戦う3チームも、平均以上に俊輔をつぶしに来るはず。個人的には(この試合に関して言えば、ですけど)「俊輔が関与しなくても崩せた」部分が結構あって、その上でもなお相手の目が俊輔により向くようなら逆に美味しいかも、という考えが浮かびましたし、「大事なところで『持ってない』疑惑」が核心に変わりつつある部分もあるわけですけど、とにかく、出る以上は「やってもらわないと困る」レベルは高いわけで。実際に、困ったらボールが集まっていたわけで。これから横浜FMでどれだけコンディションを上げられるか。木村新監督がどう操って、どう意識付けしてくれるのか。注視したいですね。ただ、コメントから窺える「(他の選手との)向いてる方向の違い」とか「上から目線」は、相変わらず気になりますなぁ…。


 個についてはその他簡単に。岡崎は「背負うプレー」から開放されて生き生きしていた感じ。俊輔、遠藤、松井、本田と出してくれる選手がたくさんいたことで、その彼らからどうボールを引き出すか、どう裏でもらうかという部分だけを考えてプレーできたのが大きかったんでしょうかね。遠藤、長谷部は各々状況が違うものの、ややお疲れモードだった印象。特に長谷部は上下動が少なかったなぁ。まあでも、それはある程度予想できた部分で、周りが上手くフォローアップできていたとは思いますけどね。
 4バックは攻撃に関しては満足。特に前半の長友、後半の内田はいいプレーの連続だったかなと。両CBもドリブルでの持ち上がりや積極的な楔のパスなど、攻撃に関与しようという姿勢が強く感じられましたしね。ただ、守備に関しては…後述。楢崎は少ない仕事の場面で集中を切らさずOK。森本はまだ何とも言えないですけど、後半24分の裏への飛び出しや(ゴール裏カメラが初動から捉えていましたけど、ボールの一度オフサイドラインをほぼ同時に確認し、そこから最短距離でゴールに迫る動きは、それこそイタリア人FW、もっと言えばインザーギっぽかった)、2点目に繋がるニアへのつぶれだとかいった点で、「どう点を取る(点に絡む)か」をファーストプライオリティーとするイタリアのFWメンタリティーが染みついていることをほんのわずかですけど証明したかなと。ジョーカーにはなり得ますよ。


 不安点もいくつか。まずもって、中盤危ないポジションでのイージーなボールロストからのショートカウンターで3、4度ヒヤリとさせられたのは論外。バーレーンが相手だったからリカバーが間に合いましたけど、これがカメルーンやオランダなら、少なくとももっと際どいシュートを打たれたでしょうし、そこから失点というケースも出てくるのかなと。これは個々がもっと気をつけてほしいなと。また、前半20分のように、「ボールに3人(長谷部と闘莉王と誰か)がチャレンジしたのに、一番大事な『寄せきる』という部分で3人ともがお見合いしてしまい突破された」というシーンもガッカリ。あそこはファウルで潰していいシーンでしたし、それ以外でも去る韓国戦の2失点目のように「寄せきれない」ことで痛い目に何度もあったわけで。ここはしっかりと勇気を持って対応してもらいたいですね。
 続いては、「闘莉王の穴」。まあ、DFラインから攻撃参加する際のカバーリングについては、そんなに心配する必要はないでしょう。長谷部(本当は稲本が適任なんでしょうけど)が下がってスペースを埋めれば、大事故は避けられるでしょうから。むしろ不安なのが、相手の後方からのロングフィードに対し、自分の持ち場を少し離れて競りにいった場面。この試合でも前半10分に特徴的なシーンがありました。ポジション的にはボランチの方が近いぐらいのエリアに飛んできたフィードに対し、バーレーンは確かイスマイル・ラティフだったと思うんですけど、競りにいきました。それに対して日本は、ボランチが競りにいける状況ではなかったこともありますが、闘莉王が自己判断でポジションを前に押し上げて競りに。このときバーレーンは、サルミーンだったかハサン・ラディが闘莉王の空けたポジションにスルスルッと入ってきました。それに対し日本は、中澤ではなく長友が、つまりは長友も自分のポジションから中に絞ってカバーする形をとりました。これはおそらく、長友が闘莉王の空けたスペースに入ってきたバーレーンの選手を捉えたことによって起こった「瞬間的な事象」だと思いますが、結果的に競り合いからのセカンドボールが、長友が絞ったために生まれたスペースに繋がってしまい、そこへ走りこんできたモハメド・フバイルにシュートまで持ち込まれました。結局は闘莉王が必至に戻ってきて対応したことで事無きを得ましたが、闘莉王が瞬間的に持ち場を離れた時に誰が、どのようにスペースを埋めるのかという点については、この試合に限ったことではなくこれまでにも散見されたシーン。ただでさえ一瞬のスピードやキレで劣ると思われる相手と戦うのを控えて、何も手を打たずに挑むのは無謀の一言。岡田監督や大熊コーチは守備の構築には定評があるはずなんですから、この部分のオートマティズムは可能な限り追求してほしいところです。


 今回は、現状考えうるベストメンバーで戦うことができました。まあ、「戦うことができた」と見るか「戦わざるを得なかった」と見るかは意見が分かれるところでしょうけど、(マッチメイク等についての経緯といった)過去は過去として、現実に本大会23人を発表する前に行える試合が今日と4月のセルビア戦しかなく、セルビア戦はインターナショナルマッチでーではないため、松井、長谷部、森本ら海外組の招集が難しいとなれば、今回こういうメンバー構成になるのは自明の理なのではないでしょうか?そこに不満を表明するのは、私は正直意味が分かりません。そして、前にも当ブログで書きましたが、セルビア戦は第2GK(川島or西川)、第3CB(岩政or今野or阿部)、守備寄りのボランチ(稲本)、ジョーカー(香川、ナオ、寿人、興梠)、コンセプト外(小笠原、平山)など、今回のメンバーを骨身・土台とした場合に「肉付け」足りえる選手が誰なのか(カッコ内に挙げた選手は、あくまで私の希望みたいなものなので、彼ら以外でも、J開幕から1ヶ月でウルトラ目立つ選手が出てくれば、その選手でも十分あり)を思いっきりテストする場に使ってほしいなぁと。その融合が本大会23名のメンバーになれば、それが一番収まりがいいと思います。